第4話|運気の悪い時期を、人生の準備期間に変える
「来年は、あまり運気が良くありませんね」
もし、そんなことを言われたら、あなたはどう感じるでしょうか。
少し不安になったり、これから何か悪いことが起こるのではないかと心配になったりするかもしれません。
転職を考えている人なら、仕事がうまくいかなくなるのだろうか。
結婚を考えている人なら、このまま進めても大丈夫なのだろうか。
そんなふうに、未来のことが気になってしまうのではないでしょうか。
けれど、私は四柱推命を学ぶ中で、一つの考え方を大切にするようになりました。
運気の悪い時期は、人生を止める時間ではなく、これからの自分のために準備をする時間。
今回は、四柱推命でいう「運気の悪い時期」とはどのようなものなのか。
そして、そんな時期をどう過ごせばよいのかについて、お話ししていきたいと思います。
人生には、良い波もあれば、悪い波もある
第2話では、人生には一人ひとり異なる波がある、というお話をしました。
四柱推命では、生まれたときの命式と、その後に巡ってくる運気との関係から、人生の流れを読み解いていきます。
約10年単位で見る「大運」。
1年ごとの「年運」。
月ごとの「月運」。
そして、日ごとの「日運」。
それぞれの運気が、自分自身の命式とどのように関わるのかを見ていきます。
私は、運気が良い時期というのは、自分自身の持つ性質と、巡ってくる運気の波長が合いやすい時期だと考えています。
物事が前に進みやすかったり、良い出会いに恵まれたり、自分の力を発揮しやすかったりする。
反対に、波長が合いにくい時期には、思ったように物事が進まず、いつも以上に努力が必要になることもあると考えます。
ただし、運気の良し悪しは、すべての人に同じように訪れるわけではありません。
ある人にとって良い時期が、別の人にとっても良い時期とは限らないのです。
だからこそ、まずは自分自身の命式を知ることが大切になります。
四柱推命で注意したい運気とは
四柱推命には、注意が必要とされる運気があります。
私が特に意識しているのが、「空亡」「相剋」「金鎖殺」などです。
空亡(くうぼう)
空亡は、文字どおり「空しく亡びる」と書きます。
伝統的な解釈では、この時期に始めたことが、後になって思うような結果につながらなかったり、長続きしなかったりすると考えられています。
そのため、私は鑑定の際、可能であれば結婚や転職、独立、引っ越しなど、人生の大きな分岐点となる決断は、時期を慎重に考えるようお伝えしています。
ただし、空亡だからといって、何もしてはいけないわけではありません。
むしろ、この時期だからこそできることがあると思っています。
それについては、後ほど詳しくお話しします。
相剋(そうこく)
相剋とは、五行などの関係において、一方がもう一方を抑える働きを表す言葉です。
四柱推命では、こうした関係をもとに、物事がぶつかりやすい時期や、負担を感じやすい時期などを考えることがあります。
私も、相剋が強く表れると考える時期には、大きな決断を急がず、いつも以上に慎重に行動することを心がけています。
金鎖殺(きんささつ)
金鎖殺も、注意が必要とされる運気の一つです。
私が学んできた解釈では、自分の生まれた日の干支と、巡ってくる干支が同じになる時期を指します。
干支は全部で60種類あり、60年、60か月、60日という周期で同じ干支が巡ってきます。
60年で生まれた年の干支に戻ることを「還暦」と呼ぶように、干支が一巡することは、一つの大きな節目でもあります。
また、自分と同じ干支が巡ってくるとき、変通星では「比肩」にあたる関係になります。
比肩は、自立心や自分の意思を大切にする性質を持っています。
その一方で、自分の考えにこだわりすぎたり、周囲との衝突につながったりすることもあると考えられています。
金鎖殺には、思いがけない出来事や事故などに注意が必要だとする解釈もあります。
ただし、金鎖殺が巡ってきたからといって、必ず悪い出来事が起こるわけではありません。
同じ運気が巡ってきても、すべての人に同じ出来事が起こるわけではないからです。
私は、金鎖殺を必要以上に恐れるのではなく、自分の言動や周囲の状況を見つめ直すための目安として活用することが大切だと思っています。
また、運気の影響を年単位で考える際には、その前後の年も含めて振り返ることがあります。
