Amazonでアパレル・雑貨の季節商材を自社ブランドで販売しているアキオです。
前回は、上限ACOSの決め方と「2週連続で超えたら止める」というルールを書きました。今回はもっと地味な話です。検索語句レポートから除外キーワードを決める作業を、実際にどう回しているか書きます。
派手さはありませんが、広告費の使い道を直接変えられるという点では、入札調整より効く月があります。
■広告費は「売れなかったクリック」からも出ていく
スポンサープロダクト広告はクリック課金です。売れても売れなくても、クリックされた分だけ費用が発生します。
オート広告やフレーズ一致で配信していると、狙っていない語句にも広告が出ます。商品名の一部が引っかかっただけの語句、別ジャンルの商品を探している語句、サイズや用途が合わない語句。こうした語句は、クリックされても注文につながりにくい。
除外キーワードは、この「費用は出ていくが注文にならない入口」を閉じる作業です。
■手順1:検索語句レポートを出す
広告コンソールの「レポート」から検索語句レポート(Search Term Report)を出します。期間は直近30日にしています。理由は、季節商材だとそれより長い期間を取ると、シーズンの違う語句が混ざって判断を誤るからです。扱う商材の回転によっては、ここは変わります。
■手順2:見るのは3列だけ
レポートには多くの列がありますが、除外の判断に使うのは実質3つです。
・クリック数
・注文数
・広告費
この3つを、検索語句ごとに並べ替えます。狙うのは「クリックは積み上がっているのに、注文が0」の行です。
■手順3:切る線を先に決めておく
ここが一番迷うところなので、私は線を先に引いています。自社での目安はこうです。
・直近30日でクリック10回以上・注文0の語句 → 完全一致で除外
・上の条件に当てはまり、かつ同じ単語を含む語句が複数並んでいるとき → その単語をフレーズ一致で除外
「クリック10回」は絶対的な基準ではありません。自社の商品単価とコンバージョン率から逆算した目安です。たとえば普段のコンバージョン率が10%前後なら、10クリックで1件も売れていない語句は「たまたま」では説明しづらくなる、という考え方です。単価が高くコンバージョン率が数%の商材なら、この線はもっと大きい数字になります。
仮の数字で挙げます(実在の商品ではありません)。
・語句A(別用途の語):クリック18/注文0/広告費1,400円
・語句B(サイズ違いの語):クリック12/注文0/広告費900円
・語句C(商材の主要語):クリック22/注文3/広告費1,600円
この場合、AとBを除外します。Cは注文が出ているので触りません。AとBを閉じれば、翌月の同じ語句への支出は発生しなくなります。
■完全一致とフレーズ一致の使い分け
・完全一致で除外:その語句「だけ」を止めたいとき。安全側の選択
・フレーズ一致で除外:その単語を含む語句をまとめて止めたいとき。効き目は大きいが、巻き込み事故が起きうる
フレーズ一致で除外するときは、その単語を含む語句の中に、注文が出ている語句が混ざっていないかを先に確認します。ここを見ずに広く除外すると、売れていた入口まで閉じてしまいます。私は最初のころ、これで売れていた語句を止めてしまったことがあります。
■除外は「やればやるほど良い」わけではない
削ることばかり書きましたが、やりすぎると逆効果になりえます。
オート広告は、配信して得た検索語句のデータをもとに配信先を広げていきます。除外を増やしすぎると、新しい語句を見つける余地が狭くなります。私は、注文が出ている語句と地続きの語句は、しばらく残して様子を見るようにしています。
除外の目的は広告費を最小にすることではなく、注文につながらない支出を減らして、つながる語句に回すことです。
■頻度は月2回
この作業は月2回にしています。理由は2つです。
・1週間だとデータが薄く、判断が誤差に振り回されやすい
・1ヶ月あけると、その間の「売れないクリック」を丸ごと払い続けることになる
季節商材の立ち上がり期など、動きが速い時期は週1回に増やします。所要時間は、SKU10点前後なら1回15〜30分程度です。
■自社アカウントの数字
参考までに、私の店の通常運用期(2025年9〜10月)の広告費比率(TACOS=売上に対する広告費の比率)は12.4〜12.7%でした。この2ヶ月の実績を、2026年9月にSP-APIと広告コンソールの請求書から再集計した数字です。加工はしていません。
ただし、これは2ヶ月分の数字であって、除外キーワードの整理だけで達成したものではありません。上限ACOSの設定、在庫日数を見た入札調整、価格の調整が同時に動いています。除外はそのうちの一つ、という位置づけです。
■お知らせ
Amazonスポンサープロダクト広告の運用代行を、月額で承っています(新規は毎月3社まで・広告費10万円程度から・契約の縛りなし)。
見積り相談では、現在の広告費と粗利率をうかがったうえで、上限ACOSの目安と、最初に手を付けるべき箇所(除外の整理なのか、入札なのか、そもそも広告以外なのか)をお答えします。お引き受けできる商材かどうかも、その場で正直にお伝えします。
※本記事の数字は自社アカウントの実測値です。商品名・ASIN・ストア名は非公開にしています。売上・利益を保証するものではありません。