顔にはすべてが映し出される

こんにちわ。

龍神様にご縁をいただいているスナックママのみちるです。

先日「美人は幸せなのか」というブログを書いたのですが、美人って歳を取っても美人なんでしょうか?

テレビで昔、活躍した芸能人が時を経て久々に近況などを語ったりすることってありますよね。

あの人は今、みたいな番組で。

出てくる昔の有名人は、現在もまだ歌を歌っていたり、それともまったくちがう業種に転職したり、はたまた借金や病気などに苦しんでいたり。

境遇も人それぞれですが、高齢になっても尚ライブハウスで歌っていた歌手は、整形を繰り返しているのか皮膚の張りが不自然だったんですよね。

その歌手は今も歌えて幸せ!! …と言う割にはあまり幸せそうに見えませんでした。

何か不幸なエピソードを語ってたわけではないんですが、今の境遇に納得していない、そんな風に思えました。

「内面は顔に出る」とはよく言われることですが、年齢が若いとなかなか納得できませんよね。

性格の悪い美人とか、性格いいけどブスとかいるじゃん、と思いますよね。

まだ自己が確立されていない若い頃はあいまいなものなんですが、これが50代、60代になるとハッキリと、残酷なくらい出てきます。

それは顔の造りとはまったく関係のない、その人の考え方、生き様のようなものが如実に映し出されるのです。

いくら整形して美しくなっても、内面を磨くことをおそろかにしていたら、その美は険のあるものになり、美にしがみついている老醜と映ります。

私はそれを前出の歌手に見たのでしょう。

いじわるな人は初対面でもわかる

私が店を始めたばかりの頃、何回か訪れていた年配の男性が、同じくらいの年頃の女性を連れてきました。

ところがその女性は顔立ちは美しいものの、顔を見ただけで「あ、めんどくさそうな人」と感じるくらい、険しい表情でした。

案の定、その女性は店の内装が貧乏くさい、酒も貧乏くさい、お通しのさつま揚げを箸でつまむと「何これ」と言って皿に戻しました。

店のことならまだしも、

「あんた、よくそんな顔でママなんかやってられるね」

と鼻で笑われました。

それは自分でも思ってるので別にいいのですが、女性客に言われるのはキツいな笑。

あまりにあれこれ言われるので、私は女性にこう尋ねました。

「もしかしてお店をやってらしたんですか?」と。

すると女性は電光石火の速さで、

「店なんかやってないよ! あたしはそんなことを言われるのが一番嫌いなんだ!!」

…と、鋭く吐き捨てました。

「それは申し訳ありません。とてもお綺麗な方なので、どこかのママさんかと思ったものですから……」

と私は返しました。

すると女性は大きく目を見開いて驚いたような顔をしましたが、ふん、と鼻を鳴らしました。

実際、女性は綺麗だと思いましたので、私はそのままをお伝えしただけです。

しかし、女性の毒舌は止むことがなく、ジロジロ見ただけのさつま揚げは、結局口に入れることはありませんでした。

連れの男性がいなければ「お金はいりませんから帰ってください」と言うところでしたね。

後日、あの女性を連れてきた男性が店に来て「こないだはゴメン」と謝ってくれました。

女性はやはりだいぶ前にスナックをやっていたそうで、高級店だったため年齢が上がってからはお客様が減ってしまい、結局閉めたということでした。

そして女性は、新しいスナックができると昔の常連客と共にその店に行き、内装から酒から一通り文句をつけるのを常としているのだそうです。

「あれだけ美人だから、昔はいい客がいっぱい付いてたんだけどね。性格がキツくてね」

と男性は言います。

若い頃はだいぶ美しかったがその美貌にあぐらをかき、男たちにちやほやされるのを当然と思っていたのでしょう。

彼女の顔にはちやほやされたことによって高慢さが、またその客達が新しい若い女の店に移ってしまったことによる怒りが皮膚の上に刻まれていきました。

そして60歳をいくつか過ぎて、その高慢さ、怒り、冷たさは一目見ただけでわかるくらい残酷に浮かんでいます。

後日、その女性に手芸用品店で遭遇しました。

前に見たのは薄暗い店の中だったので気づきませんでしたが、彼女の眉間には何本も深い縦皺が刻まれ、口元はひん曲がってへの字になっていました。

その人は売り物の布地を指でこすり、店員さんを口汚くののしっていました。

呼んでいるのに来るのが遅いとか、こんな品質が悪いものをこんな値段で売るのかなどと。

相変わらずです。

私は見つからないようにこっそりとその店から立ち去りました。

いつか彼女が、他人をこき下ろすことで自身を醜くしていることに気づく日は来るのでしょうか?

彼女がそれに気づき、安らかな笑顔を浮かべられることを私は願ってやみません　(本当です)。