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コメが、尋常でないくらいに値上がりしている。オイルショックならぬ「ライスショック」として、後世の日本史に載りそうなレベルの出来事ではないか。
1年前と比べて、コメの価格は約90%も上昇しているとか。
スーパーのコメの平均価格 1年前と比べ90%近く値上がり | NHK
わずかな間にほぼ2倍。まるでビットコインみたいな高騰ぶりだ。ぼくも日常的にスーパーで買い物をするけど、実感としてコメは「本当に2倍」になっている。
なぜこまでコメの価格は急騰したのか?
気になって調べてみると、いくつかの要因が絡み合っていることが分かってきた。
コメが値上がりした「3つの理由」
コメが値上がりした理由は、大きく分けて3つある。
・パニック買い
・転売や投機的な買い占め
・便乗値上げ←これが大きいと思う
それぞれ詳しくみていこう。
① コメのパニック買い
ひとつ目の原因が「パニック買い」の影響だ。去年(2024年)から今年にかけて起こった米不足(「令和のコメ騒動」とも)は、消費者に大きな混乱をもたらした。
不安心理によって「高くてもコメを買う」という状態が出現した。
日本人にとっては主食である米が買えなくなる危機感は非常に大きい。多少高くもいいから、早めにたくさん買っておこうと考えた。
いつもより買う人が増えたことで、コメが店頭からなくなり、買いたい人が買えなくなった。さらにパニックで買い占める、というループ。
昨年のコメ不足を経験したことで、「またコメが手に入らなくなる!」と考え、パニック的に買いだめをした人もいたと思われる。以前の震災のときの、お店の棚が空っぽになった光景を思い出した人もいたかもしれない。
こうした「不安心理」が、価格の値上がりをさらに加速させた。
② 投機的なコメの買い占め
もうひとつの理由は、「投機的な買い占め」。
日本全国で20万~21万トンのコメが行方不明になっているというニュースがあった。
高騰の背景に“消えたコメ21万トン” 農水省が調査へ 備蓄米の販売は…(日テレNEWS NNN) - Yahoo!ニュース
このコメは、JAなど従来の流通ルートではなく、「新しく参入してきた業者」や個人による買い占めによるものではないかという推測もある。
個人や業者が農家から直接コメを買い取り、転売目的でストックした分が、市場に出回らなくなり、それによって価格が高騰したのか。「メルカリで大量のコメが転売されている」という噂もある。
いや、それ以前に「個人で農家からコメなんて買えるの?」と思って調べてみると、日本の法律では「年間20トン未満であれば許可がなくても米を売買できる」となっているらしい。
こうなったら、あとは価格交渉次第だ。従来の買い手(JAなど)より高く買ってくれる人が現れたら、農家だって売るだろう。それを自宅や倉庫などに保管しておいて、値段が上がってきたら(メルカリとかで)売る。
市場から消えた(流通しなくなった)量は、全体からすれば少ないだろうけど、しかし、塵も積もればで、個人販売者が増えれば全体としては影響を与える可能性はある。
しかし、本当に「コメが消えた」のかは不透明な部分も多い。この先に判明してくるだろう。
3%の「消失」で価格が倍になるものか
しかし、仮に「コメが消えた」としても、不思議なことがある。
「いつもと違うルート」に流れたコメの量は、多く見積もっても21万トン。日本の年間の米の流通の全体の量のがだいたい700万トン(679万トン)だから、21万トンが消えたとしても、全体からすると3%に過ぎない。
「たった3%」が行方不明になったくらいで、全国のコメの値段が2倍になるなんて、どう考えてもおかしい。
③便乗値上げ
そこで考えられるのが「便乗値上げ」だ。実はこれが最も大きな理由ではないのか。
以下のような構造的要因が重なり、コメ価格上昇の条件が整った上での値上がりと考えると、説得力がある。
・長期的な価格停滞:デフレや不景気により、日本では食品(コメ含む)の価格が長期間据え置かれてきた
・物価高騰:昨年から今年にかけて、様々な商品の物価が上昇
・供給不安:昨年のコメ不足により、供給の懸念が広がった
・価格据え置き圧力の低下:上記の要因により、これまで価格を抑制していた社会的・心理的圧力が弱まった
消費者の心理的な問題は大きい。全般的な物価上昇により、消費者は「コメも値上がりするだろう」という心理的な準備ができていたこと。
それに加えて、去年の米不足で、コメが「値上げできる条件」が整ってしまった。
今まで苦労してお米を作っていた農家さんからすれば、できるだけ高く売りたいと考えるのは自然だ。
いろんな要因が重なって、コメが高く売れるようになってきた。他の業者が高く売れているなら、自分も高く売らないと損だから。
まとめ:消えたコメ問題が”利用された”可能性も
2025年にコメが大幅に値上がりした原因は、単なる需給の問題ではない。
いろいろな要因が重なって「やっとコメが値上げできる状況」が到来し、そこに便乗が価格を引き上った結果と読むことができる。
供給不足不安によるパニック買いや、投機目的の買い占めによる価格高騰もあるけど、もう一つ、重要な要因として、「売り手が値上げしたくてたまらなかった」のがあると思う。
「消えた米問題」なんて、実は(ほとんど)関係ないのかもしれない。それどころか、この問題が「利用」されて一気に値上げが進んだ可能性だってある。
今後の見通しは?
また最近では、政府が備蓄米ってやつを放出するというニュースが出ていた。20万トン近くを放出するらしい。
備蓄米放出へ 高騰続くコメの価格はどうなる? 専門家は“まとめ買い”より“こまめな買い足し”を推奨 |FNNプライムオンライン
放出してもコメの価格は戻らないと予想する。なぜなら、書いてきたように、コメは足りないから値上がりしてたわけじゃないから。
どちらかというと「売る方が高く売りたかった」。それを今回の騒動に便乗して値上げをした。一回上がった価格は簡単には戻らない。
全体の構造(なんでこんなことが起こったのか)を考えると、いろいろなことがつながっていることが分かって面白いです。
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