「写真を送って」の一文で、お客さんを何人逃していたんだろう

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IT・テクノロジー
ハウスクリーニングのお店のホームページを作り直していたときの話。

見積もりのボタンに「写真を送って見積もり」と書いたら、店主さんに止められた。

正直、最初は「え、何がダメなんですか」と思った。写真があった方が正確な見積もりが出せるし、お客さんにとっても親切なはずだと思い込んでいたからだ。

でも店主さん曰く、「写真を撮るのが面倒で、そこで問い合わせ自体をやめてしまう人がいる」らしい。スマホのカメラロールを開いて、エアコンの裏側とか换気扇の油汚れとかを撮って、それを送信する。文字にすると大した手間じゃないように見えるけど、実際にその場面を想像してみると、確かに「あー、後でいいや」ってなる気がする。問い合わせって、思ったよりずっと些細なことで止まる。

じゃあ「追加料金がかかりそうな場合だけ写真を」にしたらどうかと提案したら、これも違うと言われた。追加料金がかかるかどうかなんて、お客さん自身には判断がつかない。「これは普通の汚れなのか、特殊な汚れなのか」を、知識のない人に聞いている時点で、もうハードルを作ってしまっている。

結局、文言は「写真のご用意はいりません。追加料金が心配な方はご相談ください」に落ち着いた。

この一件、あとになって振り返ると、自分がWebサイトやシステムを作るときにけっこうやりがちな失敗だなと思う。「念のため教えてください」「もし該当する場合は〜」みたいな一文。作り手からすると親切のつもりで入れているんだけど、受け取る側からすると「自分で判断しないといけない」という負担に変わる。

判断を求められた瞬間に、人は面倒だと感じて離脱する。これはハウスクリーニングの見積もりに限った話じゃなくて、問い合わせフォームでも、予約の入力項目でも、だいたい同じことが起きている気がする。

自分が設計する側に立つと、どうしても「あらゆるケースに対応できる作り」にしたくなる。でもそれは結局、お客さんに選択肢と判断を丸投げしているだけで、親切でも何でもなかったりする。入口は、広ければ広いほどいい。選ばせるな、迷わせるな。今回の件で、わりと骨身に染みた。

こういう「問い合わせの入口を広げる」ための設計、ホームページ制作のご依頼でもよく相談されます。

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