だからこそ、一つの年だけを見て、すべてを決めつけないことが大切だと思っています。
運気の悪い時期は、メンテナンス期間
第3話では、命式を車に例えてお話ししました。
干支は、車をつくるメーカーの思想。
変通星は、スポーツカーやRV車、コンパクトカーなど、それぞれの車種が持つ特徴。
十二運気星は、坂道を登る力やエンジンのパワー。
そして、年運や月運は、車が走る道路や天候のようなものだとお伝えしました。
今回は、もう一つ車の例えを加えたいと思います。
それは、車検やメンテナンスです。
車は、毎日走り続けていると、少しずつ部品が摩耗していきます。
見た目には何の問題もなくても、点検してみると、交換が必要な部品が見つかることもあります。
だからこそ、定期的に点検し、整備することが大切になります。
私は、運気の悪い時期も、それに似ていると思っています。
良い運気のときは、積極的に行動する。
新しいことに挑戦したり、人との出会いを増やしたり、自分の目標に向かって前へ進んでいく。
一方で、注意が必要とされる時期には、少し速度を落として、自分自身を見つめ直す。
これまでの行動に無理はなかっただろうか。
人間関係で、改善できることはないだろうか。
仕事の進め方や生活習慣を、見直す必要はないだろうか。
そうしたことを考える時間にするのです。
車が点検を終えて、また安心して走り出せるように。
人も、ときには立ち止まって、自分自身を整える時間が必要なのではないでしょうか。
何もしないのではなく、未来のために準備をする
私は、空亡など注意が必要とされる時期には、できるだけ大きな決断を急がないようにしています。
鑑定する方にも、可能であれば、人生を大きく変えるような行動は慎重に考えていただくようお伝えしています。
けれど、それは「何もしないで過ごしてください」という意味ではありません。
例えば、将来、独立して自分の会社を持ちたいと考えている人がいたとします。
その人にとって、今が注意を要する運気だとしたら。
今すぐ会社を辞めて独立するのではなく、経営について学んだり、資格を取得したり、事業計画を立てたりする時間にする。
人脈を広げ、資金を準備し、自分の力を蓄えておく。
そして、良い運気が巡ってくると考えられる時期に向けて、準備を進めていくのです。
もちろん、独立が成功するかどうかは、運気だけで決まるものではありません。
事業の内容や資金、経験、社会の状況など、現実的な条件が何より重要です。
それでも、自分の目標を見据えて準備を重ねることには、大きな意味があります。
勉強して得た知識。
積み重ねた経験。
磨いてきた技術。
こうしたものは、自分自身の財産になります。
今すぐ結果が出なくても、将来の自分を支えてくれるものを増やしていく。
私は、空亡などの時期を、そのように活用することが大切だと思っています。
ただし、苦しい環境から離れることを我慢する必要はありません
ここで、一つだけ大切なことをお伝えしたいと思います。
例えば、今の職場で心身ともに疲れ果て、毎日つらい思いをしている人がいたとします。
その人に対して、私は「今は運気が悪いから、仕事を辞めるのはやめましょう」とは言いたくありません。
人生には、今すぐ環境を変えなければならないときがあります。
つらい職場から離れることも、自分自身を守るための大切な選択です。
たとえ四柱推命で注意が必要とされる時期であっても、必要な決断を先延ばしにする必要はありません。
その時期の運気について、四柱推命ではどのように解釈するのか。
どんなことに気をつければよいのか。
そして、次の人生に向けて、どのような準備ができるのか。
私は、そうしたことを一緒に考えられる鑑定でありたいと思っています。
運気を知ることよりも、その人の人生と心を守ることの方が、ずっと大切だからです。
過去を振り返ると、気づくことがある
私自身、四柱推命を学び始めてから、過去の出来事と運気の流れを照らし合わせるようになりました。
私の場合、8月と9月が空亡にあたります。
振り返ってみると、この時期には、いくつか印象に残る出来事がありました。
学生時代には、初恋の相手との別れがありました。
社会人になってからは、給与が大きく減ったことや、仕事で大きな失敗をしたこともありました。
