生成AIパスポートで配点が最も大きい第4章(生成AIのリスク予防・AI倫理・ガバナンス)は、知識そのものより「似た言葉のすり替え」で落とされる章です。ここでは、選択肢でよく入れ替えられる3つの論点を取り上げます。
なお、本記事の問題・解説はオリジナルであり、公式問題ではありません。合格を保証するものではありません。
## 1. 著作権は「学習」と「生成物」で分ける
AIの学習段階と、AIが作った出力物では、著作権の考え方が違います。学習のための複製が一定の条件で認められるとしても、出力物が既存の作品とそっくりになれば、別の問題が生じます。選択肢では「学習だから何でもよい」「出力だから問題ない」のように、段階を混ぜた文が出ます。まず「どの段階の話か」を確認する癖をつけましょう。
練習問題:AIが学習したデータに著作物が含まれていた場合の説明として、最も適切なものはどれか。
A. 学習に使われた時点で、出力物の著作権侵害は必ず成立する
B. 学習と出力は別の段階であり、出力物の類似性などは別に判断される
C. 学習データに著作物が含まれていれば、学習自体が常に違法である
D. AIの出力物には著作権が一切生じない
→ 答えはBです。AとCは「必ず」「常に」という絶対表現がすり替えの合図です。
## 2. 個人情報は「入力する側」のリスクも問われる
個人情報の論点は、AI事業者の管理体制だけでなく、利用者がAIに個人情報を入力してしまうリスクも含まれます。氏名や住所、社内の非公開情報をプロンプトに入れれば、情報が外部に渡る可能性があります。選択肢では「入力した情報はAIが自動で削除する」といった安心させる文が混ざります。削除の保証がない限り、入力しないことが基本です。
## 3. バイアスは「データの偏り」と「出力の偏り」で分ける
バイアス(偏見・偏り)は、学習データの偏りが原因で、出力にも偏りが出るという流れで理解します。選択肢では「バイアスはモデルの性能だけの問題」「データを増やせば必ず消える」といった短絡的な文が出ます。原因はデータにあり、対策はデータの見直しや出力の確認など、複数の手順に分かれることを押さえましょう。
## もう1つのすり替え:ガバナンスは「誰が責任を持つか」
ガバナンスの論点では、AIの利用ルールを誰が決め、誰が責任を持つかが問われます。選択肢では「AIが自動で判断したので、利用者に責任はない」「事業者がすべて責任を負うので、利用者の確認は不要」といった、責任の所在を片方に寄せる文が出ます。現実には、事業者の管理体制と利用者の使い方の両方が問われます。責任を「どちらか一方」に決めつける文が出たら、まず疑ってください。
練習問題:生成AIの利用に関するガバナンスの説明として、最も適切なものはどれか。
A. AIが出した結果は、利用者が確認せずにそのまま使ってよい
B. 事業者のルールがあれば、利用者の使い方に問題は生じない
C. 事業者の管理体制と、利用者の確認・使い方の両方が重要である
D. ガバナンスは技術的な問題だけであり、組織のルールは関係ない
→ 答えはCです。Aは確認の放棄、Bは責任の片寄せ、Dはガバナンスの範囲のすり替えです。
## まとめ:すり替えを見抜く3つのチェック
1. 「必ず」「常に」「一切」などの絶対表現がないか
2. 学習・出力・利用のどの段階の話か
3. 原因と対策が入れ替わっていないか
この3つを問題文の横にメモするだけで、第4章の取りこぼしは減ります。直前の仕上げには、章別のドリルで同じ型の問題を繰り返し解くのが近道です。
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『生成AIパスポート 直前7日ドリル』(ココナラで販売中)では、第4章の練習問題12問と模擬試験を収録しています。本記事は公式問題ではなく、オリジナルの解説です。