【EZR/R】解析結果を決めるのは、手法じゃない

【EZR/R】解析結果を決めるのは、手法じゃない

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IT・テクノロジー
前回まで、統計解析には
「探る(EDA)」と「確かめる(CDA)」という2つの側面があり、
探索的な姿勢が確認的な検定の土台になっている、
という話をしてきました。
今回は、この2つを含めて、
統計解析全体をもう少し大きな視点から捉え直してみます。

統計解析は「3つの要素」が絡み合ってできている

日本の医学統計の分野では、
統計解析を「データ・方法論・解析者」という
3つの要素が絡み合う一つの過程として捉える考え方があります。

データ:集められた生の情報

方法論:t検定やロジスティック回帰といった、解析の手法

解析者:データと方法論を橋渡しする、人

この3つは、切り離してバラバラに扱えるものではありません。
同じデータ、同じ手法を使っても、
解析者がデータの背景をどれだけ理解しているか
によって、導き出される結論の質は大きく変わります。

「データを見る」ことは、単なる下準備ではない

これまでは、
EDA(データをまず見る)を、CDA(仮説を検定する)の
前段階・準備のように説明してきました。

ですが、もう少し丁寧に言うと、
データを診断すること自体が統計解析という
営みの中心的な部分を占めています。
外れ値や欠損のパターンを確認する作業は、
単なる「掃除」ではなく、
データの中にどんな構造や物語が隠れているかを読み取る、
解析そのものの一部なのです。

生のデータは、それ自体では冷たい数字の集まりに過ぎません。
そこにフィルター(考え方・視点)を通すことで、
初めて意味のある知見が浮かび上がってきます。

解析者の「腕」が問われる理由

同じデータ、同じ手法を使っても、
解析者によって出てくる結論の質が変わる。
これは、統計解析が単なる機械的な計算作業
ではないことを意味しています。

process1.png

・データの出所や背景を、どれだけ理解しているか

・前提条件(正規性、外れ値の有無など)を、どれだけ注意深く確認しているか

・出てきた結果を、臨床的にどう解釈し、意味づけるか

これらはすべて、
手法を選ぶ知識とは別の、解析者としての経験や姿勢
に関わる部分です。
統計ソフトが自動で計算してくれる時代だからこそ、
この「腕」の部分の重要性は、むしろ増しているとも言えます。

まとめ

・統計解析は、データ・方法論・解析者という3つの要素が絡み合う、一つの「過程」である

・データを診断すること(EDA)は、単なる準備作業ではなく、解析そのものの中心的な部分を占めている

・同じデータ・同じ手法でも、解析者の理解や姿勢によって、結論の質は大きく変わる

ここまで、データの基礎
(表記ゆれ、欠損値、外れ値、カテゴリ変数、1行=1症例)と、
解析の考え方(EDA・CDA・統計解析全体の過程)を見てきました。
次回からは、いよいよ具体的な統計手法のt検定やカイ二乗検定といった、
実際に使う道具そのものに踏み込んでいきます。


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