コーチングにおける傾聴のすべて

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感情を聴く

コーチングにおける傾聴の中でもっとも重要なのが感情を聴くことです。コーチングは相手の言葉にならない言葉もすべて聴きとり、フィードバックしたり、質問したりします。ではなぜ感情を聴くことがそれほど重要なのかというと、感情を聴き取らないと表面的なフィードバックや質問しかできないためです。

自分が本当にこころの底から「やりたい」と思っていることは言葉にした瞬間、そのエネルギーが表情にも現れます。逆に絶対にやりたくないと思っていることは負のエネルギーが表情にも現れます。コーチが相手の言葉だけを受け取り話を進めていれば、相手の言葉にならない本当の部分にフォーカスが当たることなくコーチングが進んでしまい、相手が抱えている本当の問題がクリアにならないままになる可能性が高いです。

相手の感情を聴くことの重要性はもうひとつあります。それは自分の感情に支配されないことです。感情を聴くことは集中力を伴います。それゆえ、自分の考えや感情が入り込む隙が一切なくなります。

コーチングをしていると、「自分だったらこうするのにな」「この前体験したから答えを知っている」などのもう1人の自分が急に出てきます。もっとひどい時は相手に対してイライラしたり、怒ったりしたくなることもあります。コーチ側がこのような精神状態になってしまうと、まともなコーチングはできません。コーチはどんな時も自分ではなく相手に意識を向ける必要があります。
このような精神状態になるのを防ぐためにも、相手の感情を聴くことに集中することで、より相手にフォーカスができるようになります。

声を聴く

「感情を聴く」の延長線上にあるのが相手の声を聴くことです。コーチングをしていると多くの場合、相手が発する言葉に感情が乗っかります。コーチはそれを絶対に聴き逃してはいけません。例えば「目標は副業で5万円稼ぐことです」と前向きな発言をしたとしても、言葉に自信がなく、なんとなくそう言った方がいいと思うからという理由で口にすることもあります。

そんな時「少し自信がなさそうに聴こえましたが何か理由がありますか?」と質問すると、本業が忙しくて時間が取れないや早く家に帰ったときはダラダラしてしまうなどの別の問題が発生していることがあります。相手のこころの声を無視して、表面上の「目標は副業で5万円稼ぐことです」だけを受け取りコーチングを進めてしまうと、その目標は高い確率で達成されないでしょう。なぜなら本当の問題に取り組むことができないから。

コーチングをする場合、相手が発する言葉自体にフォーカスを当てるのも重要ですが、それ以上に言葉に込められたエネルギーにフォーカスを当てることが重要です。

相槌で聴く

コーチングでは適当な相槌を打つことが重要です。相槌をすることで相手は気持ちよく話をすることができます。その理由はちゃんと話を聞いてくれていると感じ、安心感を覚えるからです。しかし、相槌を打つことが重要だからといってコーチは自分の相槌に意識を向けてはいけません。それはダメな相槌です。

ダメな相槌の特徴としては、抑揚がなくテンポも一定です。このように変化のない相槌はすぐに相手に伝わります。相手にこれが伝わると、「この人は本当に話を聞いてくれているのだろうか?」という疑念が生まれます。コーチング中に疑念が生まれてしまうと、相手は本当のことを話してくれなくなる可能性があります。信頼関係のないコーチングはもはやコーチングとは呼べません。

適当な相槌とは、相手に合わせた相槌のことを指します。相槌そのものに感情が込められており、抑揚があります。またテンポは相手に合わせるようになり、都度変化します。このような適当に相槌ができると相手は無意識のうちのコーチを信頼するようになり、どんどん自分の話をしてくれるようになります。相手が本当に解決したいことや問題を口にするようになり、それに向き合うコーチングができます。

深く聴く・広く聴く

コーチングをしていると相手が自分のことをうまく表現できないことがよくあります。抽象的な言葉で思考が止まってしまった状態です。コーチングは目標達成プロセスをサポートするのが役割です。そのため、相手が行動できるような行動プロセスになるまで話題を深堀りしたり、相手の自分では気がついていない思考に気がつくように話題を広げる必要があります。

相手が抽象的な表現で止まってしまった場合は、「具体的には?」「何かエピソードはありますか?」「例えばどんなことがありますか?」と質問し、相手の頭の中にある引き出しをノックしてあげましょう。どんな抽象表現でも、質問をすることで何かしらの例え話やエピソードが出てきます。

抽象表現が出てきた時こそ、コーチの腕の見せ所といってもいいでしょう。話を深堀りする質問や話を広げる質問を相手に投げかけ、思考を具体化することが重要です。

傾聴できなくなった時の対処法

10回程度コーチングを経験しましたが、相手の言葉に反応して自分の感情が急に現れる瞬間は今でもあります。ついついアドバイスをしたくなってしまうんです。しかし、コーチングでは基本的にアドバイスはしません。相手に発見してもらうことが重要で、発見してもらえるような質問をするのがコーチの役割です。

一度自分に向いてしまった意識を再度相手に戻すのは大変です。熟練のコートですら瞬間的に自分に意識が向くことがあるといいます。なので、テクニックによって対策することをおすすめします。テクニックとは相手の良い部分に意識を向けることです。

例えば相手が毎日書籍を読むことを習慣にしたいと思っているとします。そこで、コーチは自分の経験から「毎朝10分読書タイムを作る」や「仕事終わりにカフェによって読書をする」などのアイディアが瞬間的に頭に浮かんだとします。しかし、これをいきなり相手に伝えても相手のためにはなりません。そしてそのアドバイスはあなたのエゴである可能性があります。

自分の中のこうすればいいのになという考えは一旦隅に置き、相手はコツコツ努力できる才能がある、過去に大きな目標を達成した経験があることに意識を向け、自分でアイディアを発想できることを信頼します。その上で、改めて質問を考えます。そうすることで自分に向いた意識を相手に戻すことができ、再度傾聴できるようになります。

あとがき

傾聴は奥が深く、いつの間にか自分に意識が向いてしまっている時があります。何度も何度もコーチングの様子を振り返り、自分に意識が向いた瞬間はどんな時かパターンを把握できるように日々勉強中です。
僕の場合は同じような障害を乗り越えたことがあるなど、過去に経験をしたことのある話をしている時に自分に意識が向いてしまうことが分かりました。そんな時には特に意識して相手の良い部分にフォーカスするようにしています。
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