トラベル・フォトブログ『みおのブーダンでのお話』#015

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「冷えるから」と渡された紙コップは、両手で包むと頼りないほど薄かった。
それでも、指先にはちゃんと熱が届いた。

椅子に腰を下ろすと、坂の向こうで点々と明かりが増えていく。
昼間は目印にしていた白い塔も、深い青の中では静かに遠ざかって見えた。

お茶が減るほど帰るきっかけもなくなり、空の色が変わるたび、あと一口だけ、と自分に言い訳した。

飲み終えたカップは軽いのに、手のひらにはまだ温かさが残っていた。

旅先でもらう親切は、少し遅れて心へ届くのかもしれません。
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