楽しみにしていた旅行が、思いがけず中止になったこともあります。
もちろん、8月や9月に良い出来事がなかったわけではありません。
楽しい思い出も、きっとたくさんあります。
ただ、四柱推命を学んでから過去を振り返ると、注意が必要とされる時期に、印象的な出来事が重なっていたことに気づいたのです。
それが偶然だった可能性もありますし、過去を振り返るときには、強く印象に残った出来事ほど思い出しやすいものです。
だから、私はこれを「空亡だから悪いことが起きた」という証明だとは考えていません。
それでも、自分にとっては、これからの過ごし方を見直すきっかけになりました。
この時期は、少し慎重に行動してみよう。
大切な決断は、いつも以上に時間をかけて考えてみよう。
そう意識するようになったのです。
四柱推命は、未来だけを見るものではありません。
過去を振り返り、自分自身の行動や選択を見つめ直すためにも使える。
私は、そう考えています。
良い運気が来ても、何もしなければ変わらない
では、運気が良いとされる時期が巡ってきたら、それだけで幸せになれるのでしょうか。
私は、良い運気を活かすためにも、自分自身の行動が大切だと考えています。
第2話でもお話ししましたが、例えば、結婚に良い運気が巡ってきたとします。
けれど、誰とも出会おうとせず、何も行動しなければ、その機会を活かすことは難しいでしょう。
独立に良い時期だとしても、事業計画も資金も準備せず、突然会社を辞めてしまえば、うまくいくとは限りません。
良い運気とは、何もしなくても願いがかなう魔法のようなものではありません。
私は、自分自身の波長と、巡ってくる運気の波長が合いやすい時期だと考えています。
その流れを活かすためには、自分から動くことが必要です。
例えば、数年後の独立を目標にして、今から準備を始める。
知識を身につけ、経験を積み、人とのつながりを広げていく。
そうして迎えた時期に、思いがけない出会いがあり、独立への道が開けることもあるかもしれません。
そのとき初めて、「良い運気を活かせた」と感じられるのではないでしょうか。
良い運気を待つのではなく、良い運気を迎える準備をする。
私は、それが大切だと思っています。
運気を知ることは、人生の予定を立てること
「来年は運気が悪い」と聞けば、不安になるのは自然なことだと思います。
でも、そこで立ち止まってしまうのは、もったいないことです。
例えば、今から3年後に転職したいと考えているとします。
その目標に向かって、1年目は資格の勉強をする。
2年目は経験を積み、情報を集める。
3年目に、転職活動を本格的に始める。
そんなふうに、目標から逆算して予定を立てることができます。
四柱推命を活用するなら、そこに自分の運気の流れという視点を加えてみるのです。
準備を重視する時期。
自分自身を整える時期。
積極的に挑戦する時期。
そうした時間の使い方を考えることで、漠然とした不安が、具体的な行動計画に変わっていくことがあります。
もちろん、運気だけを優先して、現実のチャンスを逃してしまっては本末転倒です。
大切なのは、四柱推命を判断のすべてにするのではなく、人生の計画を立てるための一つの参考にすること。
先のことを考えておけば、何かが起きたときにも、落ち着いて対応しやすくなります。
危険を予想して備えることもできる。
心構えをしておくこともできる。
ときには、「今はそういう時期なのかもしれない」と気持ちを切り替えることもできるでしょう。
私は、運気を知ることの価値は、そんなところにもあると思っています。
雨の日には、雨の日の過ごし方がある
これまでの記事で、私は四柱推命を「人生の天気予報」に例えてきました。
雨の日は、少し憂鬱な気持ちになることがありますよね。
朝から空が暗かったり、靴が濡れてしまったり。
外出するのが面倒に感じることもあるでしょう。
でも、雨が降っているからといって、何もできなくなるわけではありません。
いつもどおり仕事に行き、買い物をして、家族や友人と過ごす。
普段と変わらない一日を送ることだってできます。
ただ、晴れの日とは少しだけ準備が違います。
通勤電車が遅れるかもしれないから、いつもより早く家を出る。
濡れても困らない靴を選ぶ。
折りたたみ傘やタオルを持っていく。
人によって、雨の日の備え方は違うでしょう。
