甘え上手な人、我慢してしまう人。きょうだい構成で恋愛の仕方は変わる?

甘え上手な人、我慢してしまう人。きょうだい構成で恋愛の仕方は変わる?

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恋愛の仕方って、人によってどうしてこんなに違うんだろう。そう思ったことはありませんか?

好きなら素直に「会いたい」と言える人もいれば、相手の都合を考えて、言葉を飲み込んでしまう人もいます。

世話を焼くのは得意なのに、自分が甘えるのは苦手。反対に、頼ることは自然にできても、相手が我慢していることには気づきにくい。

たとえば、こんな二人の会話です。

「会いたい」って、普通に言える?

土曜の午後。買い物帰りのカフェで、私は向かいに座るエマに聞きました。

私:「ねえ、好きな人に『会いたい』って、普通に言える?」

エマ:「言えるよ。会いたいんだもん」

私:「相手が忙しかったら悪いな、とか思わない?」

エマ:「忙しかったら、別の日にしようってなるだけじゃない?」

エマは不思議そうに首をかしげて、ケーキにフォークを入れました。

大学時代からの友人で、恋にも素直なエマ。私はというと、たった一通のメッセージを送るのに、何度も書き直してしまいます。

私:「『会いたい』って打ってから、『最近忙しい?』に変えたりする」

エマ:「それだと、仕事の話して終わりそう」

私:「そう。『忙しいよ』って返ってきて、誘えなくなる」

エマ:「自分で入口を狭くしてるじゃん!」

思わず笑ったけれど、確かにその通りでした。

私:「でも、断られたら、ちょっとへこまない?」

エマ:「へこむよ。だから『じゃあ、いつなら会える?』って聞く」

私:「そこまで聞けるのがすごい」

エマ:「私は、聞かないまま待ってるほうが落ち着かないな」

私はカップを両手で包みました。

私:「私も本当は、会いたいって言ってほしいんだよね。向こうから誘ってくれたら、すごくうれしいし」

エマ:「でも、自分から言うのは?」

私:「……ちょっと勇気がいる」

エマ:「相手も同じこと考えてたら、二人とも家にいるね」

その光景が浮かんで、二人で吹き出しました。

エマ:「そういえば、あなた、ご飯に行くときも『何でもいいよ』って言うよね」

私:「エマが食べたいものでいいかなって」

エマ:「でも、この前パスタを食べたあと、『実はお寿司も迷ってた』って言ったじゃん。先に言ってよ。私、お寿司でもよかったのに」

私:「だって、もうパスタの気分かなと思って」

エマ:「私の気分、私より先に決めないでよ」

気を遣っているつもりでした。でも、希望を言わないことで、相手にわからないままになっていることもあるのかもしれません。

私:「こういう癖って、家でも出ていた気がする」

エマが、思い出したように顔を上げました。

エマ:「ねえ、知ってる? 長子と末っ子って、相性がいいっていう話があるんだって」

私:「そうなの?」

エマ:「辻ちゃんと杉浦太陽さんも、太陽さんが長男で、辻ちゃんが末っ子なんだって」

私:「ああ、太陽さん、よく支えてる感じがするね」

エマ:「面倒を見るのが自然な人と、素直に頼れる人って、噛み合うのかも」

私は少し考えました。

私:「でも、支える人だって、たまには甘えたいよね」

エマ:「うん。そこで『今日は私がやるよ』って言ってもらえたら、うれしいだろうね」

私:「じゃあ、中間子は? 一人っ子はどうなるの?」

恋愛の場面で見る、4タイプの大枠


前回は、星座から恋愛の仕方を見てみました。今回は、長子・中間子・末っ子・一人っ子という、きょうだいの中での立場に注目します。

中間子と一人っ子はどうなのか、まずは大枠から見てみましょう。研究の詳しい話は、後半で紹介します。
研究で報告された性質と、日常で語られるタイプ像を踏まえ、この記事では次の特徴を軸に考えます。

長子

性格の大枠
真面目で面倒見がよい反面、「こうしたい・こうあるべき」をしっかり持っているので譲りにくい。

恋愛で表れやすい姿として考えること
相手を支えたい。でも、自分のやり方は崩したくない。相手を気遣うからこそ、希望を出せず決められないことも。

中間子

性格の大枠
リードもサポートもできるが、自分の意見はあまり言わない。

恋愛で表れやすい姿として考えること
相手に合わせるのは得意。でも、自分が求める側になるタイミングを逃しやすい。

末っ子

性格の大枠
わがままな面もあるけれど、甘え上手で要領がいい。

恋愛で表れやすい姿として考えること
希望を伝え、相手の力を借りられる。その反面、相手の我慢を見落とすことも。

一人っ子

性格の大枠
マイペースで、自分の世界やこだわりを大切にする。

恋愛で表れやすい姿として考えること
好きな相手でも、自分のペースは保ちたい。二人で過ごす意味や楽しみを共有できるかが大切。

その違いは、恋愛では魅力になる? 不満になる?


