最近、SNSやビジネスの現場で飛び交うスピリチュアルなキーワードたち。それらは私たちの耳にとても心地よく、甘く滑り込んできます。
心理学や精神世界において、人間の内面を照らす二つの偉大なる視点があります。
すべてを無条件に受け入れ、温かく包み込む「マリア的視点(慈愛・受容)」。
そして、一切の幻想を排し、冷徹に真実の構造を見つめる「ソフィア的視点(叡智・監査)」。
今回は、現在流行している10のキーワードを、この二つの視点で解剖してみたいと思います。
美しい慈愛の毛布に包まれた後、不意に突きつけられる冷徹な監査報告書。
その高低差を、どうぞお楽しみください。
1. 時代の大きなうねりを見つめる
① SBNR(Spiritual But Not Religious宗教ではないスピリチュアル)
マリアの抱擁(受容)
既存の古い組織や重苦しい教義に囚われる必要はありません。あなたの繊細で自由な魂が、心地よい精神性を探そうとするのは自然なこと。どこにいても、あなたは守られています。
ソフィアの監査(叡智)
組織のルールや面倒な人間関係に伴う「責任」からは逃れつつ、精神的な果実(癒やし)だけをいいとこ取りしたいという、洗練されたエゴの隠れ蓑です。心地よさだけを追求した結果、ただの孤立に陥っていないか、書類の確認が必要です。
② ゼロポイント
マリアの抱擁(受容)
過去の傷も、積み重なった過ちも、今この瞬間にすべてはリセットされます。宇宙の転換点において、あなたはいつだって真っ白な状態から、新しくやり直していいのです。
ソフィアの監査(叡智)
「ここから白紙に戻せる」という期待感の裏返しですね。ただ、リセットボタンを何度押したところで、コントローラーを握って自ら動かさなければ、現実のキャラクターは一歩も進みません。白紙のままフリーズしている時間が長すぎませんか。
③ 冥王星水瓶座期
マリアの抱擁(受容)
目に見える物質や肩書きに縛られた重い時代は終わりました。星々の祝福とともに、あなたがあなた自身の個性を自由に解き放ち、軽やかに羽ばたく時代の幕開けです。
ソフィアの監査(叡智)
これまであなたを守ってくれていた組織や、過去の遺産という名の「盾」が強制撤去されただけのことです。これからは、あなた自身の言葉と実力という「裸の姿」で立たされる、なかなかにスリリングな監査期間が始まったということです。
2. 内なる領域へのアプローチ
④ 主権の回収(自己主権)
マリアの抱擁(受容)
もう誰かの顔色をうかがったり、誰かの基準に合わせたりして、自分をすり減らすのはやめましょう。あなたの人生の王座には、あなた自身が堂々と座るべきなのです。
ソフィアの監査(叡智)
王座に座るということは、その王国で起きるすべての財政破綻も、不都合な現実も、100%あなたの責任になるということです。耳触りの良い響きに騙されず、「すべての経営責任を負う」というヘビーな覚悟を持って、こちらの書類にサインをしてください。
⑤ ハイヤーセルフとの統合
マリアの抱擁(受容)
はるか高次元にいる、最も進化した完璧なあなた自身。その大いなる存在が、いつでもあなたを導き、一つになろうと両手を広げて待っています。
ソフィアの監査(叡智)
わざわざ「高次元の偉い自分」という有識者を別枠で召喚しないと、今日の晩御飯のおかずすら自分で決められないのでしょうか。神格化された幻影への依存をやめ、今いるその三次元の頭で考えて、さっさと決断してください。
⑥ 源(ソース)との同調
マリアの抱擁(受容)
あなたは宇宙の源から生まれ、常にその大いなる愛の源泉とつながっています。何も心配することはありません。その絶対的な安心感の中で、ただ呼吸を感じてください。
ソフィアの監査(叡智)
同調して気持ちよくなるのは結構ですが、監査報告書によると「同調しただけで満足して、今日も部屋から一歩も出ていない」事例が多発しています。つながった後に「で、今日これから何するの?」という具体行動が白紙なら、それはただの現実直視拒否です。
3. 三次元の現実を動かす実践
⑦ 現実創造(グラウンディング)
マリアの抱擁(受容)
あなたの放つ純粋な意図と美しいイメージが、未来を磁石のように引き寄せます。あなたが望むものは、すべてこの世界に形となって現れるのです。
ソフィアの監査(叡智)
フワフワした異次元の瞑想に飽きた層が、実利主義にシフトした結果の言葉です。結局のところ、泥臭く手を動かし、身体を運んで、地道なタスクを物理的にこなすしかありません。地球の物理法則への、完全なる降伏が必要です。
⑧ 周波数(波動)マッチング
マリアの抱擁(受容)
無理をして合わない場所に身を置く必要はありません。あなたの美しい周波数に共鳴する、心地よい人や環境だけを、大切に選んで生きていきましょう。
ソフィアの監査(叡智)
古くからある「類は友を呼ぶ」の最先端の言い換えです。自分にとって不都合な意見や、耳の痛い現実を「周波数が合わない」という一言でブロックしていませんか。都合の悪い書類をシュレッダーにかけているだけではないですか。
⑨ 手放し・クリアリング
マリアの抱擁(受容)
長年抱えてきた重い過去も、罪悪感も、すべてを光の中に手放しましょう。あなたはどこまでも軽くなって、自由になっていいのです。
ソフィアの監査(叡智)
精神世界の「断捨離」です。本当に捨てるべきは、クローゼットの古い服でも過去のカルマでもなく、「誰かに私の人生を導いてほしい」「正解を決めてほしい」という、その甘い甘い依存心そのものです。
⑩ 創造主(クリエイター)
マリアの抱擁(受容)
あなたは誰かに傷つけられるだけの被害者ではありません。あなたの世界のすべてを、あなた自身の力で創り出している、偉大なる表現者なのです。
ソフィアの監査(叡智)
「環境が悪い、あの人が悪い」という被害者ビジネスの完全な終焉を意味します。アーティストやクリエイターが好む美しいラベルですが、これは「すべての言い訳の退路を断つ」という、最もハードな最高経営責任者(CEO)の席へ着くということです。
まとめ:二つの光を抜けて、自分の現在地へ
マリアの優しい抱擁は、私たちに「ここにいていいんだ」という絶対的な安心をくれます。傷ついたとき、疲れたときには、その温かい毛布が必要です。
しかし、その温もりのなかに引きこもり、眠り続けているだけでは、私たちの人生(主権)は動き出しません。
ソフィアの冷徹な叡智の光──すなわち、静謐監査官としての視点があって初めて、私たちは幻想の毛布を跳ね除け、「さて、現実をどう動かそうか」と自分の足で立ち上がることができるのです。
これらの流行の言葉を、外側に探しに行く必要はありません。
あなたがアーティストとして、クリエイターとして、本当に進むべき道は、人にもAIにも、そしてマリアやソフィアの言葉にさえも聞くまでもなく、あなたの内側が「なんとなく」知っているからです。
その「なんとなく」を、今日も疑わないでみてください。
本日の監査は以上です。
Makiko