DRAMAPのサンプルとして、実際の人生とマップを照らし合わせられる著名人を探していました。
そこで気になったのが、安藤サクラさんです。
父は俳優・映画監督の奥田瑛二さん。母は安藤和津さん。姉は映画監督の安藤桃子さん。そして夫は俳優の柄本佑さん。
これだけ近い人たちが同じ表現の世界にいると、家族全体から影響を受けて女優になったように見えます。
ところが、調べていくとそんな単純な話ではありませんでした。
サクラさんが幼い頃から女優になることを確信していた母。
同じ道へ進むことに反対した父。
「生まれたときから姉の作品」と本人が表現するほど影響を与えた姉。
そして夫との関係では、今度はサクラさん自身が「届かせる側」に回ります。
同じ「家族」なのに、サクラさんとの関係は驚くほど違います。
一人ずつ、マップと重ねてみます。
俳優の父が、「女優にはならないでくれ」と思っていた。
安藤サクラさんは5歳の頃、父・奥田瑛二さんの舞台を見て、父を指さし「あれになる」と言ったそうです。
ところが、俳優である父の反応は意外でした。
「女優にはならないでくれ」。
自分自身が俳優として苦労してきたからこそ、娘には同じ道を歩んでほしくなかったと語っています。
高校卒業の頃、サクラさんが改めて「女優になりたい」と伝えたときも、奥田さんは認める代わりに、親を頼らず自分で道を切り開くことを求めました。
同じ俳優の道を歩く父娘なのに、父が娘を導き、そのまま後を歩かせたわけではありませんでした。
ここで二人のマップを確認します。
〖逆流〗奥田瑛二 → 安藤サクラ
父はサクラさんより上にいる存在ですが、関係は「逆流」です。
同じ職業だから、父の経験がそのまま娘へ届くわけではない。
実際の人生でも、サクラさんは父に導かれて女優になったというより、父の反対を越えて自分でその道へ進んでいます。
ところが、同じ両親でも母はまったく違いました。
父が「女優にはならないでくれ」と思っていた頃、母はすでに逆のことを感じていました。
母は、幼い娘を見て「この子は女優になる」と思っていた。
母・安藤和津さんは、サクラさんが3〜4歳の頃には「ああ、この子は女優になる」と感じていたと語っています。
小学校の学芸会で『夕鶴』を演じたときにも、その姿を見て「サクラはもう絶対にこの道しかない」と確信したそうです。
父は止めようとした。
母は、すでにその道を見ていた。
同じ娘を見ていた夫婦なのに、反応は正反対です。
二人のマップでは、
〖順流〗安藤和津 → 安藤サクラ
母からサクラさんへ届く「順流」です。
父との逆流とは、きれいに分かれました。
本人がまだ女優になることを周囲に隠していた頃から、母には娘の向かう先が見えていた。
持って生まれた関係と、実際の親子の姿が重なります。
でも、サクラさんには母以上に、もっと日常的に自分を形づくっていた人がいました。
4歳上の姉・安藤桃子さんです。
その影響は、本人が「私は生まれたときから姉の作品」と話すほどでした。
「私は生まれたときから姉の作品」。姉は妹をつくっていた。
姉・安藤桃子さんは、妹のサクラさんに幼い頃から、見るもの、聞くもの、髪型、服装、遊びまで、さまざまな影響を与えていたそうです。
サクラさん自身も、「自分が欲しいような妹にしようと操られていたのかもしれない」と笑いながら振り返っています。
2014年には、桃子さんが監督、サクラさんが主演を務めた映画『0.5ミリ』で姉妹が本格的に組みました。
サクラさんは、「姉だからこそ映せた私」と語っています。
では、二人の関係はどうでしょう。
〖順流〗安藤桃子 → 安藤サクラ
姉から妹へ届く関係です。
幼い頃から姉が送り続けたものを、サクラさんは受け取ってきた。そして大人になってからは、その関係が「監督と俳優」という仕事にもつながりました。
父からは届かない。
母からは届く。
姉からも届く。
ここまでサクラさんは、家族から「受け取る側」にいました。
