記念日を“言葉”で残すという贈り方、知っていますか?
写真やアクセサリーも素敵だけれど、二人だけの出会いや想い出を「物語」にすれば、世界にひとつだけのプレゼントになります。
ここに掲載している小説は、そんな“運命の瞬間”をフィクションとして描いたサンプル作品です。
出会い、衝突、そして今も続く絆——。
もしあなたにも伝えたい物語があるなら、その想いを小説という形で残してみませんか?
たとえばこんな感じ……。
『巡りあわせの記憶』
最初の出会いは、春の雨の日だった。
傘を持っていなかった私は、駅前の屋根の下で小さく肩をすぼめていた。
通り過ぎる人々の足音のなか、「どうぞ」と声がして顔を上げた。
差し出されたのは、見知らぬ男性の傘。
その人は、私より少し年上に見えた。
「近くまでなら送ります」
そう言って微笑んだ彼の笑顔を、今でもはっきり思い出せる。
雨上がりの空気は少し冷たくて、でも胸の奥は不思議と温かかった。
名前も知らないその人と、何気ない話をしながら歩いた帰り道。
別れ際に彼が言った言葉が、なぜか心に残った。
「また、会えたらいいですね」
その“また”が現実になるとは、あの日の私には想像もつかなかった。
二度目の出会いは三か月後。
職場のプロジェクトメンバーとして、偶然にも再会したのだ。
驚きと照れが混ざった空気のなかで、二人とも何も言えなかった。
けれど、目が合った瞬間に思った。
——あの傘の人だ、と。
一緒に仕事をするうちに、彼の人柄を知っていった。
几帳面で、でも少し不器用。
遅くまで資料を直している姿を見るたびに、胸の奥がじんとした。
そして、私が失敗して落ち込んでいたとき、
「人の優しさって、結果よりも覚えてもらえるものですよ」
と、彼は静かに言った。
その言葉に救われて、気づけば恋をしていた。
初めてのデートは夏の花火大会。
人混みのなかで手をつなぎ、彼が小さく笑った。
「こういうの、緊張しますね」
その不器用な笑顔が愛しくて、私はただうなずいた。
夜空に咲く花火の音が、まるで心臓の鼓動みたいに響いていた。
けれど、順調な日々ばかりではなかった。
仕事の忙しさ、価値観の違い、些細な言葉のすれ違い。
ある日、彼が言った。
「君はいつも自分のことを後回しにする」
その言葉に、私は思わず反発した。
「あなたは私の努力を知らないだけ!」
感情が爆発し、涙が止まらなかった。
その夜、別々の道を歩いた私たちは、一週間も連絡を取らなかった。
けれど、沈黙の時間が、気づかせてくれた。
本当に欲しかったのは、“わかってほしい”という言葉より、
“寄り添いたい”という想いだったのだと。
七日目の夜、彼からメッセージが届いた。
《ごめん。あのときの言葉、言い方が悪かった。会って話したい》
待ち合わせ場所は、あの日と同じ駅前の屋根の下。
雨が降っていた。
今度は、私が傘を差し出した。
「ねえ、今度は私が送ります」
涙まじりの笑顔に、彼は小さくうなずいた。
その瞬間、また新しい季節が始まった気がした。
それから一年後、同じ場所で記念写真を撮った。
「ここが、私たちの原点だね」
そう言って笑う私に、彼は照れくさそうに頷いた。
傘の下で肩を寄せ合いながら、彼が小さくつぶやく。
「出会った日の雨が、今は思い出になってるなんて、不思議ですね」
「ねえ、次の記念日もここに来よう」
「約束ですよ」
差し出された手を握り返したとき、
雨の向こうに、未来がやさしく滲んで見えた。
(続)
大切な人との出会いを、永遠に色褪せない物語として。
誕生日や記念日、プロポーズのサプライズなど——
“言葉で贈るプレゼント”は、時間を越えて心に残ります。
あなたの物語を、丁寧に言葉へ。
オーダーメイドの記念日小説、ご依頼をお待ちしています。
※フィクション要素を含む作品は、ヒアリングのお時間をしっかり頂いてからの制作となります。そのため、通常より納期を少し長めに設定させていただいております。
※上記のサンプル小説は約1,000文字強の構成ですが、実際のご依頼ではもちろん2,000文字以上のボリュームから何文字でも対応可能です。内容やご希望に応じて柔軟に調整いたします。
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