「WordPressの更新や保守を見直したい。EmDashに乗り換えると、運用はどう変わるの?」
まず確認したいのは、今のサイトで残したいものです。記事を取り込めても、予約や決済、デザインまで同じように動くとは限りません。
EmDashはCloudflareが公開するオープンソースのCMSです。CMSは、記事や画像を管理する仕組みのこと。2026年9月28日には1.0が公開されました。画面づくりにはAstroを使い、管理画面からコンテンツを編集できます。
ニュースや実績の下書きをAIに手伝ってもらい、担当者が確認して公開する。EmDashは、こうした更新の分担を組み立てたい会社で検討できるCMSです。
今回は、公式資料を確認しながら、移行を頼む前に整理しておきたい5項目を紹介します。
1.普段、何を更新しているか
更新するのは、お知らせ、実績紹介、ブログでしょうか。それとも、商品・在庫・予約枠・会員情報でしょうか。
次の2つは、判断方法を説明するための架空例です。
A社:会社案内と月数本のお知らせが中心。既存のデザインへのこだわりは少なく、担当者が文章と画像を更新できればよい。
B社:予約カレンダー、事前決済、会員向けページを毎日利用。現在のプラグインで売上や顧客対応を管理している。
A社は、まず代表的なお知らせ1本を試して、更新のしやすさを比べやすい構成です。B社は、予約から決済まで代替できるかを先に確認する必要があります。
「新しいCMSだから移る」より、今の運用で何を楽にしたいのかを一つ決めると、依頼先と話しやすくなります。
2.記事の取り込みと、画面・機能の再構築を分ける
EmDashには、WordPressから書き出したWXRというXMLファイルや、EmDash Exporterを使ってコンテンツを取り込む方法があります。
一方、WordPressのPHPテーマをそのまま読み込んで動かす仕組みではありません。見た目はAstro側で作り、WordPress用プラグインの機能も、対応する別の方法を検討します。
見積りでは、次の3つを分けて確認しましょう。
・データ:記事、固定ページ、分類、画像をどこまで移すか
・画面:標準テンプレートを使うか、現在の見た目を再現するか
・機能:フォーム、予約、決済、会員機能をどう用意するか
ページ作成プラグインや独自の入力欄を使っている場合は、その名前も伝えてください。同じ20ページでも、文章中心のサイトと、独自機能の多いサイトでは作業が変わります。
3.画像とURLまで確認する
WordPressのXMLを書き出すだけでは、画像ファイル本体をすべて保存したことにはなりません。画像の参照先と、実際の画像データを分けて確認し、別途バックアップも用意します。
記事の件数だけでなく、本文中の画像や過去記事へのリンクが移行先で開くかも確認が必要です。
URLが変わる場合は、「旧URL → 対応する新URL」の一覧を作ります。関係のないトップページへ一律に飛ばすのではなく、内容が対応するページを決めて転送します。検索用タイトル、正規URL、サイト内リンクも確認対象です。
Googleもサイト移転に際して、新サイトのテスト、URLの対応付け、転送、移転後の観測を案内しています。CMSを変えるだけで検索順位が上がるとはいえません。
4.公開前の確認と、戻し方を決める
本番の接続先をいきなり切り替えず、検証環境で代表的な記事とページを先に見比べます。
たとえば、次のように「完了したか判断できる条件」を決めます。
・長い見出しや表がある記事をスマートフォンで読める
・画像と内部リンクを移行先で開ける
・未公開の下書きが一般の訪問者には見えない
・必要な機能が、画面表示だけでなく最後の操作まで動く
・担当者が記事を編集し、プレビューを確認できる
移行中に旧サイトへ追加された記事や変更も、最後に照合します。「最初に取り込んだから、後の更新も全部同期される」とは考えないでください。
切り替え日時、更新を止める時間、問題が起きた場合の戻し方も事前に合意します。旧サイトとバックアップの保管期間を決め、移行確認前にサーバーを解約しないことが大切です。
5.移行後、誰が更新と保守をするか
EmDashはMCPという接続方式に対応しており、対応するAIツールから下書き作成や画像管理などを行えます。ただし、接続するツールと権限の設定が必要です。
運用を考えるなら、「AIに下書きを作ってもらい、担当者が確認して公開する」ところから決めると分かりやすくなります。AIが記事を操作できることと、AI検索で紹介されやすくなることは別です。
移行後も、EmDashや関連ソフトウェアの更新、バックアップ、権限の管理は続きます。Cloudflareで運用する場合は、サイトを動かすWorkers、データベースのD1、画像保存のR2などを使う構成があります。料金は利用する機能や使用量によるため、「ずっと無料」を前提にしないで見積もりましょう。
そのまま使える、移行相談メモ
【WordPressからの移行相談】
・現在のサイトURL:
・乗り換えたい理由:
・普段更新する内容と頻度:
・固定ページ/記事/画像のおおよその数:
・テーマと主なプラグイン:
・必ず残したい機能:
・今の見た目をどこまで残したいか:
・公開を切り替えたい時期:
・移行後に更新する担当者:
分からない欄は「不明」で構いません。まず、公開URLと「残したい機能」が分かると、確認すべき範囲を整理できます。
移行を検討中の方は、以下のサービスの「見積り相談」から上のメモを添えてご相談ください。サイトの構成を確認し、対応できる内容と作業範囲をすり合わせます。
確認した主な公式資料(2026年10月22日)
・Cloudflare Blog「EmDash 1.0: the stable CMS with a secure plugin registry」
・EmDash公式「Migrate from WordPress」「Content import」「Port a WordPress Theme」「Port WordPress Plugins」
・EmDash公式「AI Tools」「Deploy to Cloudflare」「Update EmDash」
・Google検索セントラル「How to move a site」