ところが夫・柄本佑さんとの関係では、初めて向きが反対になります。
柄本佑は、結婚して「この仕事を一生続ける」と思った。
安藤サクラさんと柄本佑さんは2012年に結婚しました。
柄本さんは後に、自分の人生が変わった瞬間として、結婚と子どもの誕生を挙げています。
特に結婚したとき、それまでさまざまな可能性を感じていた自分が、
「この役者という仕事を一生続けていくんだろうな」
と思ったそうです。
結婚によって、柄本さんの人生の軸が定まった。
では、二人のマップはどうでしょう。
〖同列順流〗安藤サクラ → 柄本佑
二人は夫婦なので、社会的な立場は同列です。
でも、力が動く向きは、
安藤サクラ → 柄本佑。
サクラさんから夫へ届く関係です。
母や姉との関係では、サクラさんが受け取る側でした。
夫との関係では、サクラさん自身が相手へ働きかける側になる。
実際に柄本さん自身も、サクラさんとの結婚を境に、自分の仕事や人生についての捉え方が変わったと振り返っています。
同列だから、ただ横並びになるわけではない。
同じ場所に立ちながら、サクラさんから夫へ流れが動いている。
ここまで4人を続けて見ると、安藤サクラさんを取り巻く家族の形がはっきりしてきます。
父からは届かず、母と姉から受け取り、夫へは自分から届く。
ここで、4人を一枚のマップに戻します。
父・奥田瑛二→ 逆流
母・安藤和津→ 順流
姉・安藤桃子→ 順流
安藤サクラ → 夫・柄本佑→ 同列順流
別々に見れば、4つの関係です。
でも、実際の人生と一緒に並べると、
父からはそのまま届かない。
母は、本人より早くその道を見抜いていた。
姉からは、幼い頃から強い影響を受け続ける。
そして夫との関係では、サクラさん自身が届かせる側になる。
家族全体から同じように影響を受けていたわけではありません。
誰から受け取るのか。
誰からは届かないのか。
そして、自分から誰へ届くのか。
同じ「家族」の中でも、向きは一人ずつ違います。
それぞれ公開されていたエピソードと、生年月日から出したマップを重ねると、その違いが同じ方向を示していました。
一人ずつ確かめるほど、安藤サクラさんが家族の中でどんな位置にいるのかまで見えてきます。
そして、ここまで確かめると次に気になるのは、
「自分の家族では、誰から受け取り、誰へ届いているんだろう」
ということです。
同じ「家族」でも、全員との向きは違う。
父。
母。
兄弟姉妹。
パートナー。
家族は近いからこそ、「親だから教わる」「姉だから影響を受ける」「夫婦だから対等」と考えがちです。
でも、安藤サクラさんの場合はそうではありませんでした。
父とは逆流。
母と姉からは順流。
夫とは同列に並びながら、サクラさんから夫へ順流する。
同じ家族でも、本人との関係は一人ずつ違います。
「家族」という括りを一度外して、自分とその人の関係だけを見る。
すると、これまで起きてきた出来事の意味まで、少し違って見えるかもしれません。
DRAMAPを試してみたい方へ
この記事を読んで、
「この人との関係は、一度確かめてみたい」
と思い浮かぶ相手がいたら、その一人から試してみてください。
父や母、パートナー、兄弟姉妹、子どもでも構いません。
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参考情報
・文春オンライン「父は俳優、姉は映画監督! 実力派・安藤サクラ38歳が『二世』であることに開き直った“きっかけ”とは?」
・シネマトゥデイ「『風の外側』奥田瑛二監督 単独インタビュー」
・映画.com「安藤桃子監督×安藤サクラ、姉妹だから歩み寄れた『0.5ミリ』」
・トーキョー女子映画部『0.5ミリ』安藤桃子監督、安藤サクラ インタビュー
・双葉社 THE CHANGE「現場で一言もしゃべらなかった柄本佑を変えた、安藤サクラとの結婚と子どもの存在」
・日テレNEWS「安藤サクラ『彼氏顔じゃないな、家族顔だな』」