日本で働く外国人の方から、「転職したらビザの変更は必要ですか?」「会社を辞めたら在留資格はどうなりますか?」という相談を受けることがあります。
結論からいうと、**転職しただけで必ず在留資格の変更が必要になるわけではありません。
しかし、転職後の仕事内容によっては在留資格変更許可申請が必要になる場合があります。また、所属機関に関する届出を行わなければならないケースもあるため注意が必要です。
今回は、外国人の転職と在留資格の関係について、わかりやすく解説します。
1.転職したら必ずビザの変更が必要?
現在持っている在留資格の範囲内で転職する場合は、原則として在留資格の変更申請は必要ありません。
例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持っている方が、同じく専門的な知識やスキルを活かす仕事へ転職する場合です。
ただし、重要なのは**会社が変わったかどうかではなく、転職後に行う仕事内容が現在の在留資格に該当するかどうか**です。
たとえば、
* ITエンジニアから別の会社のITエンジニアへ転職
* 経理担当者から別会社の経理担当者へ転職
* 貿易業務から別会社の海外営業職へ転職
といったケースでは、現在の在留資格の活動内容に該当する可能性があります。
一方で、転職によって仕事内容が大きく変わる場合には注意が必要です。
2.仕事内容が変わる場合は注意が必要
例えば、現在「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持っている方が、転職後に飲食店の接客業務や工場での単純作業を中心に行う場合、現在の在留資格では活動内容が認められない可能性があります。
このような場合には、
**在留資格変更許可申請**
が必要になる可能性があります。
「転職先の会社が採用してくれたから大丈夫」と考えるのは危険です。
外国人の就労については、雇用契約が成立していることだけでなく、
* 学歴
* 職歴
* 転職後の業務内容
* 雇用条件
* 会社の事業内容
などを総合的に確認する必要があります。
3.転職した場合は「所属機関に関する届出」も必要
就労系の在留資格を持っている外国人が転職した場合、前の会社を退職したことや、新しい会社へ入社したことについて、入管への届出が必要になる場合があります。
原則として、**変更が生じた日から14日以内**に届出を行う必要があります。
届出を忘れてしまうと、次回の在留期間更新許可申請などで不利益になる可能性もあるため注意が必要です。
「転職しただけだから何もしなくていい」というわけではありません。
4.転職後に更新申請をすれば大丈夫?
転職後、在留期間の更新時期まで何も手続きをせず、そのまま更新申請を行う方もいます。
しかし、転職後の仕事内容が現在の在留資格に該当するかどうか不安な場合は、更新時まで待つことにはリスクがあります。
特に、
* 転職先の仕事内容が在留資格に該当するか微妙
* これまでとは異なる業界へ転職する
* 職務内容が大きく変わる
* 在留期間がまだ長く残っている
といった場合には、事前に適法性を確認しておくことが重要です。
転職後に長期間勤務したにもかかわらず、更新申請の際に「これまでの活動内容が在留資格に該当しない」と判断されると、大きな問題になる可能性があります。
5.「就労資格証明書」を取得するという方法もあります
転職後の仕事内容が現在の在留資格で認められるか不安な場合には、**就労資格証明書交付申請**を検討する方法があります。
就労資格証明書とは、外国人が行おうとする活動が、現在持っている在留資格の範囲内で認められることを確認するための制度です。
必ず取得しなければならないものではありませんが、転職後の業務内容について不安がある場合には、有効な選択肢となります。
特に、転職先企業にとっても、
「この外国人を雇用して問題ないのか」
という不安を解消する材料になる場合があります。
6.会社側も注意が必要です
外国人を採用する企業側も、「本人が就労ビザを持っているから、どんな仕事でも任せられる」と考えてはいけません。
在留資格によって認められている活動内容は異なります。
例えば「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持っている場合でも、採用後に担当させる仕事内容が在留資格に該当しなければ、適法に就労できない可能性があります。
外国人採用では、採用前に以下の点を確認することが重要です。
* 在留カードの在留資格
* 在留期間
* 転職後の具体的な仕事内容
* 本人の学歴・専攻
* これまでの職務経験
* 雇用条件
特に重要なのは、**求人票の職種名ではなく、実際に行う業務内容**です。
まとめ|転職前に在留資格との関係を確認しましょう
外国人の転職では、「会社を変えること」自体よりも、「転職後にどのような仕事をするのか」が重要です。
現在の在留資格の範囲内で活動できる場合もありますが、仕事内容によっては在留資格変更許可申請が必要になるケースもあります。
また、所属機関の変更に関する届出が必要になる場合もあるため、転職後に何も手続きをしなくてよいとは限りません。
外国人本人にとっても、採用する企業にとっても、転職前または転職後の早い段階で在留資格との適合性を確認することが大切です。
「この仕事は現在の在留資格でできるのか」
「転職した場合、どのような手続きが必要なのか」
といった疑問がある場合は、専門家へ相談することをおすすめします。