「高島易断」には高島嘉右衛門が日清戦争や日露戦争、外国における戦況などを占い、その結果や対策を政府に上申した周易の占例が豊富に収録されており、とても興味深いものがありますが、時代が遡るほど戦争と占いは密接な関係がありました。
戦争と占いに関する興味深い話題をいくつかご紹介します。😃
1. ナポレオンと星占術の活用
フランスの英雄ナポレオン・ボナパルトは、星占術が戦略に寄与すると信じていたことで知られています。側近の占星術師イザベラ・ロビーヤックは、星の動きを観察し、戦いの日程を決める際の助言を行いました。ナポレオンは大胆で理性的な指導者として知られますが、実はこのように天体の配置を信じ、戦術に組み込むことで、より高い勝率を求めていたとされています。合理的な作戦の背後に、星がもたらす知恵を活用していたナポレオンの姿は、時代を超えても興味深く映ります。彼の成功の陰には「天の助け」とも言えるこの星の導きが少なからず影響していたと考えられ、歴史と占星術の深い関係を垣間見ることができます。【出典:David Ovason, “The Secret Architecture of Our Nation’s Capital”】
2. ヒトラーとオカルトへの依存
ナチス・ドイツでは、星占術やオカルトが軍事戦略の一部として利用されていました。ヒトラーは占星術師カール・クラフトを重用し、星の動きを通じて戦局を予見しようとしました。クラフトは連合軍の動きや攻撃のタイミングを星の配置から予測し、ヒトラーに助言を与えたとされています。戦場での勝敗が占星術によって少なからず左右された可能性があるのです。科学や技術が中心の戦争の中で、神秘的な力を活かして勝利を目指す姿勢には、未来を占いによって見通そうとする本能的な欲求が表れているように思われます。この占星術への信頼は、戦争という不安定な時代にこそ、人が安心を求めて未来の「星の導き」にすがる心を反映しているのかもしれません。【出典:Paul Roland, “Nazis and the Occult”】
3. 源義経と陰陽道の戦術
源義経は、戦略に陰陽道を活かして戦ったことで有名な武将です。彼の奇襲作戦「一ノ谷の逆落とし」では、断崖を駆け下りて敵を翻弄し、勝利を収めましたが、その戦術はまるで天狗の加護を受けたかのようだと讃えられました。陰陽道を用い、吉凶を占うことで戦の最適な時機を定めた義経の戦術には、星や方位が持つ神秘的な力を感じさせます。合理的な戦略の中にも信仰や運命を尊ぶ姿勢があり、義経の戦い方は単なる戦術を超えた「神意に基づく戦い」として評価されています。彼の成功には、星と運命に導かれた独自の戦術が生み出す力があったのでしょう。【出典:横山正,「義経伝説と陰陽道」】
4. リンカーン家と占い師の予言
アメリカ南北戦争中、リンカーン大統領の妻メアリー・トッド・リンカーンは、夫の安全を占いに頼ることで心の平穏を保っていたと言われます。戦場での死闘や夫の生死が毎日の不安となる中で、占い師からの予言は彼女にとって大きな慰めでした。未来が不安でいっぱいの時、占いは人々に希望や安心感を与えるものです。占いを通じて、メアリーは戦争の行方や家族の無事に対する一筋の希望を見出そうとし、それによって不安定な時代を生き抜く勇気を得たのです。非現実的に思えるかもしれませんが、こうした占いの力は人の心にとって重要な支えとなり得るでしょう。大統領夫人が占いに頼る姿は、戦時における人々の心の在り方を映し出しています。【出典:Catherine Clinton, “Mrs. Lincoln: A Life”】
5. 古代ペルシア帝国と星占術の影響
古代ペルシア帝国では、星占術が戦争の是非を判断する重要な手段とされていました。ゾロアスター教の司祭たちは星の動きを読み、戦争を行うかどうかを決定し、天体の配置が有利な時にのみ進軍を行いました。特にアケメネス朝ペルシアでは、天体の影響が戦略に大きく影響し、星の配置が不利であれば戦争を避けることもありました。星々の運行が人間の運命に直接作用すると考えられていた当時、占星術は運命を導く力として自然に受け入れられていたのです。星の知恵が戦略の一部となり、歴史的な決断を左右する役割を果たしたことは、古代のペルシア人にとって「天の導き」を信じ、安心を得るための重要な手段であったのでしょう。【出典:Richard Frye, “The History of Ancient Iran”】
占いが戦争の決断や計画に影響を与えた例は歴史を通じて多数存在し、時に戦局を左右する重要な役割を果たしていたのです。