50代・60代からの人生。答えを教えるのではなく、一緒に見つけていきたい。
ここまで、人生二周目をテーマに、50代後半からの働き方や生き方について書いてきました。
独立への不安や、私自身の起業の失敗。
大きく踏み出す前に、小さく始めること。
自分の経験の価値は、自分では見えにくいこと。
周りに人がいても、本音を話せないことがあるという現実。
そして、人生後半の働き方を考えるうえで、何を大切にしたいのか。
ここまで読んでくださったみなさま、本当にありがとうございます。
今回は、このシリーズの締めくくりとして、少し私自身の本音を書いてみたいと思います。
私が、どんな想いで個別相談をしているのか。
そして、どんな方と、これからの人生を一緒に考えていきたいのか。
そんなお話です。
誰にでも、同じ答えを渡すことはできない
最初に、少し誤解を恐れずに書きます。
私は、できるだけ多くの方に相談サービスを利用していただきたい、とは考えていません。
もちろん、多くの方のお役に立てるのであれば、それはうれしいことです。
でも、それ以上に大切にしたいことがあります。
一人ひとりと、きちんと向き合うこと。
私はこれまで、人材業界で30年以上、経営者として25年以上、多くの人と関わってきました。
5社の社長を経験し、起業も2度経験しました。
人を採用し、育て、組織をつくり、事業再生にも取り組んできました。
その中で、つくづく感じてきたことがあります。
それは、人にはそれぞれの人生があり、同じ方法が誰にでも通用するわけではない、ということです。
ある人にとっての成功が、別の人にとっての幸せとは限りません。
収入を増やしたい人もいれば、自由な時間を大切にしたい人もいます。
もう一度、大きな仕事に挑戦したい人もいれば、これからは誰かの成長を支える側に回りたい人もいる。
どれが正しいという話ではありません。
だから私は、
「あなたは起業すべきです」
「転職した方がいいですよ」
そんなふうに、簡単に答えを決めつけたくないのです。
ただし、耳の痛いこともお伝えします
一方で、ただ話を聴いて、何でも肯定するだけの相談にもしたくありません。
特に起業については、私は慎重です。
なぜなら、自分自身が失敗しているからです。
42歳で起業したとき、私は経営経験もありました。
事業再生にも携わっていました。
それなりに自信もあったと思います。
ところが、始めた事業は思うようにいかず、約2年で会社を閉じることになりました。
経営の経験があっても、自分で事業を始めて成功できるとは限らない。
そんな当たり前のことを、身をもって学びました。
だからこそ、起業を考えている方には、夢や希望だけでなく、現実的なこともお話しします。
本当に、その事業をやりたいのか。
誰に、どんな価値を提供するのか。
お客様は、なぜお金を払ってくださるのか。
生活や家族への影響はどうなのか。
そして、うまくいかなかったとき、どうするのか。
場合によっては、
「今は、会社を辞めない方がいいと思います」
とお伝えすることもあるでしょう。
でも、それは挑戦を否定したいからではありません。
挑戦するなら、できるだけ長く続けてほしいからです。
勢いだけで始めるのではなく、小さく試しながら、自分の可能性を確かめていく。
私は、そのような進め方を大切にしています。
50代・60代だからこそ、できることがある
一方で、年齢を理由に可能性を閉ざす必要もないと思っています。
「もう60歳だから」
「今さら新しいことなんて」
「自分には、特別な能力も資格もないし」
そんな言葉を耳にすることがあります。
でも、私は思うのです。
本当に、そうでしょうか。
長い年月をかけて築いてきた経験。
さまざまな人間関係の中で磨いてきた判断力。
失敗しても、何とか乗り越えてきた粘り強さ。
誰かを育てたり、支えたりしてきた経験。
それらは、決して小さなものではありません。
ただ、自分ではその価値に気づきにくい。
なぜなら、自分にとっては「普通にやってきたこと」だからです。
たとえば、職場で後輩の相談に乗ってきた人。
本人は、たいしたことをしていないと思っているかもしれません。
でも、相手の話を聴き、気持ちを整理し、その人が前に進めるように支えてきた。
それは、誰にでもできることではありません。
経験というのは、肩書きや実績だけでは測れないものです。
私は、そうした**本人も気づいていない価値**を、一緒に見つけたいと思っています。
それが、これからの仕事につながるかもしれません。
誰かを支える活動につながるかもしれません。
あるいは、自分の生き方に対する自信を取り戻すことにつながるかもしれない。
どんな形であれ、その経験には意味があると思うのです。
答えを急がない。でも、先延ばしにもしない
人生後半の働き方を考えるとき、私は二つのことが大切だと思っています。
一つは、答えを急がないこと。
もう一つは、いつまでも先延ばしにしないことです。
この二つは、矛盾しているようで、実はそうではありません。
たとえば、起業するかどうか、今すぐ決める必要はありません。
でも、起業に関心があるのなら、まずは自分の経験を整理してみる。
やってみたい事業について、誰かに話してみる。
小さく試せることを探してみる。
それは、今日からでもできます。
転職や再就職も同じです。
すぐに会社を辞める必要はありません。
でも、自分の強みを整理したり、外の世界でどんな可能性があるのかを知ったりすることはできます。
大きな決断を急ぐ必要はない。でも、小さな一歩まで先延ばしにしなくていい。
私は、そんなふうに考えています。
そして、その最初の一歩が、誰かと話すことでもいいと思うのです。
私が一緒に歩みたい人
ここで、もう少し率直に書かせてください。
私の相談は、短時間で必ず稼げる方法や、誰にでも当てはまる成功法則をお伝えするものではありません。
「これをやれば絶対に成功します」
そんなお約束もできません。
そもそも、人生にそんな万能な答えはないと思っています。
