※Webサイトに掲載している記事のダイジェスト版となります。
■『ネガティビティバイアス』とは?
『ネガティビティバイアス(Negativity Bias)』とは、ポジティブな情報よりも、ネガティブな情報に注意を向けやすく、記憶にも残りやすいという性質をあらわす心理学の用語です。
◆提唱したのは?
この『ネガティビティバイアス』は、アメリカの心理学者である、ダニエル・カーネマン 氏らが明らかにし、2002年にノーベル経済学賞を受賞しました。
ダニエル・カーネマン 氏らの研究によると、研究の参加者に「ポジティブ」「ニュートラル」「ネガティブ」の3つの刺激を与える写真を見せたところ、最も脳が反応したのが「ネガティブ」な写真であることが明らかになりました。
この結果から、人間の性質として「リスク」の高い情報に対して敏感に注意を向ける傾向があることが判明しました。
■『ネガティビティバイアス』の発生例
「ネガティブな情報」に注意が向くというのは、以下のようにさまざまなケースが考えられます。
◆幼少期の「つらい」記憶
個々人の幼少期などの過去の記憶においては、幸福な思い出よりも、つらい経験の方が鮮明に記憶される、という傾向があります。
◆「味覚」の違和感
何かを口にした際、思っていた匂いやいつもと違う味がした場合に、敏感に察知する。
◆相手の「機嫌」を察して振る舞いを変える
コミュニケーションをとる相手が機嫌を損ねていたり怒っていると、その相手の感情を察して身構えたり、寄り添うようになる。
◆スキャンダルや不祥事、不安を煽るようなニュースが関心を集める
著名人や有名人のポジティブな活動よりも、スキャンダルや不祥事の方が、世間の関心を集めやすい。
この傾向と関連して、メディアが報道するニュースやテレビCMといった広告でも、不安を煽ったりネガティブな内容の方が取り上げられやすいことも例として挙げられます。
情報の受け手である視聴者(消費者)に対して「不安を煽る」ことによって、『ネガティビティバイアス』により強い印象を与え、「予防しよう」「備えよう」と行動変容や、特定の商品やサービスの購買意欲を高めるという『不安マーケティング』を用いていると言えます。
◆同僚との過去の意見の相違を引きずる
ビジネスシーンにおいては、過去に意見が衝突した同僚に対して、不信感や苦手意識などネガティブな印象が先行してしまうケース。
■『ネガティビティバイアス』によって生じる影響
『ネガティビティバイアス』が生じることで、個々のケースにつながる、以下のような影響を及ぼすことになります。
◆ネガティブな情報を「反芻」してしまう
『ネガティビティバイアス』の影響を受けると、その否定的な情報を「反芻(はんすう)」する(思考を繰り返す)ようになってしまいます。
すると、影響を受けた個人の意思決定やそれに伴う行動に対して、遅延や躊躇などのネガティブな影響が及ぶ可能性が生じてしまうのです。
◆バッシングや炎上騒ぎに発展する
ほかにも、特にSNSといったソーシャルメディアで「ネガティブな情報」が拡散すると、『ネガティビティバイアス』の影響を受けたユーザーの関心を引き付けることにつながり、バッシングや炎上騒ぎに発展することも考えられます。
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