大人の中に出てくる子ども「インナーチャイルド」について。

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コラム
インナーチャイルドは、アダルトチルドレン(AC)や共依存と密接な関係にあるカテゴリーです。


10歳ごろまでの幼少期に感情を満たすことができなかった、トラウマができたなどすると、インナーチャイルドと呼ばれる「負の感情」が体の成長から分離され、留まってしまいます。
そうすると、「大人として」の正しい振る舞いができず、人間関係の構築や社会的な活動・生活をおくることが難しくなってしまい、生きづらさとなるのです。

甘えられなかった、感情を抑え込む(抑圧)しかなかった、諦め癖がすでについていた、色々ありますが、幼い頃からそのようなことが続くと、正しい愛情を感じられなかったり、こころの受容がなされず、その場では自覚ができなくても大人になってから多数の困ったことが出てくるようになります。

孤独を感じやすい、自己否定ばかりする、対人関係を築きにくい、いい子ばかりを演じる、感情を出さない、人の世話をしすぎる、自己中心的、逃げてばかりいる。
どの症状がどう出るかは人それぞれですが、どれかひとつだけということもなく、複数出る場合もあります。


親側が「子どもはそういう存在であるべきだ」として、圧力をかけたり自分の思うようにコントロールしたりする場合は、もちろん子どもは健全に育つことはありませんが、親や周囲にそのつもりがなくとも、子どもにとっては悲しい出来事だったりして、心に傷を抱えるケースは当然のように存在します。

親がそれを愛情からのものだと認識していても、子ども側がそれを愛情だと思えなければ、意味がないのです。

親や周囲の振る舞いは子どもにとって影響力が大きく、また子どもにとって"すべて"であるので、「そのように」学習をします。

自由、意志、価値観、尊厳。それらを奪われた人間は”自己”が「物体化(人間らしさの低下、道具化)」し、人間性を否定されます。

自己概念、他人への信頼、世界観、そういった本来まっすぐ育つはずの「基本的な価値観」を、親や周囲によって歪曲させられるのです。

それが、「トラウマ(PTSD)」です。インナーチャイルドは、幼少期に負った傷が由来するトラウマがその正体なのです。


「共依存」は人間関係に依存すること、相手から依存されることに依存するものを言い、インナーチャイルドによって引き起こされる症状です。自分の価値基準を持たないために、判断を周囲に委ねてしまいます。過剰に相手に合わせてしまったり、依存してしまったりと、適切や適度とは言えない関係を作ってしまうのです。

「依存」に該当する内容"それ"ばかりに意識が向けられるので、他に関心を向けることができない、より成長しようと思えなくなるんです。
共依存という言葉そのものは、精神心理の専門用語というより普段使いされる概念を指す名称で、診断のための明確な基準が確立されているわけでもありません。

ですが「共依存」は、周りの多くの人を巻き込むものであり、あらゆる精神疾患や人間関係上の問題の背景に存在します。

養育者が健全な人間ではなかった、家庭内が機能不全だったなどして、愛着形成がうまくいかなかったパターンの果てです。愛着障害の人は感情コントロールが苦手な部分もあり、高圧的であり他責的です。共依存者は「自他の境界が曖昧」「良い人を演じる」「自己中心的」「自己肯定感が低い」「自分が無い」などの特徴が見られ、また、人を信頼できなかったり、自分に自信が持てないために相手の気を引いて留まらせようとすることもあります。

アダルトチルドレンの場合は、不安障害、うつ病、気分障害、双極性障害、境界性パーソナリティ障害、解離性障害、適応障害などの診断名が付けられることがあります。

人間関係も極端になりやすく、人間関係と言うものに対して引きこもり、親密な付き合いを避けようとしますが、反対に"依存"して、相手のためなら何でもすると言った過度な行動をするものもあります。心から信用することができず、常に疑心暗鬼を抱き、始終表面的な付き合いになる人もいます。

自己評価や自尊心が非常に低く、自身を過度に否定的に見ているので、自分自身を大切にできない人が多いです。


否定的な体験が繰り返されると、生きていくことや将来に希望が持てなくなり、死ねばこの苦しみから解放されるんだと感じるようになって、自殺念慮への意識が膨らんでいくようになります。

親からの愛情を感じられずに育った、自分の意見や望みが抑え込まれてきた、そんな「子ども」が、やがてインナーチャイルドを抱えた大人になり、二次障害的な精神疾患などを引き起こすようになるのです。

他人との良好な関係を継続させていくことに強い不安を感じやすく、何か不満があっても相手を優先するなど、人に尽くすことでしか自分を見出せなくなってしまうわけですね。

決して簡単なことでもなく時間もかかりますが、インナーチャイルドを癒す(克服する)ことでこれらの問題を解決することはできます。

自分自身が親から受けてきたものを否認し、それは嫌だったとはっきり認識すること。自分の中の負の感情を客観的に見つめ受け入れること。

今現在の「生きづらさ」は、そういったところに原因があるものですが、治していくことはできるんですよ。
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