AIにチラシやSNS画像を作らせると、見栄えのよい案は短時間で出てきます。しかし、毎回色や写真の雰囲気が変わり、「どこの会社の発信か分からない」状態になることがあります。
2026年10月20日にGoogleが発表した中小企業向けGeminiの新機能では、Webサイト、ブランド資料、フォント、配色などを登録し、一貫した見た目の制作物を作る考え方が紹介されました。
便利な機能が増えても、AIへ渡す基準が曖昧なら結果は揃いません。中小企業でも、分厚い規定を作る前に、次の5つを一枚にまとめれば始められます。
【1.使う色を決める】
最初に、会社を表す基本の色を決めます。
・主に使う色
・補助として使う色
・背景の色
・文字の色
・注意や強調に使う色
「緑を使う」だけでは、人によって明るさや濃さが変わります。色見本と一緒に、Webや印刷で使う色の番号を残します。
色を増やしすぎると統一感が弱くなります。基本は主色、補助色、背景色の三つ程度から始め、必要な場合だけ追加します。
【2.文字の見せ方を決める】
会社らしさは、色だけでなく文字にも表れます。
・見出しに使う字体
・本文に使う字体
・文字の太さ
・一行の長さ
・強調の方法
地域事業者の案内なら、格好よさより読みやすさが重要な場合があります。遠くから見るポスター、高齢者も読む資料、スマートフォンで見る投稿では、必要な文字の大きさが異なります。
AIには「文字を大きく」と頼むだけでなく、「最も伝えたい言葉を一つに絞る」「補足は短くする」など、優先順位も伝えます。
【3.使う写真やイラストの基準を決める】
同じ会社の発信でも、人物写真、商品写真、イラストが毎回ばらばらでは印象が揃いません。
次の項目を決めます。
・実写とイラストのどちらを使うか
・明るさや背景の雰囲気
・商品をどの角度から見せるか
・人物を使う場合の許可
・使用しない表現
たとえば「人物は使わない」「ガッツポーズを使わない」「実際の商品と違う形を生成しない」といった禁止事項も大切な基準です。
AI生成画像を商品紹介に使う場合は、実物と誤解されないかを確認します。地域、設備、商品など事実を伝える画像は、実際の写真を優先する方法もあります。
【4.会社らしい言葉を決める】
デザインには、画像の中へ入れる言葉や説明文も含まれます。
・会社が大切にする考え方
・よく使う呼び方
・文章の丁寧さ
・専門用語の扱い
・使わない誇大表現
「必ず成功する」「誰でもすぐできる」など、結果を保証するような表現は避けます。
AIへ過去の文章を渡す場合も、顧客名や個人情報を含む資料は使いません。公開済みの会社案内や、自社で作った見本から特徴を整理します。
【5.採用・修正・却下の理由を残す】
AIが作った案を選ぶだけでは、次回も同じ迷いが起こります。
案ごとに、次の三つへ分けます。
・そのまま採用した部分
・人が修正した部分
・使わなかった部分
修正理由も一言残します。「文字が小さい」「色が多い」「商品の形が違う」「会社の雰囲気より派手」など、具体的に書きます。
この記録を次の依頼へ加えると、プロンプトを長くするだけより、会社の判断基準を伝えやすくなります。
【一枚のブランド表を作る】
表計算ソフトや資料に、次の欄を用意します。
・基本色と色番号
・見出しと本文の文字
・使ってよい写真やイラスト
・使わない表現
・文章の雰囲気
・完成見本
・最終確認者
・見直し日
完成見本は、チラシ、SNS画像、提案書など用途別に一つずつ用意します。見本があれば、AIの出力が会社らしいかを確認しやすくなります。
【AIへ頼むときの例】
基準を整理したら、次のように依頼できます。
「以下のブランド表を守り、地域事業者向けの案内画像を作ってください。主色は指定の緑、背景は淡い色、見出しは短く大きくしてください。人物と誇大表現は使わないでください。判断できない項目は勝手に補わず、確認事項として分けてください」
最初から一案に決めず、違いが分かる三案を出して比較する方法もあります。最終的な文字、価格、日付、商品写真は人が確認します。
【注意したいこと】
ロゴ、写真、字体、イラストには利用条件があります。自社に使用権限がある素材か、商用利用できるかを確認してください。
生成AIへ登録したブランド資料がどのように保存・利用されるかも、サービスの契約と設定で確認します。未公開商品、顧客資料、他社から預かったデータを、そのまま登録しないようにします。
また、媒体ごとに見え方が変わります。パソコンだけで確認せず、スマートフォン表示や印刷した状態でも読みやすさを点検します。
【今日からできる小さな一歩】
過去に作ったチラシやSNS画像から「会社らしい」と思うものを一つ選んでください。
そこから、使っている色、文字、写真、言葉、使わない表現を一つずつ書き出します。この5項目が、AIへ渡す最初のブランド表になります。
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