待ち伏せの女・・・

待ち伏せの女・・・

記事
コラム
好きだったのよ、あなた 胸の奥でずうっと


こんばんは、みなとです
今日は「怪談」ですよ。怖いですよ~~笑


「本屋さんに行ってくる」

この言葉は、昭和の時代
書店が街に何軒もあった時代の
「行ってくるね」の代わりの言葉
「さよなら」の代用も果たしたであろう、言霊。

みなとにとっては「アリバイ工作」のセリフ(スミマセンスミマセンスミマセン)

むかしむかぁし、本屋さんっていうのは「たくさん」あったんです。個人店ていうか、
〇〇書房、●〇堂、・・・個人で、家業としてされている書店さん。

自転車でその書店さんを廻って、欲しい本を探す
そんな時間があったんです
アマゾンなかったからね!!


だから「時間がかかっても心配しないでね」、なんですよ。ええ。


母が夕飯を作ってくれている夕方、6時過ぎ。

「ちょっと本屋さん、行ってくる~~」と
自転車で出かけます
忙しい母は見咎めません 「気をつけてー」くらいです

私が向かう先
それは「本屋さん」ではありません。

バス停、です。



私が高校生だった頃
好きな男の子には「手作りの品」を贈ることが常套、となっておりました。
すくなくとも私の廻りでは。

手作りのかばんやおまもり、はては手編みグッズなどなど

昭和男子はその重圧に耐えていたのですね
いまから思えば申し訳ないというかなんというか
彼ら自体、あまりなにも考えてなかったのかもしれませんが

付き合っている二人は、お揃いの手作りバッグをもって通学してきてました。そんな時代です。まあ破廉恥ですわねー笑。

そんな時代でしたので
私も大好きだったあのひとに
プレゼントしました、かばん。
今から考えたら、ダサさの極みでしょう。キルティングの布で作ったー、
背負えるように巾着にした―、おかばん。

そのかばんを、彼は受け取ってくれて
人づてに
「塾のかばんにしてるらしいよー」
と聞きました
私たちは「彼、彼女」ではないんだから、学校に持ってきてくれないのは当たり前

でも、
塾には使ってくれているんだ!!!


嬉しさのあまり
狂喜した私は
狂気のままに


塾帰りの「彼」を

待ち伏せしたんですねぇ、これが。

待ち伏せといっても、
家の前で「おかえりなさい、来ちゃった」、ではなく


彼の帰り道を、見かけることが出来る「バス停」での、待ち伏せ


彼が通るのは反対車線。
私は向かい側車線のバス停で自転車を停め(不審)
彼が反対車線を自転車で走るのを待ちます


私が待つバス停は薄暗い歩道
彼が走る反対車線にはちょうどパチンコ屋さんがあって

彼のシルエット
友達何人かと走る彼の自転車
そして、背負ってくれている、かばん、


それを見届けて
満足して帰宅する私でした、怖い怖い怖い。

帰ったら夕飯が出来ていて

今、思い出しても
私は幸せな高校生だったなーと心から思いますよ
(彼は怖かったかも)

結局、最後は
「塾で付き合ってるコがいるンすー」という
ハンマーで殴打されるような言葉で終わった血まみれの恋でしたが
や、恋、というのもひとりよがりだった、のですが


あの待ち伏せタイムは
あのころ通った
何軒かの「本屋さん」
その本屋さんの棚やレジの記憶と共に

なんというか
あの頃はこんなに人生で忘れられない、
そんな時間になるともわからずに
ただ好きで
ただ嬉しくて
ただ幸せで
ただ ただ、一生懸命だったと、
思い出します

ありがとう 岡田くん
ごめんね
(あ、個人名だしちゃった)


いやでももう思い出したくもねーあのドキドキ!
パチンコ屋さんもつぶれたしね!

ただ、
「本屋さんに行ってくるね」

その言葉は
私の中でなんともいえない特別な言葉になって


死ぬときにも言い置きたいものです
「本屋さんに行ってくるね」、と。



サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す