■ ついに相場が動き出した!3週間以上の持ち合いに終止符
こんにちは。
2026年10月23日(金)の相場分析をお届けします。
昨日の金融市場では、これまでとは明らかに異なる動きが見られました。
**米国のAI関連株が大幅に下落し、国債や日本円、スイスフランに資金が向かうリスク回避の動きが強まっています。**
特に注目したいのがドル円です。
3週間以上続いていた狭い持ち合いを下方向に抜け、一時156円台後半まで下落しました。
これまで何度も下落を試しながら、そのたびに買い戻されていたドル円ですが、今回は少し状況が違います。
背景にあるのは、11月3日に予定されている米国中間選挙への警戒感、AI関連株のポジション調整、そしてフランス国債市場の混乱です。
複数の材料が同時に重なっていることから、今回の円高は一時的な値動きだけでは終わらない可能性があります。
それでは、詳しく見ていきましょう。
■ 米国株はまちまち!ナスダックが694ポイントの大幅下落
10月22日の米国株式市場は、主要指数で方向感が分かれました。
- NYダウ:11.89ドル高
- S&P500:93.74ポイント安
- ナスダック総合指数:694ポイント安
特に目立ったのが、ハイテク株を中心とするナスダックの急落です。
ナスダックは約2.6%下落し、AI関連株や半導体関連株に強い売り圧力がかかりました。
今回の下落で重要なのは、単なる企業業績への失望だけではないという点です。
AI分野への巨額投資が今後も継続できるのかという疑問に加え、金利の高止まりや政治的な不透明感が投資家心理を悪化させています。
これまで米国株式市場を牽引してきたAI関連銘柄だけに、こうした企業の株価調整は市場全体に大きな影響を与えます。
そして、株式市場から資金が流出すると、その影響は為替市場にも波及します。
■ 11月3日の米中間選挙がAI相場の転換点になる可能性
現在、市場が警戒している政治イベントのひとつが、11月3日の米国中間選挙です。
トランプ政権に対する支持率の変化や共和党の議席減少への警戒が、投資家のポジション調整を促す可能性があります。
特に注目したいのは、AIデータセンターの建設をめぐる政策の変化です。
AI産業は現在、巨大なデータセンターの建設や電力インフラの整備によって成長しています。
しかし、データセンターの急増に伴う電力料金の上昇や環境負荷に対して、米国内では反発も強まっています。
仮に民主党が議会で勢力を拡大した場合、AI関連インフラの建設に対する監督や規制が強化される可能性があります。
もちろん、民主党の勝利が直ちにAI投資の停止を意味するわけではありません。
それでも、これまで成長期待を織り込んで上昇してきたAI関連株にとっては、無視できないリスク要因です。
**投資家は選挙結果が出てから売るのではなく、結果が出る前にポジションを縮小することがあります。**
ここが今回の相場を考えるうえで重要なポイントです。
選挙までまだ時間が残されていることから、AI関連株の売りがすぐに収束すると判断するのは早いでしょう。
ただし、今回の株安には高金利や原油高など複数の要因も関係しており、中間選挙だけが原因と断定することはできません。
■ フランス国債の金利が米国債を上回る異例の事態
もうひとつ注目したいのが、フランスの国債市場です。
フランスでは財政赤字や政治的な混乱への懸念から国債売りが加速しており、10年国債利回りは5%を超える水準まで上昇しました。
一方、米国ではリスク回避による国債買いが強まり、10年国債利回りは4.95%前後まで低下しています。
その結果、フランスの10年国債利回りが米国の10年国債利回りを一時的に上回るという、異例の動きが起きました。
国債価格と利回りは反対方向に動きます。
つまり、フランス国債は売られて価格が下落し、米国債は買われて価格が上昇しているということです。
この動きからは、投資家がフランスの財政リスクを警戒し、より安全性が高いと判断する国債へ資金を移している可能性が読み取れます。
ドイツ国債などにも安全資産需要が向かっており、国債市場全体で資金の移動が起きています。
**株式市場だけでなく債券市場でもリスク回避が強まっていることは、今回の相場の重要な特徴です。**
■ 久しぶりに発生した本格的なリスク回避の円高
為替市場では、久しぶりにリスク回避による円買いが目立ちました。
近年の為替市場では、株価が下落しても必ずしも円高になるわけではありませんでした。
日米金利差や日本の実需による円売りが強く、世界的な株安局面でもドル円が底堅く推移する場面が多かったためです。
しかし、昨日は明確に異なる動きとなりました。
米国株の下落と米長期金利の低下が重なり、ドル円は156円台後半まで下落しています。
スイスフランにも資金が向かう一方、金やビットコインも軟調に推移しました。
ここから考えられるのは、投資家がリスク資産を幅広く売却し、保有ポジションを縮小しているということです。
通常、金は安全資産として買われる場合もあります。
しかし、大規模なポジション調整が起きる局面では、利益確定や現金確保のために金まで売られることがあります。
今回も、そのような資金移動が起きている可能性があります。