そして、もう一つ大切にしてほしいことがあります。
それは、雨の日をどんな気持ちで過ごすかということです。
例えば、同じ雨の日でも、一日中「雨なんて嫌だ」「どうして今日に限って雨が降るんだ」と不満ばかり口にする人がいます。
一方で、雨の日だからこそ、お気に入りの傘を使ってみよう。
いつもとは違う景色を楽しんでみよう。
今日は家で、ゆっくり好きなことをして過ごそう。
そんなふうに、雨の日なりの楽しみを見つける人もいます。
どちらの人にも、同じように雨は降っています。
けれど、その一日の過ごし方は、ずいぶん違うのではないでしょうか。
私は、人生の運気もこれに似ていると思っています。
運気が悪いとされる時期に、何をしてもうまくいかないと嘆いてばかりいる人。
一方で、今は自分を磨く時期だと考え、できることを見つけて前向きに過ごしている人。
同じような運気の中にいても、その時間の使い方によって、未来は変わっていくはずです。
もちろん、つらいときに無理をして明るく振る舞う必要はありません。
落ち込む日があってもいいし、愚痴をこぼしたくなる日もあるでしょう。
ただ、いつまでも雨を嘆いているだけでは、目の前にある小さな楽しみや、新しい可能性に気づけなくなってしまうかもしれません。
反対に、雨の日でも自分なりの楽しみを見つけ、周囲の人と笑顔で過ごしている人には、自然と人が集まり、新しい出会いや機会が生まれることもあるでしょう。
私は、そうした日々の積み重ねが、人生をより良い方向へ導いていくのだと思っています。
雨を止ませることはできなくても、雨の日の過ごし方は自分で選ぶことができます。
四柱推命を活用する皆さんには、運気の悪さを嘆くだけの人にはなってほしくありません。
雨の日には雨の日の楽しみを見つけるように、どんな運気の中でも、自分にできることを探してほしいのです。
運気を知ることは、不安になるためではありません。
その時期を、少しでも良い時間にするためです。
そして、次に晴れ間が訪れたときには、思い切り前へ進んでいく。
そんなふうに四柱推命を人生に活かしていただけたら、私はとてもうれしく思います。
未来を恐れるのではなく、未来に備える
運気の悪い時期があると聞くと、どうしても不安になるかもしれません。
けれど、その時期にも、自分にできることはたくさんあります。
自分自身を見つめ直す。
これまでの行動を振り返る。
将来の目標に向かって、知識や経験を蓄える。
そして、日々の暮らしの中にある小さな幸せを大切にする。
そんな時間の過ごし方が、次の一歩につながっていくのだと思います。
人生には、晴れの日もあれば、雨の日もあります。
大切なのは、晴れの日だけを望むことではなく、どんな天気の日にも、自分らしい過ごし方を見つけることです。
まずは、自分の人生の天気を知ることから始めてみませんか。
そして、その天気を参考にしながら、これからの目標や予定を考えてみてください。
未来のことを、すべて知ることはできません。
それでも、備えることはできます。
そして、どんな日にも、自分の行動や心の持ち方を選ぶことはできます。
運気を知ることは、未来を怖がるためではなく、未来をより良く生きるため。
四柱推命を通して、日々の不安が少しでも軽くなり、皆さんが生き生きとした人生を歩んでいけたら。
私は、そう願っています。
自分を知る。
運気を知る。
人生に活かす。
自分自身の運気を知りたい方へ
「自分の空亡はいつなのだろう?」
「これからの運気の流れを知って、人生の計画を立てたい」
そんな方に向けて、ココナラで四柱推命の個別鑑定を行っています。
ご自身の命式をもとに、生まれ持った性質や長所・短所、これからの運気の流れを読み解いていきます。
鑑定で大切にしているのは、単に運気の良し悪しをお伝えすることではありません。
自分を知り、これからの人生にどう活かしていくか。
そのきっかけを、一緒に考えていければと思っています。
個別鑑定にご興味のある方は、私のプロフィールから出品サービスをご覧いただけます。
次回は、もう一度「自分を知る」というテーマに戻ります。
四柱推命で、その人の本質を読み解くための大切な要素である「十干」。
木・火・土・金・水という自然界の性質を通して、自分自身を見つめていきましょう。
第5話|十干とは?まず自分の「日干」を知ろう
橙矢賢青|四柱推命