AIに「地域でおすすめの会社を教えて」と聞いたとき、自社が出るか気になる会社が増えています。
一度質問して名前が出なかっただけで、すぐにWebサイトを作り直す必要はありません。AIの回答は、質問の言い方、地域、時期、利用するサービスによって変わります。先に同じ条件で記録し、どこが不足しているかを確かめます。
2026年10月13日にMicrosoftは、Bing Webmaster ToolsのAI Performanceに、AI回答で引用されたテーマや質問、他サイトが引用されて自社が出ていない質問を確認する機能を追加しました。
Googleも、生成AI検索でページが表示された回数や、AI回答に現れたページを確認する仕組みを案内しています。
中小企業でも、専用の分析機能が十分に使えない場合は、次の4つを表に残すところから始められます。
【1.実際に聞かれそうな質問】
最初に、顧客がAIへ入力しそうな質問を作ります。
・地域名と業種を組み合わせた質問
・商品やサービスを探す質問
・困りごとの解決先を探す質問
・複数の選択肢を比べる質問
・条件や用途を指定する質問
たとえば製材会社なら、「杉の人工乾燥材を仕入れられる会社」「指定寸法の木材を少量から加工できる会社」などです。
ホームページ制作会社なら、「日田市で採用サイトも相談できる会社」「公開後の保守まで頼める制作会社」のように、顧客の条件を入れます。
会社名を直接入力する質問だけでは、新しい顧客に見つけてもらえるかを確認できません。営業担当者が実際に受けた相談や、問い合わせ文に使われた言葉から質問を作ります。
【2.回答に出た会社と引用ページ】
同じ質問をしたら、回答に出た会社名だけでなく、根拠として示されたページも記録します。
・質問した日
・使用したAI
・質問文
・表示された会社
・引用されたページ
・自社が表示された位置
・回答に書かれた特徴
自社が表示されなくても、競合会社の名前だけを追う必要はありません。どのようなページが根拠に使われたかを確認します。
会社概要、商品ページ、施工事例、料金案内、よくある質問、業界団体の名簿など、引用されたページの種類を分けると、自社に不足している情報が見えます。
AIの回答には誤りもあります。会社名、所在地、サービス内容が事実と違う場合は、元のページが古くないかも確認します。
【3.自社ページにある事実】
次に、AIへ出てほしい内容が自社サイトに書かれているかを確認します。
・対応できる商品やサービス
・対象地域
・得意な条件や用途
・注文や相談の流れ
・設備、資格、実績
・更新日と確認担当者
「高品質」「丁寧」「地域密着」だけでは、顧客が比較する材料になりにくいことがあります。
「幅広材や長尺材に対応」「小ロットの相談が可能」「公開後の保守を月単位で対応」など、確認できる事実へ置き換えます。
数字や実績には、集計期間と根拠を付けます。AI検索に出すために、確認できない実績や顧客名を追加してはいけません。
【4.AI表示後の行動】
AI回答に名前が出ること自体を、最終成果にしません。
確認するのは、次の行動です。
・自社サイトへの訪問
・商品ページの閲覧
・問い合わせ
・見積依頼
・来店や予約
・受注
問い合わせ時に「何を見て知りましたか」と一言聞き、検索、AI、紹介、SNSなどの入口を記録します。
AI経由の訪問をすべて正確に判別できるとは限りません。分かる範囲で記録し、アクセス数だけで成果を断定しないことが大切です。
【月に一度の確認表】
表計算ソフトに、次の列を作ります。
・確認日
・質問文
・利用したAI
・自社表示の有無
・引用ページ
・回答された特徴
・事実との違い
・修正したページ
・問い合わせへの影響
・次回確認日
最初は重要な質問を5件ほど選び、月に一度、同じ条件で確認します。
毎日順位を追うと、小さな変化に振り回されやすくなります。数回分を比べ、表示されるテーマ、引用されるページ、問い合わせの変化を見ます。
【改善はページ単位で行う】
AI検索へ出ないからといって、記事を大量に増やす必要はありません。
質問に答えるための事実が不足しているページを一つ選びます。商品仕様が足りなければ商品ページ、比較条件が不足していればよくある質問、実績の根拠が不足していれば事例ページを直します。
修正日と変更内容を残し、次回の確認で変化を見ます。複数の変更を同時に行うと、何が影響したか分かりにくくなります。
【注意したいこと】
AI検索の表示は保証できません。AIサービスごとに取得する情報や回答方法が異なり、同じ質問でも結果が変わることがあります。
また、AI検索向けの計測機能には試験提供中のものがあり、数字は確定値ではなく傾向として扱う必要があります。
顧客の問い合わせ内容をAIへ渡して質問例を作る場合は、会社名、氏名、連絡先、契約内容を削除してください。
競合サイトの文章をコピーせず、自社で確認できる商品、工程、実績、対応条件を掲載します。
【今日からできる小さな一歩】
顧客から最近聞かれた質問を一つ選び、会社名を入れずにAIへ質問してください。
回答に出た会社名、引用ページ、説明された特徴を一行ずつ記録します。その後、自社サイトに同じ判断材料があるか確認します。
AI検索で見つけてもらうための質問設計や、自社情報の整理方法を検討したい方には、公開中の「中小企業のAI顧問として1ヶ月伴走します」で、確認する質問と改善手順を一緒に整理しています。