夏は冷たい紅茶がおいしいですね。アイスティーがおいしく作れる方法と、アイスティーに向いた紅茶(紅茶は産地によって風味が異なるので、産地別)を紹介します。
アイスティーの入れ方3種類
急冷法(オンザロック)
氷に熱くて濃い紅茶を注いで冷やして、そのまま飲む方法です。紅茶の味がしっかり出ます。紅茶をいれる時に使うポットやカップを、あらかじめ温めておくのがポイントです。
普通に飲む紅茶の、1/2の量の熱湯で紅茶をいれます。茶葉2~3gに熱湯70mlが目安です(ティーバッグなら1つで70mlほど、たくさん飲みたいなら2つ使って150mlほど注ぐ)。フタをして3分蒸らし、できた紅茶液を氷を詰めたグラスの氷に当てるように注ぎます。注いだ後、すぐによく混ぜるのがコツです。
この方法だと、温度が下がって紅茶に溶けきれなくなったタンニンが出て紅茶が濁る「クリームダウン」という現象が起きることが多いです。しかし、これは氷に注ぐ前の紅茶液に、砂糖をほんの少し加えておくと防げます。
ダブルクーリング法
氷に熱くて濃い紅茶を注ぎ、よく混ぜて冷やしてから氷を取り除く方法です。常温で半日ほど保存できるので、アイスティーをたくさん作って少しずつ飲みたいときに向きます。これも、紅茶をいれる時に使うポットやカップをあらかじめ温めておくのがポイントです。
オンザロック方式で紅茶を入れ、氷に注いでよく冷やします。冷やす用に使った氷を取り除くか、氷を漉して紅茶を別の容器に移せば完成です。飲むときに改めて氷を入れます。しかし、常温で飲んでもおいしいので、熱い紅茶を飲みたくないけれど冷えすぎた飲み物も飲みたくない、という時にも良いです。
半日ほど常温保存ができますが、できた紅茶を冷蔵庫で保存すると、クリームダウンが起きやすいので、やめておきましょう。
水出し法
麦茶に使うようなボトルに水と紅茶を入れて、しばらく置いて作るやり方です。すっきりごくごく飲める紅茶ができますが、コクや渋みは控えめになります。
ボトルに水を入れ、水1lにつき茶葉10g(ティーバッグなら4~5個)を入れます。お茶パック(出汁パック)に茶葉を詰めて水に入れると茶葉を取り除くのが楽です。ボトルを冷蔵庫に入れて3~4時間待てば完成です。
熱湯で殺菌をしないで作る紅茶なので、作って1日で飲み切るべきです。あらかじめ冷やした水で作ったり、氷を入れた水に茶葉を浸して冷蔵庫に入れて作ったりすると、よりすっきりした味わいが楽しめます。
アイスティー向けの産地別紅茶紹介
ニルギリ
インドの紅茶です。クセや渋みが少なくて飲みやすく、柑橘系の果物や小さな花を思わせる香りがします。果物と相性がいいので、アイスレモンティーや果物のアレンジティーなどもおすすめです。
ディンブラ
スリランカ(セイロン)の紅茶です。旬のものは、バラを思わせる芳醇な香りです。コク・渋みのバランスが取れていて、いかにも紅茶らしい紅茶とされています。味わいながら飲むアイスティーにも、気軽に飲むアイスティーにもいい、オールマイティーな紅茶です。
キャンディ
これもスリランカの紅茶です。香りは良いですが穏やかな香りで、味にクセがないので飲みやすい紅茶ができます。ごくごく飲みたいアイスティーを作るのにおすすめです。
ヌワラエリヤ
スリランカ高地の紅茶です。草原の風のような青っぽさと、花のような香りがあり、すっきりした渋みの紅茶です。温度が低い場所で作られるので、発酵が浅く、煎茶に通じる味わいがあります。
ダージリン(ファースト、セカンド)
インドの紅茶です。春に茶葉を摘んで作ったのがダージリンファーストフラッシュ、夏に茶葉を摘んで作ったのがダージリンセカンドフラッシュです。ファーストは渋みが強いですが華やかな香りで、セカンドは香り高く、ファーストよりもさらに円熟した味わいがあります。
ダージリンセカンドフラッシュは、マスカットを思わせるマスカテルフレーバーでよく知られ、紅茶のシャンパンとも呼ばれます。しかし実際には、ダージリンにある茶園によって香りはさまざまで、果物を思わせる香りだったり花を思わせる香りだったりします。
ネパール
一般にはあまり知られていませんが、ネパールでも紅茶が作られています。ダージリンと気候が似たヒマラヤの高地で作るので、ダージリンと性格が似た紅茶ができます。やはり花や果実を思わせる香りの、清冽な味わいの紅茶が主です。
まとめ・補足
アイスティーの入れ方3種と、アイスティーに合う産地別紅茶を紹介しました。普段紅茶を飲まない方は、クセや渋みが少ないニルギリやキャンディを試してみてほしいですが、手に入りやすく飲みやすい味わいの紅茶としては、セイロンティーのブレンドが一番かもしれません。
アイスティーには、アールグレイなどのフレーバードティー(香りをつけた紅茶)もおすすめです。果物や花のフレーバーティーなら、大体アイスティーに向くので、いろいろ試してみてください。