テクノロジー「ハエの思考でゲームプレイ」
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今回一般公開されているショウジョウバエの
脳の配線図を自分のPC内に保存してAI化して
ゲームのDOOMやマリオを動かしました
脳の配線図は雄のキイロショウジョウバエの
中枢神経系である脳と脊髄の部分の神経細胞
同士の繋がりを全部調べ配線図にした物です
これを使い『DOOM』『スーパーマリオ64』
『Minecraft』『Bad Apple!!』等動かす実験が
脳の配線図公開直後から次々に行われました
しかしハエの脳をPCに完全コピーしてハエが
自分の意思でゲームをしてるのとは違います
脳には無数のニューロンという神経の細胞が
存在します
ニューロンはお互いに繋がって電気信号等を
やり取りしてます
ニューロがPC部品とするとニューロン同士の
接続は電気配線の様な物です
例えば
👁️目から情報が入る
↓
🧠視覚に関係するニューロン
↓
🧠判断に関係するニューロン
↓
🧠運動に関係するニューロン
↓
🦵体を動かす
というような「情報の通り道」があります
この神経細胞がどこにあってどの神経細胞と
どの神経細胞が繋がってるのかをできるだけ
全部調べた脳の配線図を「コネクトーム」と
言います
使われたハエの脳はキイロショウジョウバエ
と言う小さなハエですが科学研究では非常に
重要な生物です
その理由は
世代交代が早い
飼育しやすい
遺伝子の研究がしやすい
神経系の研究に向いている
人と共通する基本的な生物の仕組みもある
等です
その為キイロショウジョウバエは100年以上も
研究に使われてきました
そして研究チームは「MaleCNS v1.0」と言う
脳の配線図を作り「Male」は雄で「CNS」は
中枢神経系という意味です
雄のショウジョウバエの中枢神経系の配線図
と言う意味です
しかも単に「脳」だけではありません
🧠 脳
+
🧠 視覚などを担当する部分
+
🧠 脊髄に似た「腹側神経索」
まで含まれてます
今回の配線図は約16万6700個のニューロンが
含まれてます
更に1億2500万カ所のシナプス接続も記録し
シナプスは神経細胞と神経細胞が情報を受け
周りに渡す場所です
つまりこのニューロンからこのニューロンへ
情報が伝わるという関係をもの凄い数調べた
という事です
これは記事が公開された時のニューロン数で
世界最大の脳配線図でした
脳配線図を調べた方法はショウジョウバエの
①神経組織を極薄に切る
↓
②電子顕微鏡で撮影する
↓
③大量の画像を集める
↓
④画像をつなぎ合わせる
↓
⑤AIでニューロンを見つける
↓
⑥ニューロンの立体的な形を作る
↓
⑦どのニューロンとどのニューロンが繋がり
情報伝達してるのか調べる
↓
⑧人間の専門家が確認する
という作業を行いました
ハエの脳神経回路をCGとして再現した方法は
大量の顕微鏡写真を見て神経細胞を見つけて
形や繋がりを調べて製作したのです
📷 大量の画像
↓
🤖 AIが画像を分析
↓
🧠 ニューロンを見つける
↓
🔗 接続関係を作る
そしてAIの結果を人間の専門家達が確認して
間違いを修正して作りました
製作していくと更に雄と雌の違いも分かって
研究者は前に作られてた雌のコネクトームと
比較しました
すると雄にしか存在しない細胞型や雌にしか
存在しない細胞型がありました
合計で262種類の細胞型が雄または雌だけに
存在してたのです
その他に雌雄の両方にあるが繋がり方が違う
細胞型が114種類確認し雄と雌は神経回路も
違いがある事が詳しく分かったのです
この研究成果が正式発表されてから数日後に
一般公開されたハエの脳の立体CG画像を使い
ソフトウェ開発者アレックスウォーマス氏が
ゲームのDOOMを動かす実験を公開しました
ただしハエが実際にゲームをしてるのでなく
PC上に作ったハエの神経回路モデルを使って
ゲームを操作させる実験です
ゲームの操作方法はゲームの画面をPCが見て
「明るい場所」「暗い場所」「色」を本物の
ハエの視覚脳が受け取った情報に似た信号へ
変換します
例えば
DOOMの画面
↓
明るさ・色等を調べる
↓
ハエの視覚ニューロンに「刺激」として入力
↓
