未経験IT転職は「インフラ」が狙い目?|5職種の比較と転職3ステップ
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IT・テクノロジー
現役エンジニア × 国家資格キャリアコンサルタントの yoshi_career です。日系企業から外資系IT企業に移り、いまも現場でエンジニアとして働いています。福岡在住です。
「未経験からIT業界に転職したいけど、何から始めればいいかわからない」
そんな悩みを抱えていませんか。この記事では、IT業界の5つの主要職種を比較し、未経験者が最初に目指しやすい職種、そして転職活動の具体的な3ステップを解説します。
IT業界が未経験者を採用する3つの理由
① 深刻な人材不足
経済産業省の「IT人材需給に関する調査(2019年)」によると、IT需要の伸びが今後も続いた場合、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると試算されています。
この構造的な人手不足により、経験者(即戦力)の採用難易度は年々上昇しています。その結果、多くの企業が「未経験者を採用して自社で育てる」という戦略へ舵を切り始めました。
特にSIerを中心としたIT企業では、中途採用でも未経験者の門戸を広げ、入社後に数ヶ月間の専門研修を実施してエンジニアへ育成するケースが増えています。
② 「ポテンシャル採用」の文化
IT業界にはポテンシャル採用という文化があります。特に20代の採用において、「現時点でどれだけ技術力があるか」よりも、「新しい技術を学び続ける素養があるか」「チームで成果を出せるか」を重視する求人も少なくありません。
未経験IT転職とは少し話が異なりますが、私が1社目の日系SIerから外資ITベンダーへ転職した際も、技術的なバックグラウンドより今後の伸びしろを評価して採用してもらいました。
面接官が繰り返し聞いてきたのは、「なぜ転職に至ったのか」「なぜ志望企業で働きたいのか」「壁にぶつかった時、どう乗り越えるか」「転職後にどのようなキャリアアップをしたいのか」という、思考プロセスと熱意だけでした。
プログラミング言語やツールの使い方は、入社後の研修で教え込むことができます。しかし、仕事に向き合う姿勢やポテンシャルは、本人がこれまでにやってきた業務から醸成されるものです。「技術は後からついてくるが、マインドセットは変えられない」。多くの企業が研修制度を用意してまで未経験者を採用しているのは、そのためです。
③ 多様なキャリアパスがある
IT業界には、技術職だけでなく営業・事務・サポートなど多様な職種があります。文系出身者も多数活躍しており、プログラミングができなくても活躍できる領域は広いです。
私が過去に所属した企業では、前職が美容師や非IT系営業職の方など、多岐にわたるバックグラウンドの方がいらっしゃいました。むしろ非IT系のバックグラウンドを活かして活躍している方が多かったという印象があります。
前職の経験がまったく生きないということはありません。これまでの経験をどう活かせるかを言語化することで、強いアピールになります。
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IT業界の5つの職種を比較
【職種1】システムエンジニア(SE)
顧客の要望をヒアリングし、システムの設計・開発を行う仕事です。プログラミングよりも設計・管理がメインで、ゆくゆくはプロジェクトマネジメントにステップアップすることが多いです。
未経験からの難易度:★★★★★(高)
SIerの未経験採用の求人は多くありません。まったくないわけではありませんが、相当にポテンシャルがうかがえる経歴の方を対象としている場合が多く、狭き門です。
【職種2】開発エンジニア
Webサービスや業務システム、アプリケーションの設計・開発を行います。フロントエンドやバックエンドなど担当領域は分かれますが、いずれも「コードを書くこと」が中心です。
未経験からの難易度:★★★★☆(普通)
プログラミングの基礎学習が必須で、論理的思考力やエラーを粘り強く解決する力が求められます。ただし学習環境や教材は豊富で、未経験向け研修を用意している企業も多いため、継続的に学習できる人であればキャッチアップ可能です。成果が目に見えやすく、スキルがそのまま市場価値に直結する職種でもあります。
キャリアパス:テスター → プログラマー → システムエンジニア → テックリード/プロジェクトマネージャー
開発エンジニアの初案件としてテスターから始めることはよくあります。テスターはロースキル案件と誤認されがちですが、人のコードを読む機会もあり、案件によっては修正まで行うので経験になります。重要なのは「言われた通りに作る」段階で止まらず、設計や仕様策定まで踏み込めるエンジニアを目指すことです。
【職種3】インフラエンジニア(運用監視)
サーバー、ネットワーク、クラウドの構築・運用を行います。特に運用監視は、システムが正常に動いているかを24時間体制で監視し、異常があれば対応する仕事です。
