出欠の返事が、まだ書けないまま

出欠の返事が、まだ書けないまま

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十月の終わりになると、朝の空気がひとつ低くなります。金木犀の香りはもう薄れて、代わりに銀杏や桜の葉が足もとで乾いた音を立てています。暦の上では霜降を過ぎ、土の中の時間がゆっくりと入れ替わる頃です。草木は枯れていくように見えますが、実際には来年の芽を内側に抱えたまま、外へ出す力を一度ひっこめているだけです。

この時期になると、懐かしい名前が並んだ案内が届くことがあります。同窓会、法事のあとの集まり、昔の職場の顔合わせといったものです。開いた瞬間に心が浮き立つ方もいますし、画面を閉じてそのまま何日も置いてしまう方もいます。私のところへ届くご相談でも、秋から冬にかけては「行くか行かないかを決められない」という声が増えます。

波動を見ていますと、迷っておられる方の多くは、人に会いたくないわけではありません。会いたい気持ちはちゃんとあって、ただ「どの自分で席に座るのか」が決まっていないのです。今の暮らしを一言で説明できる状態ではないのかもしれません。うまくいっていない部分に触れられたくないのかもしれません。昔の呼び名で呼ばれると、当時の自分に引き戻されそうな心細さが動くのかもしれません。そうした予感が、返事の手を止めています。

決めかねているときに私がよくお伝えするのは、案内を読んだ直後の体の感じを思い出していただくことです。胸のあたりがふっと温かくなったのか、それとも肩や喉が詰まったのか、できるだけそのまま拾ってみます。頭で組み立てた理由よりも、最初の半秒のほうが正直なことが多いです。そのうえで、会場ではなく帰り道を想像してみます。帰りの電車の中で、行ってよかったと感じている自分が浮かぶのか、ひとりになってから疲れだけが残っているのか、静かに思い描いてみます。

行くか行かないかの二択で苦しいときは、間をつくってかまいません。一次会だけで帰る、幹事に挨拶をして早めに出る、全体には出ずに会いたい方と別の日にお茶を飲む、といった形もあります。義理を欠くようで気が重く感じられるかもしれませんが、顔を出す量と気持ちの近さは別のものです。

反対に、気が進まないのに行こうとしている場合は、理由を一度確かめてみます。「報告できる何かがないと行けない」という前提が隠れていることがあります。そこで比べている相手は、たいてい他の誰かではなく、当時の自分です。会う前に自分を整えておく必要は、本当はありません。

期限の日が来ても答えが出ないままでしたら、今の自分にとって軽いほうを選んで差し支えありません。一度断ったことで、その縁が終わってしまうわけではありません。季節がひと巡りしたあとに、また別の形で声がかかることもあります。今年の秋は内側に芽を抱えておく時期なのだと決めても、何も欠けません。

ご自身の中にある答えの向きを一緒に確かめてみたいときは、よろしければプロフィールページをのぞいてみてください。
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