半歩先の未来

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NHKEテレでやっている「ズームバック×オチアイ」という番組をよく見ます。感染症不安で生活が一変して未来が見えない今、過去の考察を手がかりに「半歩先の未来」を提示する、という番組です。主役は、新進気鋭の教育・研究者落合陽一(32歳:筑波大学准教授)。この番組のポイントは、過去の考察から少し先の未来をイメージするという点。

一番最初の回では、都市と自然の関係をベースに、これからの「ニューエコロジー」を論じました。自然の脅威には勝てない、いかに共存するかというテーマ。14世紀のペスト大流行後の変化を考察すると、こうです。人口減→農地余剰→畜産の発達→栄養状況の劇的改善→高齢者の寿命伸長→都市の発達(森林開発)。結果、「人類と家畜」と「野生動物」の地球上の総体重比は、なんと96:4になった。これからの世の中は? 新しいエコロジー(環境)のあり方を、「都市と自然の関係性」の中で考える必要がありそうです。

歴史と言うと大げさですが、ちょっとした気づきが未来につながるかもしれません。テクノロジーの進化を考えてみましょう。例えばセグウェイ(電動立ち乗り二輪車)。パソコン発明以来の革命的製品と言われながら一度も黒字化せず、会社は売却を繰り返されたのち事実上消滅しました。現在では「課題なきテクノロジー」と言われています。解決すべき社会課題や消費者ニーズがないのに、技術だけが先行したケースです。私も以前セグウェイに乗ったことがありますが、「これ何の役に立つんだろう? おもちゃか?」と感じたことを覚えています。

一方ドローン。これも登場した時、私は「おもちゃか?」と思いました。かなり以前、私がCM制作の担当をしていたころ、「俯瞰の画」(上方からの映像)を撮るには、クレーンカメラを搬入するか、空撮(飛行機から撮影)するしかなく、莫大な費用をかけていました。しかし今はドローンで簡単に撮影できる。その他輸送、警備、軍事、農薬散布、イベントなど、ドローンは様々なニーズに応えています。米軍がイラン革命防衛隊司令官を攻撃したのもドローンです。中国では、ドローンがウイルス対策の“神器”となり、通知・警告を促すスピーカー、消毒作業、体温測定、巡回輸送等に活用されています。すごいぞ、ドローン!

今後リモートが主流になり、かつ都市と自然が共存するため、人間の代わりにドローンが飛び回る、そんなエコロジーが発展するかもしれません。セグウェイとドローンの違いは何か? 課題解決、価値創造のイメージの違いでしょう。今後さらにテクノロジーに注目ですね。

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