「戦い方を知らなかっただけ」
かつて僕は、望むことを、自分に禁じていた。
望みを叶えるには、相手をねじ伏せるしかないと思い込んでいたからだ。
でもそれは、望みを手放したんじゃない。ただ、調和の中で叶える方法を、一度も教わっていなかっただけだった。
今なら分かる。望みは、圧をかけなくても、静かに叶っていく。
灯台と凪は、そのことを、日々証明していく場所にしていきたい。
「光は、引っ張らない」
灯台は、船を無理に引き寄せたりしない。
ただ、そこに立って、光を灯すだけだ。進むかどうかは、いつも船が決める。
僕はこれまで、自分の望みを、相手に届けるとき、無意識に"引っ張ろう"としていたかもしれない。
でも本当に届けたいのは、望みそのものより、「ここに、こういう光がありますよ」という、ただの事実だけでいい。
選ぶかどうかは、相手に委ねる。それだけで、伝わり方はまるで変わる。
「静けさは、諦めじゃない」
凪という言葉を聞くと、
人は「穏やかで、何も望まない状態」を想像するかもしれない。
でも、僕にとっての凪は、真逆だ。
波を無理に起こさなくても、静かな水面だからこそ、
今ある幸せがちゃんと見える。望みは、静けさの中でこそ、正確な形を持つ。
戦いをやめることは、諦めることじゃない。
むしろ、一番よく見えるようになる場所に、立つということだ。
「余白を添えて、渡す」
願いは、奪い取るものじゃない。
「こうしてほしい」ではなく、「こうなったら嬉しいな」。
その違いは小さいようで、実は決定的だ。
前者は相手から選択権を奪う。
後者は、相手にちゃんと選ばせている。
僕はようやく、自分の望みに、余白を添えて渡せるようになってきた。
これは、諦めでも遠慮でもない。
ただ、圧をかけずに叶える、新しい叶え方の練習だ。
細井敬太