約16万6700個のニューロンの活動を計算
↓
神経回路の反応を見る
↓
「右に動け」「左に動け」「前進」「撃て」
等のゲーム操作に変換
という流れです
ダメージ受けたら学習する事も出来てこれは
ダメージを受ける
↓
ドーパミンに関係するニューロンを刺激する
↓
神経回路が「これ良くない」と学習できるか
調べる
という実験も行われてます
ドーパミンは脳の中で「報酬」や「学習」に
関係する重要な物質です
その為「危険な行動すると悪い結果になる」
と言う情報を神経回路が学べるかの研究にも
繋がります
でもゲームの左を向くや右を向くや前進する
撃つという操作がハエの神経回路には無くて
研究者が「このニューロンがこの反応したら
ゲームでは右に曲がる事にしよう」と言う様
ゲーム操作する為のルール設定したのです
つまりハエの本当の脳をゲーム操作する為の
専用コンピューターにしたのです
しかもまだゲームを攻略できずにいてハエの
脳がゲームをプレイ!と発表されると普通は
「凄い!ハエの脳がゲームを攻略したの?」
と思ってしまいます
でもまだ学習の途中で「ゲームを攻略できる
人工脳が完成した」わけではありません
翌日にスーパーマリオ64をハエの神経回路で
操作する実験も公開されました
ただしこちらもまだゲームを上手に遊べず
マリオがジャンプする
↓
壁にぶつかる
↓
またジャンプする
↓
また壁にぶつかる
という動きをしハエはゲームの意味を理解し
遊べてる訳じゃありません
マインクラフトでも実験されこの世界にいる
ハエとして登場させました
例えば
プレイヤーが近づく
攻撃される
食べ物がある
光がある
等の状況に応じた反応する様に設定しました
マインクラフトの世界
↓
ハエが周囲の情報を受け取る
↓
神経回路モデルが反応する
↓
決められた行動をする
という実験です
更に面白い実験として「Bad Apple!!」と言う
映像をハエのCG脳を使い再現する事も行われ
映像を計算しその映像をハエの動きに変換し
再現しました
その結果脳の活動がハエの動きに変換されて
CGハエにアニメの登場人物と同じ動きする様
指示を出して全然違う動きですがとりあえず
動かす事には成功しました
今回の実験で本当にハエの脳をPCにコピーし
使ったかと言うとそんな事はなく神経細胞の
形と繋がりを記録した巨大配線図でしかなく
本物の脳とは違います
例えばAニューロンとBニューロンが繋がって
Aニューロンはどんな性質なのか?
どのくらい強く反応するのか?
どんな化学物質を使ってるのか?
信号が時間とともにどう変化するのか?
等まで完全に再現したわけではありません
PCの中で配線図したハエの脳は本物と全く
異なってます
PCで例えるとこの部品とこの部品がこの線で
繋がって動くと言う設計図を作ったとします
でもそれだけではPCが完全に動くとは限らず
部品それぞれの性能や
電圧
電流
タイミング
ソフトウェア
温度
電気信号の変化
等も必要だからです
ハエの脳も同じでニューロンがどこに繋がり
活動してるのかまだ完全には解りません
ハエ脳のGCが意識を持ったとか思考し始めた
という意味でもありません
AIは主に大量の顕微鏡画像から神経細胞等を
見つけたり形を作ったりする作業を助けたと
言うだけの物です
それでも今回の研究には大きな意味があって
今までは「この神経細胞がこの神経細胞にも
繋がってるらしい」という様に部分的にしか
分からなかった事が今回脳全体に近い規模で
「配線図」を作ったからです
更に16万6700個のニューロンと1億2500万の
接続の膨大な情報データーを習得しました
面白い所は研究者が研究用のデータを公開し
誰でも自由に使える様にしたら数日後に別の
人達がゲームや映像等に利用しました
つまり研究者が作った科学データを別の人が
自由な発想で利用するという事が実際に起き
想定外の発想が生まれたのです
MaleCNS v1.0はCC BYライセンスで公開され
誰でも自由に使えます
これは簡単にいうと決められた条件を守れば
他の人もこのデータを利用できる仕組みです
そのため今後
脳の研究
神経回路の研究
AI研究
ロボット制御
生物を参考にしたコンピューター技術
新しい人工知能
等への利用が期待されてます