性格の特徴が違えば、恋人同士の関わり方も変わってきそうです。
国内の調査には、実際に付き合った人の声も紹介されています。

長子×末っ子は「良い相性」でも「悪い相性」でも1位

LoveMA!が男女500人に尋ねた調査では、「相性が良いと思う組み合わせ」の1位は長子×末っ子でした。

よかったと答えた人は、**「面倒を見る側と、見てもらう側が噛み合う」「しっかりしていて頼れる」**と感じています。

ところが、同じ長子×末っ子が、「相性が悪いと思う組み合わせ」でも1位でした。
こちらでは、**「恋人というより母親のようになる」「指示されるように感じた」**という声が紹介されています。【5】

同じ世話好きと甘え上手でも、支え合いになれば心地よく、どちらかだけが背負うと不満になるのですね。

中間子同士と一人っ子同士にも、興味深い結果が

婚活サービス「ヒトオシ」の顔合わせ8,519組の集計では、次の結果が報告されています。【6】

初回の顔合わせ後、お互いが連絡先交換を希望する割合
最も高かった組み合わせ:中間子 × 中間子

顔合わせから実際に交際へ進む割合
最も高かった組み合わせ:一人っ子 × 一人っ子

この集計から、性格や成功の理由まではわかりません。
ただ、初めて会って話が合うことと、恋人になりたいと感じることでも、結果が違っていたのは面白いところです。

ここから先は、研究や調査に加え、きょうだい構成についてのタイプ別解説を恋愛場面に当てはめて考えます。以下の人物像や10通りの相性すべてが、研究で実証されているわけではありません。


有名人夫婦の姿から、支え合い方を見てみよう

長子×末っ子:杉浦太陽さん × 辻希美さん

「支える」と「頼る」が噛み合う関係をイメージさせるご夫婦です。

杉浦さんは本人インタビューで、辻さんの希望を尊重して支える姿勢や、料理を通して家族の力になれる喜びを語っています。同時に、辻さんを頼りになる存在として尊敬しているとも話しています。【A】

長子が何でも引き受け、末っ子がずっと甘えている。それだけではないところが印象的です。

支えを受け取って自分の力を発揮する。その姿が、支える側にも喜びや尊敬をもたらす。お互いの力を活かす関係として見ることができます。

ただ、長子側が何でも決めてくれるとは限りません。

相手を気遣うからこそ「何がしたいのかな」と考えて決められない。そこで末っ子側も決めてもらうのを待つと、「私ばかり相手のことを考えている」というわだかまりになることも。

頼るときにも希望を出す。そして、支えてくれる相手の希望も聞く。 そんなやり取りが、世話と甘えを一方通行にしないポイントです。

長子×長子:堺雅人さん × 菅野美穂さん


面倒見の良さで支え合う、リスペクトペアです。

堺さんも菅野さんも、弟がいる長子。報道では、仕事の時期を調整しながら育児を分担してきたと伝えられています。【B】

長子同士というと、頑固で主導権がぶつかる印象もあるかもしれません。一方で、相手の頑張りや責任を理解し、必要なときには自分が支える。その面倒見の良さは、協力する力にもなります。

