冷蔵庫から出したガラスの器に、白く濁った甘酒。
底のほうに沈んだ米の粒が、スプーンでゆっくり持ち上がる。
外はまだ蝉が鳴いていて、器の外側にはもう、細かい水滴が浮いている。
こんにちは、神楽 玄斗(かぐら げんと)です。
今、あなたの心にも、似た情景が浮かんでいませんか。
甘酒は、冬の飲みものだと思われがちです。けれど本来は夏の季語で、江戸の町では暑い盛りに冷やして売られていました。汗をかいて弱った体を、甘さで内側から立て直すための飲みものだったのです。
甘いのに、冷たい。この二つが同じ器に入っているところが、私はずっと恋に似ていると思っています。
思い出す場面は、たいてい甘いのです。彼が笑った顔、名前を呼ばれたときの声の高さ、駅で別れ際に一度だけ振り返ったこと。なのに今、その記憶に手を触れると、器の表面みたいにひやりと冷たい。甘さと冷たさが同時にあるから、飲み干すことも、捨てることもできずにいる。
八月半ばの午後、家の中は静かです。エアコンの音だけがして、テーブルに置いたスマホは光らない。何度か画面をつけて、時刻だけを確認して、また伏せる。器の水滴が指を伝って、手首まで落ちていく。
彼の本音は、霊視でハッキリと視えます。今のあなたの状況を、一度視させてください。
こういうご相談を受けて視させていただくと、彼の側にも同じ「冷えた甘さ」があることが、しばしばあります。
先日、お盆休みの最中にご相談をくださった方がいました。視えたのは、実家の台所に立つ彼の姿でした。母親が出した麦茶のコップを片手に、話し声には相槌を打っている。けれど視線は、テーブルの端に伏せたスマホから離れていません。会話が途切れた一瞬、素早く画面をつけて、また伏せる。その動作が、二十分のあいだに四回ありました。
彼は迷っていたのではありません。決めきれずにいたのです。連絡すれば何かが動いてしまう。動いた先の責任を負う自信が、今の彼にはまだない。だから沈黙という形で、その場に置いている。冷やしたまま、飲み干さずにいる。
その甘さがまだ残っているのか、それとも本当に薄まってしまったのか。器の中身までは、外側からは見えません。私が代わりに、底のほうまで視てお伝えします。
飲み終えた器を洗うとき、指先に米麹の匂いがわずかに残ります。石鹸で流せば消えるのに、その日だけは、なんとなく嗅いでしまう。
無理に飲み干さなくても、無理に捨てなくてもかまいません。ただ、いつまでも冷蔵庫の奥に置いたままでは、味も分からないままです。今どんな味がしているのか。それだけでも知っておくと、次に手を伸ばすかどうかを、自分で決められるようになります。
夕方になれば、風が少しだけぬるくなります。夏はまだ、終わりません。
冷えた甘酒が教えてくれた続きは、霊視でお伝えします。
あなたの恋愛が前向きになるように、お手伝いさせていただきます。
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