中小企業経営のための情報発信ブログ213:タイムオフ

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コロナ禍で在宅勤務・テレワークが普及し、通勤から解放されましたが、気がついたらのノンストップ出仕事をしている人も多いのではないでしょうか? 私も、土日関係なくデスクに向かっている時間が増えました。ライフワークバランスを求める人が増えたとは言え、多くの日本人はいまだに休むことに罪悪感を感じています。長時間労働による燃え尽き症候群などの弊害が指摘されていますが、日本では、休んだり長期休暇を取ったりすることが難しいのが現実です。
欧米で「Time Off」(日本では未刊)と言う本が話題になっているようです。この本は、そもそもなぜ休みが必要なのか、どうすればうまく休めるか、仕事から離れるコツを紹介しています。
1.予定を「こんまり」せよ
 本書の中で紹介されている日本人の一人が、通称「こんまり」近藤麻理恵さんです。「こんまり」さんは片付けコンサルタントで、家にあるものを片付けて、ときめきをもたらさないものは捨ててスペースを作ることで知られています。
 「Time Off」という本も、「こんまり」さんの片付け術に通ずるものがあります。
 仕事とプライベートの予定が詰ったカレンダーを眺めて、クリエイティビリティーと喜びをもたらさない予定は捨てるのです。そうすると空き時間が生まれます。休む時間が作れるのです。「こんまり」さんはカテゴリーごとに家の中を整理することを提唱していますが、カレンダーの整理も「仕事」「プライベート」などのカテゴリーごとに行なうのがいいのです。
2.タイムオフで生産性は上がる
 タイムオフというと、怠惰という印象を与えるかも知れませんが、休みを取ることで、生産性は上がり、良い仕事ができ、よりクリエイティブになることができます。
 経験があるかと思いますが、クリエイティブなアイデアがひらめいたりするのは、忙しく落ち着きもなくイライラしているときではありません。クリエイティブなアイデアがひらめいたり素晴らしい仕事ができたりするのは、落ち着いていて穏やかでゆとりがあるときです。
 この本では、休みを取るということは、怠けるのとは逆で、人生を目一杯生きることができたり、生きる喜びや楽しみを見つけたりすることができる良いサイクルを生み出すという考えで書かれています。 
 著者の一人マックス・フレンゼル氏は、スタートアップ企業で働いていたときにあまりに忙しくそこから逃れるために、青春18切符を使い1週間ほど東北を旅します。フレンゼル氏は、山形の小さな旅館で、自分の人生を振り返り、こんなに人生で忙しかったことはないのに、生産性が伴っていないことに愕然とし、「忙しい=生産性が高い」ではないことに気づきます。この経験を素に記事を書いたところ、友人経由で拡散され、テキサスにいた共著者のジョン・フィッチ氏の目にとまります。フィッチ氏もいかにうまく休むかについて興味を抱いており、こうして、この本が生まれたのです。
 テキサス在住のフィッチ氏と東京在住のフレンゼル氏がお互い顔を合わせることなく、この本をつくり上げるのです。自費出版でありながら、オリジナルの英語版の他、台湾語、中国語、韓国語版も出ており、日本語版は現在翻訳中ということです。
 フレンゼル氏は、「日本では長時間労働が問題となっている。でも、立ち止まって振り返ってみて欲しい。『忙しい』フリをしていないか」と言います。
 以前「クソどうでもいい仕事(ブルジットジョブ)」でも書きましたが、机に座って仕事をしているフリをしてダラダラと時間だけ過ごしている人がいかに多いかです。そのフリをやめれば、休む時間を確保しながら、価値ある仕事に集中できるようになるはずです。ダラダラと時間を費やしているだけなら集中力はなく、碌な仕事はできません。短期間に集中して仕事に取り組めば、生産性の高い仕事ができます。フレンゼル氏が言うようの「忙しい=生産性が高い」ということではないのです。まあ、長時間ダラダラ机に向かっているのは「忙しい」とはいえませんが。
 日本では、週休3日制の導入を真剣に検討している企業も増えてきました。ほとんどが「選択的週休3日制」ですが、休日を選べるというのは大きな進歩です。大きすぎる変化は着地点も難しいので、小さなところとから進めていく方がいいのです。故人レベルでは大きなところから始めるのは難しいので小さなところから何かを変えてみるというのが最初のステップです。即レスが必要ないメールには返信しないとか、頼まれたことに「はい」と返事するのではなく、「いいえ」と返事をして、頼まれ事を断って時間を作るのです。
 個人だけでなく、組織や社会も変わらなければなりません。先ほどの週休3日制は組織や社会の変化です。組織や社会が変わるためには、リーダーが率先して休みを取ることです。上が休まなければ下は休めません。リーダーが休むことの重要性を理解し、それを実戦することです。
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