助手「昔ってブラック労働が当たり前だったじゃない。」
ワイ「まぁ働いてナンボみたいな空気はありましたね。」
助手「働き方改革とか言われてだいぶ変わってきたかな?」
ワイ「変わってきたこともあれば、変わらないこともあるでしょう。」
助手「なんでブラック労働って無くならないんだろ?」
ワイ「供給できてるからじゃないですか?」
助手「供給?あぁ、求職者がいるからってこと?」
ワイ「そうです。人を雇えれば会社は変わる必要ないですから。」
助手「けれどそんなこと続けてたら求人しても応募なくなるんじゃないの?」
ワイ「意外とそんなことないですよ。」
助手「そうなん?」
ワイ「ブラック企業で人事やってましたから。不思議とわんさか応募来るんですよね。」
助手「なんでだろ?」
ワイ「求人票に釣られてでしょう。働きがいと条件を魅力的に見せればOKです。会社のネームバリューがあればなお良い。」
助手「そんなの許されるの?」
ワイ「求人票なんて実態を書く必要はないですから。嘘は書いちゃダメですけどね。」
助手「悪どいわね。」
ワイ「見抜けないのも問題です。求人票に書いている通りだと思うのは、あまりに人を信用しすぎる人の傾向です。」
助手「だったらどうすりゃいいのよ?」
ワイ「自分の視野を広げて、情報を集めて分析するほかないですね。」
助手「面倒臭すぎる。」
ワイ「自分の生活や人生がかかってるんだからそれくらいしてもいいんじゃないですか?」
助手「そう言われるとそうかもだけど。」
ワイ「一次情報だけに踊らされるのはどうかと思いますし。」
助手「一次情報?」
ワイ「オモテに出ている情報のことです。」
助手「それ以上にどうやって調べるの?」
ワイ「転職者のクチコミサイトに登録して情報を得る方法があります。そこなら会社にいた人の情報を得られます。」
助手「そこの情報なら信用できるってことね。」
ワイ「いいえ。会社にマイナス感情抱いてれば事実を盛って書く人もいますし、やたら忠誠心の高い人はよく書きすぎる傾向があります。」
助手「だったら判断できないじゃん。」
ワイ「だから全体の情報を読んで、傾向分析するんですよ。特に感情で書いている人なのか、事実を列挙しているのかも情報整理に役立ちます。」
助手「それ以外の方法は?」
ワイ「面接で会社に行った時に見極める方法がありますね。」
助手「どうやって?」
ワイ「オフィスの雰囲気、働く人の活気、面接官の様子を見るのも一つ。そして最も重要なのは実態を引き出す質問です。」
助手「どういうこと?」
ワイ「相手が答えざるを得ない質問を投げるということです。」
助手「例えばどんな設問がある?」
ワイ「例えば『昨年の有給取得は社員全体の何%ですか?』とか『平均残業は○○時間とありますが、最も残業が多い社員は月当たり何時間でしたか?』などがあります。」
助手「だいぶ突っ込むわね。けれどこの質問したら採用されないんじゃない?」
ワイ「それで採用されないならその程度の会社と見限ればいいのです。」
助手「求職者は必死だからそれは避けたいんじゃない?」
ワイ「ならブラック企業であったとしても我慢するしかない。」
助手「冷たいわね。」
ワイ「自分が求めるものが何なのかを考えて動きましょう。ただ就職したいだけなのか、最適な環境で働きたいのか。」
助手「目的があればそれに応じた対応を取ろう、ってことね。」
ワイ「そうです。特に就職に焦りがあると目的よりも目先のことに目を奪われてしまいますからね。」
助手「なるほど。」
ワイ「あと、面接で褒められたり評価されるといい気分になって目が眩むということもありますし。」
助手「それは体験談?」
ワイ「そうです。前職の面接受けた時に目が眩んでしまいました。」
助手「その会社でどんな働き方したん?」
ワイ「給与は良かったですけど毎日勤務時間が長かったので時給換算すると安かったかもです。」
助手「あらら。」
ワイ「しかしメンタルは鍛えられた気がします。」
助手「じゃあ、その強いメンタルを持つアナタにお願いがあるの。」
ワイ「なんですか?」
助手「私いま別の仕事やってて、それを手伝ってくんない?」
ワイ「そうなんですか。いいですけど。」
助手「けれどアナタの洞察力と分析力が素晴らしいからぜひ。」
ワイ「そこまで言われたら仕方ないですね。やりますよ。」
助手「あらありがとう。交渉成立ね。」
ワイ「ちなみに報酬はいくらですか?」
助手「年中無給よ。」
ワイ「詐欺だ。」
助手「騙されるアナタが悪いのよ。」