遠い記憶

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コラム
今日は朝から大興奮😆

北京パラリンピックの日本選手団の主将に
村岡桃佳選手が決定したとのニュースにびっくり😆

彼女と初めて会ったのはもう何年前になるだろう
ある大会の役員をやっていた頃だったろう

大会本部会場で、会議の合間のスキマ時間
選手たちは、お互いの健闘をたたえ合い、
楽しくワイワイおしゃべりをしている大事な時間
ぽつんと一人寂しそうにうつむいていた
車イスの彼女がいた。

当時まだ彼女は中学生。
それが国際大会だったからかもしれないが、
もちろん同じ世代の友達がいるわけでもなく
仲間もどこかに行ってしまって
つまらなそうにうつむいていた

ちょっと気になったので
ゆっくり近づき声をかけてみた。

「今日はうまく滑れたかい?」

「いや、全然ダメだった。思った通り滑れなかった。」

「そうなんだ。次うまく滑ればいいんじゃない?」

「そうだけど。こんなんじゃ全然ダメ。納得ができない。」

「イメージ通りの滑りができなかったのか・・
 じゃあ、僕が次の試合もしっかり見てるから、
 納得できる滑りを見せてよ。」

「うん。わかった。がんばってみるね・・
 でも私のことわかるの?」

「大丈夫だよ。名前も顔も今しっかり覚えたから!」

「約束だよ!」

「大丈夫!おじさんチャラいけど約束は破らないから!
 ちゃんと見てるから!」

実はその時、彼女の名前も実力も、
大会では、ぶっちぎりで優勝していたことも全部知っていた。

そして、彼女の顔を見た瞬間にすぐ気が付いた。
彼女にとって大事なのは、

「優勝おめでとう!またがんばってください!」

と言う社交辞令でない。

彼女にとっていま必要なこと

これから世界で闘っていくために
自分の完璧な滑りを求める執着心
そこを目指すためのあくなき探求心を
自分自信で見つけ出すことだった。

たぶん彼女は、
その時のことをもう覚えていないかもしれない

でも僕は今でもあの時の彼女の笑顔を鮮明に覚えている
そして、これからも彼女を見守るという
小さな約束をしっかり守るつもり

がんばれ桃佳ちゃん!

written by Kaz Okayasu
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