富太郎が、気の向くままに、「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。
今回のお題「共犯」
最近、複数人による凶悪犯罪の報道が多い気がします。
それぞれが役割分担をして、犯行に及んでいるようですが、罪に軽重はつく
のでしょうか。
刑法60条【共同正犯】
「2人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。」
成立要件は、
① 共同実行の意思 (意思の連絡)
② 共同実行の事実 (行為の分担)
の2つです。
例えば、ABCの3人が銀行強盗を企て、Aは猟銃で銀行員を威嚇し、Bが
現金をカバンに入れ、Cが乗用車で逃走の準備をした場合、
Aの行為は、それだけをみれば「脅迫罪」の行為にすぎず、 Bの行為は
「窃盗罪」にすぎず、 Cの行為は「強盗罪の幇助(実行を容易にするように
助けること/従犯)」にすぎません。
しかし、全体として「強盗罪」の行為を完成させているので、ABC全員が
「強盗罪」の責任を負うことになります。
つまり、『共同正犯』は、自己の行為によって生じた結果だけではなく、
他の共同正犯の結果についても責任を負うことになるのです。
これは「一部実行全部責任の原則」といわれます。
また、2人以上の者が「共同実行」の意思をもって、その一部の者が実行
行為をした場合、直接実行に加わらなかった者も含めて、共謀者全員に『共同
正犯』が成立するとの判例(最大判昭33.5.28)もあります。
先ほどの銀行強盗の事例で、拳銃を向けられた銀行員が、動転のあまり、
あわてて後ずさりしたため仰向けに転倒し、全治1か月の頭部外傷を負った
場合、ABC全員に「強盗致傷」の『共同正犯』が成立します。
基本犯について共同があれば、重い結果についても『共同正犯』が成立
するのです。 これは「結果的加重犯」といわれます。
なお、「傷害を共謀した共犯者の一人が殺意をもって暴行を加え、被害者が
死亡した場合、 他の共犯者については、「殺人罪の共同正犯と傷害致死罪の
構成要件には、軽い傷害致死罪の共同正犯の限度で重なり合いが認められる
ので『傷害致死罪の共同正犯』が成立する」 という判例(最決昭54.4.13)の
内容が、司法書士試験の刑法で、繰り返し出題されています。
刑法 平成31-24-オ
問 A及びBがCに対する暴行・傷害を共謀し、Cの下に赴いて、こもごも
Cを殴打する暴行を加えるうち、Bがその際のCの言動に立腹してCに
対する殺意を覚え、持っていた刃物でCを刺して殺害したときは、Aには
傷害致死罪の共同正犯ではなく、傷害罪の共同正犯が成立する。
答 × 「傷害致死罪」の共同正犯が成立します。
以前にも書きましたが、刑法には以下の条文があります。
61条【教唆】
① 人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。
② 教唆者を教唆した者についても、前項と同様とする。
今回は、以上です。
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