トラベル・フォトブログ『みおのブーダンでのお話』#006

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高い石壁に腰を下ろしたとき、谷あいの緑が一枚の布を広げたように見えた。

畑は光の濃淡で何段にも分かれ、その真ん中を細い流れが銀色の筋を引いていた。
山の向こうから届く風は涼しいのに、日なたの石は手のひらへじんわり熱を返してくる。

歩いてきた道も、次に向かう場所も、そのときだけは考えなかった。

ここでは家も畑も水も、山に抱かれながら同じ速さで朝を迎えている。

心に残るのは、遠くまで来たことよりも、予定を忘れて谷の暮らしを眺めていた、何もしない時間です。

咲久良みお・ブータン紀行008.png

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