■ ドル円は持ち合いを下抜け!今後は戻り売りが優勢か
ここからはドル円のテクニカル分析です。
ドル円は3週間以上にわたり、158円付近を中心とした狭い持ち合いを続けてきました。
方向感が乏しく、短期トレーダーにとっても難しい相場環境が続いていました。
しかし、昨日はその持ち合いを下方向に抜け、157円を割り込んで156円台後半まで下落しました。
長期間続いた持ち合いを下抜けた場合、これまで買いポジションを保有していた投資家の損切りが発生しやすくなります。
さらに、下落を確認した新規の売り注文も入りやすくなります。
こうした需給の変化によって、下落トレンドが形成される可能性があります。
特に注目したいのが、今後の戻り局面です。
一度割り込んだ価格帯は、今度は上値抵抗として意識されることがあります。
そのため、157円台への反発が起きたとしても、すぐに上昇トレンドが再開したと判断するのは危険です。
むしろ、戻りが弱い場合には再び売り圧力が強まる展開を想定しています。
■ 今後の焦点は「実需の円売り」と「リスク回避の円買い」
ただし、ドル円がこのまま一方的に下落するとは限りません。
その理由が、日本の実需による円売りです。
日本では輸入企業などが決済に必要な外貨を購入するため、ドルを買って円を売る需要があります。
ドル円が下落すれば、企業によっては有利な価格でドルを購入できるため、買い注文が入りやすくなる場合があります。
つまり、今後の為替市場では次の2つの力がぶつかることになります。
**リスク回避の円買い**
米国株安や世界的な金融市場の不安定化によって、日本円が買われる動きです。
**実需による円売り**
輸入企業などのドル需要によって、日本円が売られる動きです。
どちらが優勢になるかによって、ドル円の方向性が決まってくると考えています。
個人的には、米中間選挙までの政治的な不透明感やAI関連株のポジション調整を考えると、当面はリスク回避の円買いが続く可能性を重視しています。
■ 今後の投資戦略!ドル円・クロス円は戻り売りを基本に
現在の相場環境では、ドル円およびクロス円の戻り売りを基本戦略として考えています。
ただし、大きく下落した直後に慌てて売る必要はありません。
むしろ、反発する場面を待ち、売り圧力が再び強まるかどうかを確認することが重要です。
具体的には、次のような値動きに注目しています。
**① 下落後の反発を待つ**
急落直後は短期的な利益確定の買い戻しが発生しやすいため、安値での売り追随は慎重に判断します。
**② 直近の抵抗帯で上昇が止まるか確認する**
157円台への反発が起きた場合、以前の支持帯付近で上値が重くなるかを確認します。
**③ 再び下落する動きに合わせる**
短期足で戻り高値の切り下げや安値更新を確認できれば、戻り売りを検討しやすくなります。
**④ 持ち合いへの回帰には注意する**
157円台を回復して下抜け前の持ち合いに戻る場合には、下落シナリオの見直しが必要です。
また、米国株が反発して米長期金利も上昇に転じれば、ドル円の買い戻しが強まる可能性があります。
そのため、方向性だけを決めつけず、損切り位置と許容損失を事前に決めておくことが大切です。
■ 米中間選挙までポジション調整が続く可能性
今回の相場で最も注意したいのは、ポジション調整が長引く可能性です。
AI関連株はこれまで相場を牽引してきた存在であり、多くの投資家が大きなポジションを保有していると考えられます。
それだけに、リスクを縮小する動きが本格化した場合、一日や二日では収束しない可能性があります。
さらに、11月3日の米国中間選挙を控えていることから、投資家が積極的にリスクを取ることを避ける展開も考えられます。
もちろん、選挙前に不透明感が後退し、株式市場が反発する可能性もあります。
重要なのは、ひとつのシナリオに固執しないことです。
株価、米長期金利、国債市場、そして為替市場の動きが同じ方向を示しているかを確認しながら対応していきたいところです。
■ まとめ|ドル円は新たなトレンド形成の重要局面へ
10月23日の相場で注目したいポイントは、以下のとおりです。
- 米国のAI・半導体関連株が大幅下落
- 11月3日の米中間選挙が新たな警戒材料に
- フランス国債の売りが加速し、世界の債券市場で資金移動が発生
- 米長期金利が低下し、リスク回避の円買いが進行
- ドル円は3週間以上の持ち合いを下抜け
- 当面はドル円・クロス円の戻り売りを基本戦略として検討
これまで方向感に乏しかったドル円ですが、ようやく大きな値動きが生まれています。
ただし、相場が大きく動き始めたからといって、無理に利益を狙う必要はありません。
**大切なのは、方向を当てることよりも、相場の流れが明確になったところで優位性のある取引を積み重ねることです。**
今後は米中間選挙に向けたポジション調整の行方を確認しながら、ドル円の戻り売りを中心に慎重に対応していきたいと思います。
それでは、本日も無理のないトレードを心がけて頑張りましょう。
※相場分析は2026年10月23日時点の情報に基づく見解です。将来の値動きや利益を保証するものではありません。実際の取引では最新の価格とニュースをご確認ください。