今回はお客様より素組み製作代行のご依頼をいただきました下記キットの作業進捗についてレポートいたします。
メーカー:コトブキヤ
キット名:メガミデバイス SOLラプター
製作コース:素組みコース(スミ入れ、デカール貼り付けのオプションあり)
今回は以下の方針に沿って作業をすすめました。
・ゲート跡は棒ヤスリを使用して削り、周辺箇所にならす。
・クリアパーツのゲート跡は、10000番までのヤスリを使用して消し、周辺箇所に合わせて光沢感を出す。
・外れやすいパーツについては接着剤を使用して固定する(換装のために取り外しが必要なパーツ同士は原則接着しません)。
1. 工具の紹介
素組み行う際には、私は以下の工具を使用しております。
プラモデル用ニッパー
基本的にパーツをランナーから切り取る際には、パーツに白いゲート跡が極力残らないように二度切りを行います。その際の一度目のパーツ切り取りでは下写真のプラモデル用ニッパーを使用しています。
片刃ニッパー
一度切りを行ったら、下写真の片刃ニッパーを使用してパーツにくっついたランナーの切れ端を切断します。片刃ニッパーは通常のニッパーよりもヌルっとプラスチックを切断することができるため、ゲート跡が残りにくくなるというメリットがあります。
ただし、刃はとてもデリケートであるため、太いランナーを切ろうとすると刃が欠ける恐れもあります。そのため、片刃ニッパーを使用しても問題ないパーツを選択して、力加減にも気を付けながら切る必要があります。
デザインナイフ
丸みのある個所などでは、片刃ニッパーで切り落としきれずにランナーが少し残ってしまうことがあります。そのような箇所は下写真のデザインナイフを使用して切り落とします。
棒ヤスリ
パーツからランナーを切り取ったら、下写真の棒ヤスリを使用して、残った箇所を削り落とします。
棒ヤスリの形状は複数ありますが、私はいつも片面が平面でもう片方の面が丸くなっている形状の棒ヤスリを好んで使用しています。
2. ゲート跡処理
各パーツを以下のような流れでランナーから切り取り、ゲート跡を消す処理を行います。
まずは、ニッパーで一度切りをします。切る際にはランナーとパーツの接合部があえて残るように切り取ります。
次に片刃ニッパーを使用して、残った部分を切り落とします。下写真のように丸みのあるパーツの場合は、ランナーの切り残しがどうしても出てしまいます。
切り残された部分はデザインナイフで切り落として、その後棒ヤスリで周辺箇所の形状になじむように削ります。
丸みのあるパーツ上では、パーツの形状に沿って弧を描くように棒ヤスリを動かすと綺麗に削れます。
以上の要領で各パーツを切り取り、ゲート跡を消していきます。
3. クリアパーツのゲート跡処理
クリアパーツは光沢感が強いため、下写真のようにゲート跡がとても目立ちやすく、見栄えに影響が出やすいです。そのため、クリアパーツのゲート跡は目の細かいヤスリを使って段階的に磨いて光沢感を出すようにしていきます。
まずは1000番の紙ヤスリでゲート跡と周りの面を磨きます。この段階では下写真のように、ゲート跡自体は消えましたが、表面のつやが失われた状態となっています。
ここから、2000番、4000番、6000番、8000番、10000番のスポンジヤスリ(下写真)を番号が小さいもの順番に使用して磨いていき、光沢感を取り戻していきます。
10000番までのスポンジヤスリで磨いた状態が下写真になります。照明の光が反射して見えるまで光沢感を出せたことが分かります。
4. パーツの接着
メガミデバイスでは、構造の都合上ポロっと取れてしまいやすいパーツが一部あります。また、可動させた際の力のかかり方により外れてしまいやすい箇所もあります。そのような箇所については、組立後の可動や脱着に支障がない範囲で接着剤による接着を行います。
私は各パーツの樹脂素材に応じて、以下の2種類の接着剤を使用します。
PS(ポリスチレン)樹脂のパーツ同士を接着する際には下写真のセメント接着剤を使用します。この接着剤は塗布した箇所の表面を溶かして接合させるようになっています。
メガミデバイスのパーツのほとんどはこのPS樹脂製になっているため、この接着剤で大体はカバーできます。
また、メガミデバイス内の一部パーツはABS樹脂製となっております。ABS樹脂とは、アクリロニトリル(A)、ブタジエン(B)、スチレン(S)という3種類の物質から構成される熱可塑性樹脂のことで、熱や衝撃に強く、メガミデバイスではよく肌パーツや関節パーツなど、可動による負荷が大きい箇所で使われています。
ABS樹脂は含まれる物質の都合上PS樹脂向けの接着剤を塗布しても表面が溶けず、接着させることができません。そのため、そのような箇所にはスーパーや100円均一でも簡単に購入できる瞬間接着剤を使用して接合します。
以上2種類の接着剤を使用してパーツの接着を行っていきます。
下写真の腕パーツの下腕部は2パーツで構成されていますが、可動時に負荷がかかって取れやすい箇所です。これらのパーツはどちらもPS樹脂製であるためセメント接着剤で接合させます。
下写真の肩パーツはABS樹脂製であり、かつ特に可動の負荷が大きい箇所です。そのため、瞬間接着剤で接合します。
下写真のようにメガミデバイスの肩甲骨にあたる箇所のパーツは凹凸の穴が浅いため、肩を広げるように可動させたさいに簡単に取れてしまうため、接着剤による補強をお勧めします。
ただし、肩関節部分はPS樹脂であり、背面部分はABS樹脂であるため、PS樹脂では接着させることが難しいです。そのため、このような箇所は瞬間接着剤で接合させます。
以上のような要領で、外れやすいパーツを接合して補強していきます。
5. POM樹脂パーツのゲート跡処理
メガミデバイスの手首パーツはPOM(ポリアセタール)樹脂製となっています。POM樹脂はゴムのように曲げやすいという特徴があり、美少女プラモデルでは武器などを持たせるための手首パーツに多用されます。
POM樹脂製のパーツはヤスリで綺麗に削ることが難しく、削ると毛羽立っているように見えてしまいます。そのため、POM樹脂製のパーツのゲート跡はデザインナイフで少しずつ削って消していくようにします。
6. 組立て
組立説明書に沿って組み立てていくと、まずは素体モードが完成します。下写真のパーツを組み合わせることで素体モードが完成します。
次に、外装を作り、素体モードの一部パーツを組み替えて、武装モードのパーツを組み立てます。
そして、最終的に完成した姿が下写真になります。
翼を広げた状態では横幅25cmほどになり、迫力のあるプロポーションになります。
以上で素組みは完了となります。
まとめ
SOLラプターは比較的初期のメガミデバイスのパーツ構造を踏襲したキットであり、取れやすいパーツの接着補強や、接合の穴を広げてはまりやすくするなどの工夫が必要でした。その際には、どこまで接着すれば可動に影響が出ないかなどを考えながら作業を進めており、創意工夫しながらの製作を楽しめました。
武装モードでの形状がとてもカッコよく、素組みだけでも十分にそのプロポーションの良さを感じられます。
懐空工房ではプラモデルの製作代行を承っております。
ご要件に応じてお値段も調整させていただきますので、お気軽にご相談ください。