現場に入ったAIは、仕事を減らしていない
学校の先生が忙しいことは、もう誰でも知っている。授業、採点、進路、保護者対応、部活動。そこへ「AIで校務を楽にしましょう」という話が乗ってきた。
それで、何が減っただろうか。
文章を作るAIは入った。要約もできる。たたき台も出る。けれど採点は先生がやっている。警報の日の登校判断も、進路相談の下調べも、授業アンケートの読み込みも、結局は人が全部見ている。
当たり前だ。AIが返してくるのは文章で、それを読んで判断するのは人間だからだ。読む量が増えただけ、という現場すらある。
使いこなせないのは、先生の側の問題ではない
こういうとき、足りないと言われるのはいつも現場の側だ。研修が足りない、リテラシーが足りない、と。
違う。道具の設計の問題だ。
判断を返さない道具に、判断の多い仕事は渡せない。渡しても、最後は全部人が見ることになる。見る仕事は減らない。それどころか、AIの出力を検算する仕事が増える。
悪いのは使う側ではない——判断を返す道具が、まだ配られていないだけだ。
判断だけを返すAIがある
Jevという。TypeSafeという会社が出しているモデルだ。
このAIは文章を返さない。返すのは判断そのものだ。聞き方は3つしかない。どれかを選ばせる。何段階かで答えさせる。そうである確率を0から1で返させる。
そして必ず、確信度がついてくる。その判断に、どれだけ迷いがなかったかの数字だ。
ここが効く。AIが迷ったかどうかを、コードの側で読めるということだ。迷った分だけ人に戻す、という線が引ける。
私はもう使っている。この記事の題名も、案を12個出してJevに選ばせた。
先生の仕事なら、4つ当てはまる
採点
基準は事前に決まっている。「何段階か」がそのまま当たる。確信度が低い答案だけ、先生の机に戻せばいい。
警報の日の登校判断
雨量、鉄道の運行、通学路の状況。材料を集めて確率を返す。決めるのは校長だ。AIは材料を出すところまででいい。
進路相談
成績、出欠、本人の希望、過去の進路実績。条件に合う選択肢を並べる。最後まで人が話す仕事だから、AIは下ごしらえだけをする。
授業評価
アンケートの自由記述を、観点ごとに段階で返す。読む人によってぶれるところを、同じ物差しで揃える。
4つとも、AIが決めるのではない。迷わなかった分だけ前に進めて、迷った分を人に返す。それだけだ。
止める場所を決める人が要る
構造はこうなる。
材料を集める
範囲を決めた問いだけをJevに投げる
返ってきた確信度で、通す/戻すを分ける
最後は人が承認する
3番目が要だ。確信度がいくつ以下なら人に戻すのか。誤りが1件出たときに誰が責任を持つのか。ここが決まらないと線は引けない。
そして、この線引きを片手間でやるのは無理だ。授業を持ちながら、閾値を検証する時間はない。
だから、そこは私がやる。
私はこの3か月、AIを実装で回してきた。ラーメンLP、1日社長シミュ、SNS投稿基盤、請求書のOCR。どれも渡した後に自分で直せる形で置いてきた。線は私が引く。どこまでの誤りを許せるかだけ、一緒に決めてもらえればいい。
まだ作っていない。作っていいか、聞きたい
実物はまだない。構造と、当てはめ先と、使う道具が決まっているだけだ。教科ごとに設計も変わるから、まずは国語・数学・英語の採点から作るつもりでいる。
この4つのうち、「これがあったら本当に助かる」というものはありますか。学校の方でなくても構わない。自分の仕事にも同じ形がある、と思った方の声も聞きたい。
コメントで一つ教えてください。反応が集まったものから、本当に作ります。