※Webサイトに掲載している記事のダイジェスト版となります。
■『エビングハウスの忘却曲線』とは?
時間経過に伴って記憶が減衰し、「覚え直す」ために時間を要するというメカニズムを表す『エビングハウスの忘却曲線』。
このメカニズムを知ることで、学習や人材育成などの効果を効率良く高めることが可能になります。
■人間の記憶や忘却のメカニズム
人の記憶力には限界があり、一度記憶したことも時間が経つほど忘れてしまいます。
一方で、時間の経過によって忘れてしまったとしても、反復することで効率的に記憶することができるメカニズムがあります。
人間は、新しい情報を受け取り「記憶する」流れの中で、以下の3つのステップを踏むとされています。
●記銘(情報を受け取る)
●保持(情報を保つ)
●想起(情報を呼び出す)
1つ目のステップである「記銘」では、情報を受け取る当人が「重要性」を感じていなければ定着しない傾向があります。
また、3つ目のステップの「想起」は、老化によって脳も衰えるため、年齢を重ねるほど機能が低下する傾向があります。
そのため、定着させたい記憶情報については、繰り返し反復して学ぶことが理想的です。
■提唱した人物と実証実験
この『エビングハウスの忘却曲線』の実証実験を行い、提唱したのは ヘルマン・エビングハウス 氏です。
◆提唱したのは?
『エビングハウスの忘却曲線』を提唱した ヘルマン・エビングハウス(Hermann Ebbinghaus) 氏は、ドイツの心理学者であり、人間の長期記憶について研究したことで知られています。
◆実証実験の内容
ヘルマン・エビングハウス 氏は、1879年から1884年にかけて、『エビングハウスの忘却曲線』につながる「時間と記憶の相関関係」についての実験を実施しました。
この実験では、被験者に無意味な綴り(意味を持たないアルファベットの並び)を記憶させた後、時間経過とともに記憶をどれだけ保持できているかを明らかにしました。
その結果が、以下のグラフです。
縦の軸は「節約率」、横の軸は「時間」を表していて、時間の経過とともに「節約率」が低下していることがわかります。
ちなみに「節約率」とは、一度記憶して忘れた情報を再び記憶する(覚え直す)際に「どれだけ時間を節約できるか」を表した数値となります。
つまり、このグラフによると、「10分(600秒)」かけて記憶した情報を20分後に覚え直す場合には、58%の時間(5分48秒=348秒)を節約し、「4分12秒=252秒」でできる、ということになります。
●10分かけて記憶して20分後に覚え直す場合・・・58%(5分48秒)を節約した「4分12秒」でOK!
この実験結果から、人は一度覚えた内容を時間の経過とともに忘れていきますが、覚え直す際には最初よりも時間を短縮(節約)して記憶できる、ということが明らかになりました。
◆実験結果についての注意点
ヘルマン・エビングハウス 氏が行った実験結果を理解する際には、以下の2点について勘違いしないよう注意が必要です。
●実験で記憶したのは「意味の無い音節」である。
●時間経過による記憶量の低下ではなく「覚え直す際の時間の節約」を明らかにしている。
1つ目の注意点は、あくまで実験で記憶したのは「意味のない(無意味な)音節」であり、意味のある情報であったり、興味関心のある情報については『エビングハウスの忘却曲線』には該当しないということです。
2つ目の注意点としては、実験で明らかにしたのは「節約率(覚え直す際の時間短縮率)」であり、「どの程度の記憶が失われたか」や「覚えていられる時間」という記憶量の変化ではない、ということです。
■『エビングハウスの忘却曲線』からわかること
『エビングハウスの忘却曲線』から、以下の点が明らかになります。
●「反復」することで記憶の定着率が上がる
●「興味・関心」があれば記憶保持率が高まりやすい
◆「反復」することで記憶の定着率が上がる
学んだことを記憶に定着させるためには、「反復」することで忘れにくくする効果が期待できるようになります。
◆「興味・関心」があれば記憶保持率が高まりやすい
2点目としては、学ぼうとする情報が自分にとって興味・関心があれば、記憶の保持率が高まりやすい傾向があります。
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