一方で、今は自信がなくても、迷っていても、何をしたいのか分からなくても、まったく構いません。
私が一緒に考えていきたいのは、たとえば、こんな方です。
- これからの人生を、もう一度じっくり考えてみたい方
- 自分の経験を活かして、誰かの役に立ちたいと思っている方
- 起業や転職に興味はあるけれど、現実的な不安も抱えている方
- 誰かに答えを決めてもらうのではなく、自分自身で納得して選びたい方
- 焦らず、でも一歩ずつ、これからを変えていきたい方
共通しているのは、立派な目標を持っていることでも、強い自信があることでもありません。
自分のこれからに、少しでも真剣に向き合ってみたいと思っていること。
それだけで十分です。
私自身も、まだ人生二周目の途中です
私は今、60代を歩んでいます。
振り返れば、本当にいろいろなことがありました。
うまくいったことも、いかなかったことも。
出会いも、別れも。
人に助けていただいたことも、迷惑をかけてしまったことも。
決して、胸を張れることばかりではありません。
それでも、ここまで歩いてきて思うのです。
人生は、何歳になっても学ぶことがある。
そして、人との出会いによって、新しい可能性が生まれる。
私は今も、若い人たちから多くのことを教わっています。
自分より経験の少ない人から学ぶことも、たくさんあります。
年齢や肩書きが上だからといって、何でも知っているわけではありません。
だからこそ、私は相談に来られる方とも、上から教える人と教わる人という関係にはなりたくありません。
もちろん、私が経験してきたことや、知っていることは惜しみなくお伝えします。
必要であれば、厳しいこともお話しします。
でも、人生の主人公は、あくまでも相談されるご本人です。
私が代わりに生きることはできません。
私が代わりに決断することもできません。
だから、答えを与えるのではなく、その人が自分の答えに気づき、自分の足で歩いていけるように支えたい。
それが、私の考える伴走です。
私にとって、これは「志事(しごと)」です
私は、仕事という言葉に「志」という字を当てて、「志事」と書くことがあります。
自分が何のために、この仕事をしているのか。
誰のために、何を大切にしていきたいのか。
そんなことを忘れたくないからです。
これまでの人生で、私は本当に多くの方に支えられてきました。
決して一人の力で、ここまで来たわけではありません。
だから、これからは自分が経験してきたことを、少しでも誰かのために活かしていきたい。
特に、人生の節目に立っている人。
自分の可能性を信じたいけれど、まだ一歩が踏み出せない人。
これまで頑張ってきたのに、これからの自分に自信を持てない人。
そんな方と、丁寧に向き合っていきたいと思っています。
大勢の方に、同じ話をするだけではなく。
一人ひとりの話を聴き、その人が大切にしているものを知り、一緒に考えていく。
相性が合い、お互いに信頼できる関係が築けるのであれば、長く関わっていくこともできたらうれしい。
それが、今の私が大切にしたい働き方です。
まずは、一度話してみませんか
ここまで読んでくださった方の中には、
「自分も、これからの働き方を考えてみたい」
「誰かに、一度じっくり話を聴いてもらいたい」
そんな気持ちになった方もいらっしゃるかもしれません。
でも、何を相談すればいいのか分からなくても大丈夫です。
起業したいのか、転職したいのか、まだ決めていなくても構いません。
「このままでいいのだろうか」
その一言からでも、十分です。
私はこちらで、これからの働き方や起業について考える方に向けて、2つの個別相談サービスをご用意しています。
① いつかは起業したい。でも、まだ不安がある方へ
「いつかは起業したいけど…その不安をお聴きします」
初回限定・60分のオンライン相談です。
起業したい気持ちはあるけれど、何から始めたらいいか分からない。
自分に何ができるのか、まだ見えていない。
会社を辞めるつもりはないけれど、将来に向けて準備をしたい。
そんな方の想いや不安をお聴きし、まずは小さな一歩を一緒に考えます。
② 起業か転職か。これからの方向性を具体的に考えたい方へ
「起業か転職か?2度起業・5社社長経験者が相談に乗ります」
これまでの経験や強み、価値観を整理しながら、これからのキャリアや起業の可能性を考える個別相談です。
私が大切にしている「4つのシコウ(嗜好・志向・思考・試行)」も活用しながら、あなたに合った方向性や次の行動を一緒に考えていきます。
どちらの相談も、無理に結論を出したり、起業や転職を勧めたりするものではありません。
まずは、ご自身の気持ちや考えを整理する時間として活用していただければと思います。
最後に。人生二周目は、誰かと比べなくていい
12回にわたって、人生二周目について書いてきました。
最後に、私が一番お伝えしたいことがあります。
それは、これからの人生を、誰かの物差しで決めなくていいということです。
60歳で起業する人もいる。
70歳を過ぎても、現役で働く人もいる。
仕事から少し距離を置いて、家族や自分の時間を大切にする人もいる。
誰かの相談役として、これまでの経験を活かす人もいる。
どれも、その人にとって意味のある生き方です。
大切なのは、何を選んだかという結果だけではありません。
自分で考え、自分で納得して選んだかどうか。
そして、その選択を自分らしく歩んでいけるかどうか。
私は、そこが大切だと思っています。
人生二周目。
まだまだ、これからです。
私自身も、これからの人生を楽しみにしています。
そして、ご縁のある方と、お互いに学び合い、刺激し合いながら歩んでいけたら、こんなにうれしいことはありません。
これまでの人生が、これからの人生の可能性を決めるのではない。
これまでの経験を、これからどう活かすか。
そこに、人生二周目の面白さがあるのではないでしょうか。
ここまでお付き合いくださり、本当にありがとうございました。
あなたのこれからを、心から応援しています。
今日も明るく元気よく。
河村直人