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音声・音楽
中学のときにサティ「ジムノペディ第1番」とシューベルト「さすらい人幻想曲」を金管アンサンブル用に編曲したこと
記事
音声・音楽
アムールトラ
2022/07/03 16:45
私は中学に入って吹奏楽部に入り、フルートを始めて、すぐにさまざまな管楽器の楽譜の書きかた、移調読みの仕方などを自然にマスターしました。私に「楽譜を書く」という特技があることを知った先輩や同輩や後輩から、しばしば編曲の依頼が来ました。そのうち、覚えている2つの出来事を書きます。
いずれも吹奏楽のアンサンブルコンテストのための金管アンサンブル用の編曲の依頼でした。
1つ目は、先輩からの依頼でした。サティの「ジムノペディ第1番」というピアノ曲を、金管五重奏用に編曲して欲しいと言われたのです。お引き受けしました。(この曲はかなり有名です。曲名をご存じないかたも、お聴きになれば「知っている」とお思いになると思います。)私には「採譜(すなわち耳コピ)の能力があり、およそほとんどの音楽は、耳にしただけで、メロディ、ベースライン、和音、すべて聴き取れておりまして、その気になれば、すべて書き起こせます。この曲も問題なく完コピできるのですが、楽譜から編曲をした記憶があります(母がピアノ教師であり、自宅に原曲の楽譜がありました)。テンポのゆっくりした曲であり、また、トランペットに異様に高い音を静かに吹くことを要求する編曲になってしまいましたが、それはそのパートを吹く先輩がとてもうまく「吹けるだろう」という前提で編曲したわけです。いま考えればかなり「コンクール向きとは言えない(難しいわりに演奏効果の高くない)曲であり、本番は(私は演奏者ではないのに担任に申し出たら「公欠」を認められて同行しました)先輩がたはかなりうまく演奏したのに、入賞できませんでした。私が「これは審査員が先輩がたのうまさを理解できていないのでは」と言ったら先輩がたは「そうだそうだ」と言っていました。この件は以上です。
2つ目です。その1年後くらいに、同輩から、「トランペット3本と、ユーフォニアム、トロンボーン、テューバという6人のために、コンクール用になにか編曲してもらいたい」というご希望がありました。ユーフォニアムでなくホルンだったかもしれません。とにかくかなり特殊な編成でした。これは私が自分で選曲しました。シューベルトのピアノ曲「さすらい人幻想曲」の第4楽章(というのでしょうか。4つの部分に分かれたこの曲の最後の部分)でした。この曲も、なにしろすべて耳だけで聴き取れているものですから、その気になれば完コピができます。しかし、結局、楽譜から編曲したと思いますが(やはり母が楽譜を持っていたからです)、そもそも耳で聴いて「この曲は、上が3声、下が3声でできているな。この編成にぴったりだな」と思ったからこの曲をその金管六重奏用に編曲する気になったのです。リストによるピアノとオーケストラ用に編曲されたバージョンのカセットテープが家にあったこともこの選曲を後押ししました(当時はインターネットのない時代です。そう簡単に音楽は聴けません。情報も手に入りません)。リスト版の楽譜はもちろん持っていません(いまだにリスト版の楽譜は見たことはないと思います)。
実際に編曲の作業をすすめていきますと、やはり非常にその編成に適した曲でした。リスト編の要素も含ませながら編曲作業を完了し、彼らはコンクールに臨みました。顧問だった音楽の先生は「彼はそのうちオオモノになるから、いまのうちにサインをもらっておいたほうがいいよ」を言っていました(ごめんなさいね、オオモノになっていなくて。笑)。
このときは「公欠」が認められず、本番は聴いていないと思います。成績も覚えていません。ただ、そのときトランペットを吹いたある同級生が「審査員が、編成がいいって言っていたよ」と言っていました。そのときの私は純粋に「そうか。編成がいいのか。確かに、トランペット3本の室内楽は珍しいものなあ」と思ったものです。しかし、ずっとのちにこの話を思い出すと、おそらくそういう意味ではなく、彼女は「
編曲
がよかったと言っていたよ」と言いたかったのでしょう。たしかにあのシューベルトのピアノ曲を金管アンサンブルに編曲する(そしてそれで成功する)というのは、「とんでもない発想」であったと言えるかもしれません。そして、その審査員は、その編曲者が、まさか「同輩の中学生」であったとは思わなかったでしょう。(さらにいま思えば、そのときの、ある地方都市での中学の吹奏楽の室内楽コンクールの審査員で、私より音楽の才能があった人物がいたとは思えない、ということも言えると思います。)
これはいまから30年以上も前の話です。思い出したので書いてみました。いまでもこの才能は衰えていないと思います。むしろ経験が豊富になって、もっと得意になっている可能性のほうが高いと思います。
#採譜
#編曲
#中学時代
#シューベルト
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