第1編は「創業計画書作成」編です。
第10回『創業計画のつくり方⑧』
今回は、前回の続きで「10 売上予測」、
「11 収支計画」について説明します。
(「創業の手引き」は17ページからです。)
前回は、創業計画書の『8 事業の見通し(月平均)』について、
④利益、③経費、②売上原価と、下から見ていきました。
今回は、①売上高について説明します。
17ページに『10 売上予測』という項目があります。
これから事業を開始されるわけですから、誰も正確な数字を把握するこ
とはできません。
当然、審査担当者も同じで、前回も書きましたが「小規模企業の経営指標」を参考に予測値を計算し、創業計画書の売上高と比較して、乖離が大きい場合には、数値に修正を加えて融資の判断につなげていきます。
また、経営指標は統計平均なので、都市部と地方の事業者が混在していたり、
前回の最後に「参考」として最新の数字と、前回調査の数字の比較を載せましたが、サンプル数の少ない業種だと、数字が大きく変わる(暴れる)事も
あり得ます。
従って担当者は、何でもかんでも経営指標の数字をそのまま当てはめるのではなく取引のある近隣の同業者の数値を、参考にしたりもしているようです。
従って、担当者から「お店の広さは、何平米ですか?」とか
「客単価はおいくらですか?」とか、
「セット椅子は何台ですか?」とか、
「従業員さんは何人ですか?」とか聞かれたら、
『ああ、経営指標に当てはめて、予測売上高を出そうとしているんだな。』
と考えて、出来るだけ詳しく答えてあげてください。
(報告書に書かなければいけないという側面もあるんですけどね。)
以前、中小企業診断士の研修の『創業』に関する講義で、講師の先生が
「公庫は融資の判断に経営指標を使っているが、一企業ごとに状況は違うのだから、それはおかしいのではないか。」との趣旨の発言をされていました。
確かにお一人お一人全く同じということはあり得ないのですが、
かと言って計画を完璧に立証できるとも思えません。
皆さんは経営指標の数字に縛られる必要はなく「私にはこういう『強み』があるので、指標の数字を上回る結果が見込めます。」と根拠を示してご説明いただければ、担当者は当然に耳を傾けるはずです。
公庫が、この数字を利用することが有効と考えて活用しているのであれば、
皆さんがその数字を参考にして計画を作成することは、
全くおかしなことではないと、私は考えます。
今一つぜひやっていただきたいのは、何かのアクシデント。
例えば、近所に同業 ライバル店が出店したとか、
目の前の道路の工事が始まって、人の流れが変わって しまったとかで、
万が一売上が下がったときのことをシュミレーションしてみる 事です。
計画の100%以上の売上実績が上がるに越したことはありませんが、
コロナの例を挙げるまでもなく、何が起こるかわかりません。
例えば、売上が90%になってしまったら、利益・収支はどうなるのか。
80%ならどうなのか。
そして、その時に資金はいくら不足してしまうのか。
あるいは、まだ、余裕があるのか。そこまで考えて計画を立ててみるのが、
初回に、あいさつ文に書いた『計画はネガティブに』ということです。
おそらく担当者は、頭の片隅で、そういう計算もしているはずです。
以上で「創業計画書」の作成に関する、私なりの考え方の説明を終わります。
次回は、最後のまとめとして、これから創業される方へのメッセージを
お送りしたいと思います。
以上、富太郎でした。
☆ 過去に「ブログ」に投稿した内容の再掲示です。