結婚して仕事を辞める選択

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2019年の1月、付き合っていた彼から
「海外で挑戦したい」という話をされた。

つまりそれは、
「結婚して海外で一緒に暮らす」か「別れる」かの2択を意味していた。



私は趣味としてよく映像を自作していたことをきっかけに
新卒で映像制作会社に入社、その時点で約4年間勤続していた。

天職だと誇れるほど、その職に愛着があり
彼の言葉を聞くその時まで「辞める」ことを考えたことは一度もなかった。

会社のスタイルは割と現代的で
女性社員も働きやすいような制度を積極的に取り入れてくれていたので
なおさらだった。

他人事と思いながらも、少しずつ自分も女性としての選択を迫られる時期が
近づいていることは薄々気づいてはいたが
同僚の女性社員たちは、[結婚しても変わらず仕事をする人]、[子供を授かり産休・育休を取る人]、[産休・育休を経て母の役目と両立しながら仕事に復帰する人]がほとんどだったこともあり、
私もなんとなく「自分は結婚しても仕事は続ける派」だと思っていた。

それに、世間的にも「自立した女性」が脚光を浴びるような傾向もあったし
結婚して家に入れば、世間との繋がりを切り離されるような気がしていた。


そんな私に迫られた2択。
頭の中は混乱していたが「彼と別れたくない」ことは確実だった。

彼との交際期間は約5年間。
恋人でもあり親友でもあるような関係でとても居心地が良かったし
もちろん彼と結婚するんだろうと思っていた。

そう思ったは私は、咄嗟に「別れたくない」と伝え、
仕事を辞めなきゃという考えが追いついたのは、
その何時間もあとのことだった。


彼に「仕事やめなきゃ」と口にしたとき
自分では思ってもみないほど、緊張が溶けたような感覚を全身に感じた。
それは後悔というよりか、安堵に近い気持ちだったと思う。

その時、「私は仕事やめたかったんだ」と思った。

彼もそれに賛同し、むしろ海外でも仕事はせず一緒にいてくれるだけでいいと
まるで何かを引用したようなドラマチックな言葉をかけてくれた。

私は比較的に承認欲求が高い性格なので
会社で評価されることでそれを満たしていたが、
今思えば、評価されるためにかなり身を削っていたことは否めない。

私は自覚のないうちに、理想の女性像を創り
言動・身なり・周りからの評価をそれに近づけようと日々気を張り続けていた。

「結婚しても仕事を続ける女性」もその理想の一つだった。
私は、自分に仕事を強いられていたんだと思う。

そのことに気づいた私は「結婚して仕事を辞める」選択をした。


その後、私たちは入籍しカナダへ移り
約1年が経とうとすしている。

仕事をしなくてもいいと彼は言ったが
金銭的に少しは足しになるようにと
フリーランスの映像エディターとして活動を始め
友達も欲しかったのでカフェでパートも始めた。

前職時代に目指したかっこいい女性になりたくて仕事を続けることは、
実態のないものを追いかけるばかりで
無理をし、できない自分を攻める日常だったが、

お金を稼ぐため、友達を作るために始めた今の仕事は
給料日が嬉しくて、友達と過ごす休日が楽しくて
だから仕事でも相手に言ってもらえた「ありがとう」が素直に嬉しく感じれる

自分に仕事を強いられるような仕事を辞めて良かったと
心から感じている。

女性にばかりに強いられる「仕事」と「結婚」の選択
一人一人がおかれた環境は違えど
自分が自分らしく在れる場所にいるべきだと私は思う。
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