【日記】4月10日、世界が少しだけズレた日

【日記】4月10日、世界が少しだけズレた日

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コラム


4月10日。特に意味もなく目が覚めた。
意味のない朝は、大抵なにかしらが壊れていく前触れだ。
目覚まし時計は鳴っていない。というか、昨日の夜に「二度と俺を起こすな」と言って壁に叩きつけたので当然だった。彼はもう帰ってこない。

冷蔵庫を開けると、そこにはヨーグルトと…なぜか封印されし古の怨霊が入っていた。
「またお前か」
最近よく来る。冷たいところが好きらしい。自炊より除霊の方がスキル上がってる気がする。そろそろ履歴書に書こうかな。「特技:家庭内の霊的掃除」

今日は“駅前の像がちょっとだけ動いた日”として密かに語り継がれているらしい。
誰がそんな都市伝説を作ったんだ。ていうか、誰が見張ってるんだ、像を。

通勤途中、道路に穴が空いていた。
小さな穴かと思ったら、そこから上司の魂が抜け出していた。
「やあ」
「やあじゃねぇよ」
定時で帰りたいという執念が物質化した結果らしい。なんかちょっと感動した。

会社に着くと、同僚がAIに魂を売っていた。
「これで残業ゼロっすよ」
…その代わり、笑い声が機械音になってた。代償って意外とすぐ来るんだな。

午後3時、窓の外に見えたのは…黒い太陽?
いや、ただのカラスの大群だった。でもひとつだけ人語を話していた。
「この世はまやかし」
ありがとうカラス。急に哲学。

帰宅すると、ポストに手紙が入っていた。
「あなたの未来、期限切れです」
もしかして人生ってサブスク制だったのか?有料プランへのアップグレードはどこでやるんだ。Apple IDか?

夜。ベッドに入ると、天井に浮かぶ無数の目がこちらを見ていた。
でもよく見ると、全部スマート家電のセンサーだった。安心していいのか怖がるべきか、判断が難しい。

こうして、4月10日は静かに終わっていく。
いや、正確には「静かに見せかけて地味に狂ってるまま終わった」が正しい。
明日は、もう少しまともな日であってほしい。
――少なくとも、冷蔵庫から知らない声が聞こえない程度には。

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