ただ、二人とも自分なりの「こうしたい」が強いと、やり方の違いで譲れなくなることも。

役割を分け、任せたところは相手のやり方を尊重する。頑張るだけでなく、甘えることも覚える。

そんな関わり方が、長子同士の良さを活かしてくれそうです。

※有名人夫婦の例は公開エピソードをもとにした読み解きであり、出生順位が夫婦関係の原因だと示すものではありません。


あなたと相手は? 10通りのメリット・デメリット


ここまでのタイプの特徴と夫婦の例を踏まえて、10通りの組み合わせを見ていきます。自分と相手の組み合わせから読んでみてください。

① 長子 × 長子

しっかり者同士のリスペクトペア

メリット・惹かれ合うところ
真面目さや責任感が通じ、安心して任せ合える。 面倒見の良さでお互いを支えられる。

デメリット・ぶつかるところ
二人とも自分の「こう」が強く、譲れない。 弱音も隠しやすく、喧嘩すると冷戦になることも。

うまくいくコツ
役割を分け、任せた部分は相手のやり方を尊重する。どちらかが先に甘えてみる。

② 長子 × 中間子

リード役と調整役がはまるペア

メリット・惹かれ合うところ
頼られたい長子と、合わせ上手な中間子。 長子のマメさが特別感を与え、中間子の柔軟さが長子の緊張をほぐす。

デメリット・ぶつかるところ
長子は我慢し、中間子は波風を避けて本音を隠す。 長子の助言が「お説教」になると、中間子は窮屈になる。

うまくいくコツ
長子は決めつけず、中間子の希望を聞く。中間子も相手と違う意見を出す。

③ 長子 × 末っ子

世話好きと甘え上手の補完ペア

メリット・惹かれ合うところ
「頼られたい」と「頼りたい」が噛み合う。 長子は支える喜びを、末っ子は受け止めてもらえる安心を感じられる。

デメリット・ぶつかるところ
世話と甘えが固定され、親子のようになる。 長子が気遣って決められず、末っ子も決定を待つと、「私ばかり考えている」が溜まる。

うまくいくコツ
末っ子も希望を出し、長子の希望を聞く。支える側と頼る側を交代する。

④ 長子 × 一人っ子

面倒見と独自の世界観に惹かれるペア

メリット・惹かれ合うところ
長子の世話焼きを、一人っ子が心地よく受け取れる。 一人っ子のセンスやマイペースさは、長子にとって新鮮。

デメリット・ぶつかるところ
「どうして察してくれないの?」と「どうして口を出すの?」がぶつかる。 長子の我慢と、一人っ子のこだわりが理解されにくい。

うまくいくコツ
長子は黙って我慢せず要望を伝える。一人っ子は自分のルールだけでなく、二人のルールを作る。

⑤ 中間子 × 中間子

空気が読めるからこその遠慮ペア

メリット・惹かれ合うところ
お互いの立場を汲み、無理に押し切らない。 配慮が通じ合えば、自由で居心地のよい関係になる。

デメリット・ぶつかるところ
「何でもいいよ」が重なり、何も決まらない。 本音を言わないまま、相手も満足していると思い込むことも。

うまくいくコツ
選択肢を出し、決める役を交代する。「私はこうしたい」も一緒に伝える。

⑥ 中間子 × 末っ子

我慢しがちな甘えん坊と、素直な甘えん坊

メリット・惹かれ合うところ
中間子は求められることをうれしく感じ、末っ子は安心して甘えられる。 気楽で友達のような親しさも魅力。

デメリット・ぶつかるところ
中間子が我慢を溜め、突然シャッターを下ろす。 末っ子は受け入れてもらえていると思い、「私も甘えたい」に気づかない。

うまくいくコツ
末っ子は感謝や特別感を伝える。中間子は限界まで待たず、嫌なことも甘えたい気持ちも小出しにする。

⑦ 中間子 × 一人っ子

特別に見てほしい人と、自分の世界を持つ人

メリット・惹かれ合うところ
中間子が一人っ子の個性を受け止め、一人っ子のまっすぐな愛情が中間子を安心させる。

デメリット・ぶつかるところ
「察してほしい」と「言ってくれればいいのに」がすれ違う。 中間子が本音を隠すほど、一人っ子には壁に見える。

うまくいくコツ
中間子は遠慮や冗談で本音を隠さない。一人っ子は大切に思っていることを言葉で示す。

⑧ 末っ子 × 末っ子

楽しさと甘えを共有するペア

メリット・惹かれ合うところ
やりたいことや楽しみの方向が合うと、二人で盛り上がれる。 遠慮なく甘え合える親友のような関係に。

デメリット・ぶつかるところ
二人とも「誰かがやってくれる」を待ちやすい。 楽しみたい方向も違うと、「一人で好きにしたほうがいい」となりかねない。

うまくいくコツ
二人とも本当に楽しめることを共有する。予約や家事などは小さく分担する。

⑨ 末っ子 × 一人っ子

甘えたい気持ちとマイペースが交わるペア

メリット・惹かれ合うところ
自然体で楽しく過ごせる。 一途に愛情を向けてもらえると、末っ子も安心して自分を出せる。

デメリット・ぶつかるところ
二人ともリード待ちで、関係が進まない。 「構ってほしい」と「今は一人でいたい」のタイミングもずれやすい。

うまくいくコツ
誘いや希望は具体的に伝える。一人になりたいときも、次に話せる時間などの見通しを共有する。

⑩ 一人っ子 × 一人っ子

自分の世界を持つマイペース同士

メリット・惹かれ合うところ
大切にしたい価値観や将来の方向が合うと、それぞれの世界を保ちながらつながれる。

デメリット・ぶつかるところ
マイルールがぶつかり、接点も少ないと、「一人のほうが気楽では?」となる。 尊重するだけでは距離が縮まらないことも。

うまくいくコツ
一人の時間に加え、二人で何を楽しみ、どんな暮らしをしたいかを共有する。


生まれた順番で、性格の出方は違う?


