恋愛の仕方がわからない。相手との距離をどう縮めたらいいのか、どうすれば安心して人を愛せるのか、わからなくなる。そんなこと、ありませんか?
たとえば、こんな会話をしている二人がいるかもしれません
相談室のテーブルには、結婚相談所のパンフレットとお茶が置かれていました。私はパンフレットの端を指でなぞりながら、少し迷ってから話し始めました。
相談員:今日は、どんなことを相談したいですか?
私:結婚したい気持ちはあるんですが、これまでの恋愛を考えると、このままでいいのかなと思っていて……。一人暮らしを始めてから寂しくて、出会った人とすぐ深い関係になってしまうことがあるんです。こんな私でも結婚できるんでしょうか。
相談員:そう思うようになったのは、一人暮らしを始めてからですか?
私:はい。家族と暮らしていたときは、そんなことはまったくありませんでした。帰れば誰かいるし、何となく話もできたので。
相談員:一人で過ごす時間が増えたんですね。寂しいなと思うのは、どんなときですか?
私:仕事から帰ったときとか、休みの日です。誰かに会いたくなります。
相談員:会っている間はどうですか?
私:楽しいし、寂しくないです。でも、この人とこの先も一緒にいられるのかなって考えると、急に不安になって……。
私はカップに手を伸ばしかけて、やめました。
相談員:その不安が出てくると、どうしますか?
私:早く距離を縮めてしまうんだと思います。関係が深くなったら、もう少し安心できるかなって。
相談員:距離が縮まったときは、安心できますか?
私:そのときは少し。でも、あとから連絡が減ったりすると、また気になってしまいます。
相談員:近づけたら安心できると思うけれど、その安心は長く続かないんですね。
私:そうですね。会っているときはいいんですけど、次に会うまでの間に、相手がどう思っているのかなって考えてしまって。
相談員は少し間を置いてから、尋ねました。
相談員:もしかしたら、寂しさを埋めたいだけでなく、相手との関係の中で安心したい気持ちもあるのかな。どうでしょう?
私:安心……。そう言われると、そうなのかもしれません。でも、まだ自分でもよくわからないです。
この記事で考えること
この人が求めているのは、相手との距離を早く縮めることだけなのでしょうか。それとも、関係が続いていく安心なのでしょうか。
ここでは、アドラー心理学の「共同体感覚」と、西洋占星術の月星座を手がかりに、自分が本当に望んでいる愛のかたちを考えてみます。
・アドラー心理学の「共同体感覚」と恋愛のつながり
・月星座から考える、自分が安心しやすい関わり方
・相手との距離を急ぎたくなるとき、自分が望んでいる関係
アドラー心理学の「共同体感覚」と恋愛
アドラー心理学でいう共同体感覚は、自分が人々の中にいる一人だと感じ、他者を競争相手ではなく仲間として捉え、協力して生きていく感覚です。相手に好かれるために自分を合わせたり、一方的に尽くしたりすることとは少し違います。
恋愛に置き換えるなら、「相手に選ばれるか」「相手から愛されているか」だけでなく、二人でどんな関係をつくりたいかを考えることです。
たとえば、相手の気持ちを想像するだけでなく、自分の希望も伝えられるか。相手のペースを大切にしながら、自分が心地よいペースも話し合えるか。大事なのは、どちらかが我慢するのではなく、二人が納得できる形を一緒に探すことです。
相談に来た人は、相手と深い関係になったとき、そのときは少し安心していました。でも、その後も関係が続くかどうかが気になっていました。距離が縮まることと、二人の関係に安心できることは、同じではありません。
「私はこの関係をどうしたいのか」「二人でどうしたいのか」。自分の気持ちと相手の気持ちを確かめながら、二人で関係をつくっていくこと。それが、安心につながる一つの道です。
月星座から、自分の「安心の条件」を考える
西洋占星術では、月星座を感情の動きや、心が落ち着きやすい状態を考える手がかりとして読みます。月星座ごとに、安心を感じやすい条件や、気持ちが揺れたときに表れやすい反応が異なると考えられています。
もちろん、この相談者の出生情報はわからないため、実際の月星座は判断できません。ここでは仮に、月天秤座だったらどう読めるかを考えてみます。
もし月天秤座だったら
月天秤座は、相手の反応や人とのバランスを意識しやすい星座です。調和の取れた関係や、お互いに心地よい距離感の中で安心しやすいと言われています。一方で、相手の目が気になって、関係を保とうと自分の気持ちを抑えてしまうこともあります。
この相談者を月天秤座の例として読むなら、相手の気持ちを気にするあまり、自分が本当はどうしたいのかを後回しにしていないか、という問いが浮かびます。
「早く距離を縮めれば、関係が安定する」と思って、つい急いでしまうこともあります。でも、心地よい関係をつくるには、相手に合わせるだけでなく、自分の希望も伝えて、二人で距離やペースを調整していく。そこが分かれ道になります。
「月天秤座だから恋愛を急ぐ」という話ではなく、安心できる関係を考えるための一つの仮説です。
12星座別・月星座で見る、安心につながるヒント
ここでは「どんなときに心が落ち着きやすいか」という視点で、月星座を短く紹介します。占星術の解釈は一つに決まるものではありません。自分の月星座を読むときのヒントとして見てください。
月牡羊座:自分の気持ちを率直に表し、自分から行動できると落ち着く。
月牡牛座:慣れた環境や心地よい生活、五感が満たされる時間が安心につながりやすい。
月双子座:会話や新しい情報、人との軽やかな交流で気持ちが動き出す。
月蟹座:気持ちを受け止めてもらい、親しい人と心を通わせることで安心しやすい。
月獅子座:自分らしさを表現し、喜びや努力を認めてもらえると心が満たされやすい。
月乙女座:身の回りを整えたり、具体的に人の役に立てたりすると落ち着く。
月天秤座:互いを尊重し、心地よい距離を保てる調和的な関係で安定しやすい。
月蠍座:大切なことに深く向き合い、表面的でないつながりを感じると心が落ち着きやすい。
月射手座:自由に視野を広げ、学びや新しい経験を通じて自分の世界を感じられると元気が戻ってくる。
月山羊座:見通しや秩序のある環境で、自分の役割を果たせると安心しやすい。
月水瓶座:自分らしさや自由を保ち、理解し合える仲間とつながれると落ち着きやすい。
月魚座:大切な人と気持ちを共有し、共感や優しさを感じられると心が満たされる。
私が本当に求めていた愛のかたち
誰かのぬくもりがほしくなることや、早く親しくなりたいと思うこと自体を、責める必要はありません。大切なのは、自分がその行動を通して何を求めているのか、そして相手とどんな関係を築きたいのかを考えることです。
誰かに会いたくなったとき、相手との距離を急いで縮めたくなったとき、自分にこう問いかけてみてください。
私は、この人とどんな関係をつくりたい?
相手に合わせるだけでなく、自分の希望も伝えられている?
二人がちょうどいい距離やペースを、相手と話し合えそう?
アドラー心理学の共同体感覚は、「二人でどうしたいか」を考える視点をくれます。月星座は、自分がどんな関わりの中で安心しやすいのかを見つめる手がかりになります。
相手に選ばれることだけを願うのではなく、自分も相手を知り、自分の希望を伝え、二人で関係を育てていく。そうして考えていくうちに、あなたが本当に求めていた愛のかたちが、少しずつ見えてきます。
ひとりで考えていると、同じところをぐるぐる回ってしまうことがあります。
もし迷ったときは、相談できる味方がここにいます。気持ちの整理だけでも大丈夫なので、お気軽にご相談くださいね。