『いつか』は、いつの話なのだろうか

『いつか』は、いつの話なのだろうか

記事
コラム
「いつか旅行に行こう。」
「いつか転職したい。」
「いつかあの人と会おう。」

そんな言葉を、
私たちは日常の中で、
ごく自然に使っています。

もちろん、
その「いつか」が実現することもあります。

でも一方で、何年経っても
「いつか」のまま終わることも、
少なくありません。

不思議なのは、その間ずっと、
自分でも「やりたい」と思い続けていることです。

もし本当に興味がなくなったのなら、
忘れてしまうもの。

それでも心のどこかに残り続ける「いつか」

「いつか」という言葉には、
何か別の役割があるような気がしています。

「いつか」は、
未来の話をしている言葉に聞こえます。

でも私は、本当に映しているのは未来ではなく、
「今」なのではないかと思うことがあります。

今はまだ決められない。
今はまだ動けない。
今はまだ、そのタイミングではない。

そんな気持ちを、
「いつか」という一言が静かに包み込んでいる。

未来の予定というより、
今の心の状態を表している。

そういう言葉なのかもしれません

もう一つ、気づいたことがあります。

「もうやらない。」

そう言ってしまえば、
「いつか」に含まれている「可能性」は、
そこで終わります。

でも、

「いつか。」

そう言っておけば、扉は閉じません。

やるかもしれない。
始めるかもしれない。
今は、まだ分からない。

その余白だけは残しておけます

人は、未来を約束したいのではなく、
可能性を失いたくないのかもしれません。

だから「いつか」は、
先延ばしの言葉というより、
可能性の扉をそっと開けておく。

そういう言葉に思えるのです。

もちろん、ここでは
「いつか」を口にすること自体が悪い、
という話をしたいのではありません。

その言葉の奥には、

迷いがあったり、
怖さがあったり、
期待が残っていたり。

一つでは言い表せない気持ちが、
静かに重なっていることがあります。

そして「いつか」と聞いたとき、
私はその人の未来ではなく、
現在を想像してしまいます。

「いつか」は、
未来を語る言葉ではなく、
今の心が選んだ、
とても正直な言葉なのかもしれません。

だからこそ、「いつか」を口にしたときは、
問題を先延ばしにしていると考えずに、
なぜ今、その言葉が必要なのだろう

そんなふうに眺めてみると、
少し違う景色が見えてくることがあります。

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