【シリーズ】行政書士は胃が痛い 第1話:鳴らない電話と、鳴りすぎる電話

【シリーズ】行政書士は胃が痛い 第1話:鳴らない電話と、鳴りすぎる電話

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コラム
街の片隅に事務所を構える行政書士、高橋(仮名)。開業して5年目、ようやく仕事も軌道に乗ってきた…と言いたいところだが、現実は甘くない。

午前中のデスクワークは、鳴らない電話との戦いだ。新規の依頼だろうか、それとも問い合わせだろうか。いや、そもそも事務所の存在を知ってもらえているのだろうか。そんな不安が、じわりと胃のあたりを重くする。

やっと昼食にありつき、コンビニのサンドイッチを頬張っていると、今度はけたたましく電話が鳴った。

「先生!例の件、どうなってるんですか!?期限、明日ですよね!?」

建設業許可の更新を依頼されている、少し気の短い社長からだった。もちろん、期限は把握しているし、書類も準備万端だ。しかし、電話口の焦りように、こちらも胃がキリッと痛む。

「はい、社長。ご安心ください。書類は全て整っておりますので、本日午後に提出いたします。」

丁寧に対応し、電話を切る。安堵のため息をつく間もなく、別のクライアントからの着信。今度は相続手続きの件だ。

「あの…やっぱり遺産分割協議書の内容、変更できませんかね…兄が納得しないみたいで…」

一度は合意したはずの内容。振り出しに戻るのか…? 高橋は、こめかみを抑えながら、再び胃に手を当てた。鳴らない電話も、鳴りすぎる電話も、どちらも行政書士の胃には優しくない。今日も一日、この痛みと付き合っていくしかないのだろうか。

(第2話へ続く)
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