ここまでの大枠や相性の根拠になっている研究を、ここで紹介します。

知りたいのは、それぞれにどんな性格の傾向があり、それが恋愛でどう表れるのかということ。

まずは、研究で報告された違いを見てみましょう。

長子は「自分を抑える」、末っ子は「甘える・頼る」

日本の依田・深津による研究では、9~14歳の二人きょうだいと母親を対象に、きょうだいの性格を比較しました。

そこで報告されたのは、次のような違いです。【1】

長子
穏やか、親切、自分を抑えられる

第二子=二人きょうだいの末っ子
明るい、甘える、人に頼る

この研究では、長子は落ち着いて自分を抑える面、末っ子は明るく人に甘えたり頼ったりする面が目立った、ということです。

恋愛の場面で考えると、「相手のために自分が引き受ける人」と「素直に助けてと言える人」の違いを考える手がかりになります。

ただし、この研究が調べたのは子どもの性格です。「だから大人の恋愛でも必ずこうなる」と証明したものではありません。

中間子は「相手と折り合う」傾向

AshtonとLeeは、約71万人と、別の約7万5千人の性格を分析しました。

その研究では、中間子は「正直さ・謙虚さ」と「協調性」が高い傾向でした。きょうだいの人数をそろえると差は小さくなりましたが、生まれ順や人数と性格の関連が報告されています。【2】

ここでいう協調性には、次のような性質が含まれます。【3】

相手の欠点を厳しく責めない。
自分の考えだけを押し通さず、妥協できる。
言い争いを避け、相手の提案に合わせられる。
すぐには腹を立てず、穏やかに対応する。

つまり、中間子には「自分の主張を押し通すより、相手と折り合いをつける」という性格の傾向が見られたのです。

この合わせる力は、恋愛でも相手を受け止める良さとして考えられます。

その一方で、「本当はどうしたいの?」と聞かれないまま、自分の希望を後回しにしてしまうことはないでしょうか。これは研究結果そのものではなく、協調性という特徴から、この記事で考えてみたい点です。

一人っ子の「自分の世界」は?

同じAshtonとLeeの研究では、一人っ子は、きょうだいがいる人に比べて「経験への開放性」がやや高い傾向でした。【2】

開放性とは、知的な好奇心や想像力、芸術への関心、変わった考えにも興味を持つ性質などを指します。【3】

一人っ子については、「マイペース」そのものが確認されたというより、自分の興味や感性を広げる性格に違いが見られた、と捉えるのが正確です。

ここから恋愛を考えるときには、相手の趣味やこだわりをどう楽しみ、二人の時間とどう両立するかに注目してみます。

ここまでの性格研究をまとめると
長子:穏やかで親切、自分を抑える傾向。
中間子:相手を受け止め、折り合いをつける傾向。
末っ子:明るく、人に甘えたり頼ったりする傾向。
一人っ子:好奇心や感性に関わる「開放性」がやや高い傾向。

これが、ここで紹介した研究から見える違いです。

ただし、出生順位による性格の差を確認できなかった大規模研究もあります。【4】 きょうだい構成は、一人の性格を決める答えではなく、自分や相手の特徴を考える一つの手がかりとして見ていきましょう。

私も、自分の気持ちを伝えるところから

私も、相手のことを考えるあまり、自分の希望を言わずに待ってしまうことがあります。

「会いたい」と言ってもらえたらうれしいのに、自分から伝えるのはためらってしまう。でも、言わないままでは、相手にはわからないんですよね。

面倒見の良さも、合わせられる柔軟さも、素直に甘える力も、自分の世界を大切にすることも、それぞれの魅力です。

ただ、その良さが行きすぎると、口出し、我慢、任せきり、すれ違いになることもあります。

大切なのは、相性の正解を探すことより、お互いの良さと、無意識に出やすい偏りを知っておくこと。

いつも支えてくれる人にも、甘えたい日がある。合わせてくれる人にも、譲れない希望がある。

私もまずは、「何でもいいよ」の前に、「私はこうしたい」を一つ伝えるところから始めてみようと思います。


本文の出典:
- 【1】 依田・深津(1963)「出生順位と性格」。cir.nii.ac.jp
- 【2】 Ashton・Lee:出生順位、きょうだい人数と性格特性の研究。pmc.ncbi.nlm.nih.gov
- 【3】 HEXACO開発者による性格尺度の定義。www.hexaco.org
- 【4】 Rohrerほか(2015)の出生順位と性格の研究。pmc.ncbi.nlm.nih.gov
- 【5】 LoveMA!・男女500人の相性意識調査。prtimes.jp
- 【6】 恋愛婚活ラボ・ヒトオシの顔合わせ8,519組の集計。prtimes.jp
- 【A】 『STORY』杉浦太陽さん本人インタビュー。storyweb.jp
- 【B】 堺さん・菅野さんのきょうだい構成と育児分担に関する報道。





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