こんにちは。
出版編集者のyasyuuです。
このブログは、ペーパーバック出版を自力でなさる方を対象に、「きれいに、安全に」出版するうえで「これだけは知っておきたい必須知識」をまとめたものです。随時更新していきますので、ぜひ参考になさってください。
◆裁ち落としとは何か?
印刷物では、裁ち落としという言葉がよく使われます。
Amazonペーパーバック出版でも、本文と表紙のデータを作成するうえで必要な概念となります。
ここでは、少しわかりずらい「裁ち落とし」というものを、極限までやさしく解説します。
以下はAmazonペーパーバック出版のガイドラインに掲載されている画像となります。
左の図が裁ち落としなし。
右の図が裁ち落としあり、です。
(出典:Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング、「判型、裁ち落とし、マージンの設定」より)
外枠に二重線がありますが、この線と線で挟まれた細い白味部分を「裁ち落とし(マージン)」といいます。
最も外側の枠が裁ち落ちしあり用の原稿サイズ。
そのひとつ内側が実際の書籍サイズです。
左右の画像を比べてみると、裁ち落としありの右の画像は、最も外側の枠まで画像が広げられていることがわかります。
さて、ここで上記画像から素朴な疑問が生じます。
「たとえば、A5判(148×210mm)の原稿に、A5判の横サイズ(148mm)
まで画像を埋めれば、それでいいんじゃないの? 最も外側の枠まで埋める必要はないでしょ?」
…ここが最も裁ち落としが理解しずらいところとなります。
ペーパーバック出版に限らず、印刷物はまず紙に印刷されます。これを印刷工程といいます。
つぎに印刷物を断裁します。これを製本工程といいます。この製本工程はアナログ要素満載の作業です。
印刷紙は季節により湿気を吸収したり、逆に乾燥したりと規格通りの紙サイズを維持できない性質があります。
また、製本(断裁)も最終的に人が目視で微調整するため、どうしてもわずかなズレが生じます。機械自体もズレを出します。
製本(断裁)時のこれらのズレを、最初から想定して、あらかじめズレても問題ないように余白(マージン)をもたせ、ズレても目立たないようにする。これが裁ち落としが必要となる理由です。
クッキーを焼く際、型抜きをすることがありますが、型通り抜くには型よりひとまわり大きなサイズの生地が必要ですよね。5cmの四角を型抜くときには、最低でも四方6cm程度の生地を用意、というように。
クッキーの型抜きと印刷物の裁ち落としは、まったく同じです。
「クッキーの型抜き」=「印刷物の裁ち落とし」
だからこそ、Amazonペーパーバック出版の本文データでは、裁ち落としをする際に、仕上がりサイズより上・下・外側に3.2mmほど大きな生地が必要となるのです。型抜きをしますから。
ちなみに、たとえ一辺でも紙面いっぱいに画像や色を添える場合は、上・下・外側に3.2mmを足した、つまり、仕上がりサイズより大きな生地が必要となります。
※A5判(横148mm×縦210mm)で裁ち落としがある場合は、
横:148+3.2(外側)=151.2mm
縦:210+3.2(上)+3.2(下)=216.4mm
が、ページサイズとなります。