「AIに事務を任せられたら楽になる。でも、勝手にお客さまにメールを送ったり、間違った金額を書いたりしないか心配」
社員数名の会社の社長さんから、よく聞く声です。
実際、AIは文章を書くのが得意な一方で、それらしい数字を作ってしまうことや、頼まれていない約束を書いてしまうことがあります。だからといって使わないのはもったいない。大事なのは、最初に「任せ方のルール」を決めておくことです。
この記事では、架空のリフォーム会社用に作った「Claude 事務アシスタント」の見本をもとに、安心して任せるための4つのルールを紹介します。
ルール1:送信や投稿はさせない。作るのは下書きまで
AIに任せるのは「下書きを作るところまで」と決めます。お客さまへのメール送信やSNSへの投稿は、人がボタンを押します。
こうしておけば、AIが間違えても、お客さまに届く前に人が気づけます。最初は下書きを読んで直す時間がかかるかもしれませんが、ゼロから書くよりずっと早く終わります。
ルール2:金額や合計は、AIに計算させない
見積書の合計や、日報の作業時間の合計を、AIに暗算させてはいけません。AIは計算を間違えることがあり、しかも間違いに気づきにくい形で書いてしまいます。
そこで、次のように役割を分けます。
・AIがやること:お客さまの依頼やメモを読んで、「トイレ交換を1台、床の張り替えを1.8㎡」のように、料金表の品目と数量を拾い出す
・プログラムがやること:料金表の単価を引いて、合計と消費税を計算し、見積書(Excel)を作る
料金表にない作業が出てきたら、AIは見積書を作らずに「料金表にない作業があります」と人に返します。金額をでっちあげない仕組みにしておくのがポイントです。
ルール3:約束はさせない。迷ったら【要確認】で人に返す
工事の日程、納期、値引き。こうした「約束」にあたることは、AIに書かせません。
たとえば、お客さまから「来月の中旬に工事してもらえますか?」と聞かれたとき、AIの下書きはこうなります。
【要確認:来月中旬の工事が可能か】
ご希望の時期については、担当より改めてご連絡します。
【要確認】の部分だけを人が判断して書き換えれば、そのまま送れる状態になります。AIが判断できないことを、はっきり人に返してくれるのが、良いアシスタントの条件です。
ルール4:個人情報の扱いを決めておく
AIに渡す情報と、AIが書いてよい情報を決めておきます。
・会話の内容がAIの学習に使われない設定やプランで使う
・SNSの投稿文には、お客さまの名前・住所・顔がわかる情報を入れない
・写真に表札や家族写真が写っていないか、AIに確認項目として挙げさせる
見本の事務アシスタントでは、施工事例のメモに「写真に家族写真が写っている」と書いてあったため、AIが投稿文の下に「家族写真が写っていない写真を選んでください」と注意を書き添えました。
ルールをAIに覚えさせる方法
ここまでのルールは、毎回お願いする必要はありません。Claudeでは、会社の情報やルールを書いた「指示書」と、業務ごとの「手順書」を用意しておくと、毎回それに従って動きます。
用意するものは、次の4つです。
1. 会社の情報:会社名、営業時間、支払い方法、担当者
2. 料金表:品目、単位、単価
3. よくある質問:お客さまによく聞かれることと、その答え
4. これまでに書いた文章:メールの例を2〜3通(文章のトーンを合わせるため)
これがあれば、「このメールに返信を書いて」「この内容で見積書を作って」と頼むだけで、会社のルールどおりの下書きができあがります。
まず1つの業務から
いきなり全部を任せる必要はありません。おすすめは、毎日発生していて、ミスしても下書きの段階で気づける業務から始めることです。お客さまへのメール返信や、打ち合わせメモの議事録化が向いています。
仕組みづくりをお手伝いします
御社の料金表・文章のトーン・ルールに合わせた「事務アシスタント」の仕組みづくりを、ココナラで承っています。見積書の計算はテスト済みのプログラムで行い、送信や投稿はしない設計でお渡しします。