未経験からの難易度:★★★☆☆(普通)
運用監視は求人数が多く、プログラミングスキルも基本的に不要です。開発もインフラも就業後の継続学習が必要な点は同じですが、インフラは高度な論理的思考力よりも「知識の習得」に依存する部分が多いため、未経験でも努力量でカバーしやすい領域と言えます。夜勤がある場合が多いですが、その分手当が充実しています。
キャリアパス:運用監視 → サーバー構築 → ネットワーク設計 → クラウドアーキテクト
重要なのは、運用監視で満足せず、設計構築へのステップアップを意識することです。
【職種4】QA(品質保証)エンジニア / テスター
ソフトウェアやシステムのテスト・品質チェックを行います。バグを発見し、品質を保証する役割です。
未経験からの難易度:★★☆☆☆(易しい)
プログラミング不要の案件も多く、未経験者の入り口として人気です。
誤解のないように書いておくと、QAエンジニアは本来、非常にスキルを必要とされる職種です。ここで書いているのは未経験転職の入り口としてのテスター求人の話です。
注意が必要なのは、スキルアップできる会社かどうかです。単なるテスト要員ではなく、テスト計画などを作成するテストエンジニアとしてのキャリアパスが用意されているかが重要です。またテストエンジニアはコスト部門に分類されるため、給与レンジも他のエンジニアと比較して低めに設定されています。
【職種5】ヘルプデスク / ITサポート
社内・社外のIT関連の問い合わせ対応を行います。PCトラブル、ソフトウェアの使い方のサポートが中心です。
未経験からの難易度:★☆☆☆☆(最も易しい)
注意点:ヘルプデスクは入りやすい反面、その後のキャリアアップが限定的になりがちです。技術スキルが身につきにくく、年収の伸びも緩やかです。業務が単調になりがちで、モチベーションの維持が難しくなります。
より技術的な業務をしたいのであれば、担当製品のフィールドエンジニアなど、職種転向も視野に入れてキャリアプランを作る必要があります。
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未経験者におすすめな職種は「インフラエンジニア(運用監視)」
職種選定に迷っている方におすすめするのは、インフラエンジニアです。
理由1:採用ハードルが高くなく、技術が身につく
運用監視はプログラミングスキル不要で始められ、研修制度が充実している企業が多いです。
ただし注意点があります。運用監視のみを長期的にやるとキャリアアップが難しいという点です。転職先の企業が設計構築の案件を持っているのか、持っていない場合は何年で次の企業に移るのかなど、戦略的なキャリア選択が必要になります。
もうひとつ。「基本的なPC操作ができれば応募可能」と書きましたが、応募可能と合格可能は異なります。 近年では運用監視の募集であっても、現在IT系の学習を実施しているかなど、やる気の面でしっかり選考されます。PCが触れたら誰でもいいわけではありません。
理由2:キャリアアップの道筋が明確
まずは運用監視を2〜3年経験した後、設計構築できる案件に入るのが良い流れです。インフラの設計構築はスキルが必要ですが、運用監視しているシステムの全体像をキャッチアップしていれば、1〜3年以内に設計構築に携われる可能性はあります。とにかく設計構築の案件に入ることが重要です。
設計構築エンジニアとして3〜5年スキルを積み、可能であればクラウドに触れておく。その次は大手SIer、大手事業会社のインフラチーム、または特定製品のベンダーを目指す。こうした選択肢が開けます。
この道筋を進むことで、年収も上がっていきます。経験3年で500〜600万円、5年で600〜800万円も視野に入ります。
一方、ヘルプデスクや運用監視のみの経験では技術スキルが身につきにくく、年収の伸びが限定的です。
理由3:需要が高い
クラウド化が進む現在でも、インフラエンジニアの需要は高い状態が続いています。むしろAWSやAzureなどのクラウド技術を扱えるインフラエンジニアは不足しています。
運用監視で基礎を学び、その後クラウド資格を取得すれば、市場価値が高まります。また特定製品に強くなれば、その製品をメインとするコンサルティング会社や製品の発行元ベンダーに転職できる可能性もあります。転職で企業規模を大きくし、着実に年収を上げる方法は再現性が高いです。
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未経験からIT業界に転職する3ステップ
STEP1:資格と学習で「学んでいる証拠」を作る
資格・基本情報技術者試験(国家資格。ITの基礎理論からアルゴリズムまで幅広く学べる)・クラウド資格(AWS Certified Cloud Practitioner、Azure Fundamentals など)・ベンダー資格(Linux、Oracle、Cisco など。志望職種に合わせて1つ)
手を動かす
知識だけでなく「実際に触った経験」を作ります。プログラミング学習サイト、動画学習サービス、各クラウドベンダーの公式無料教材などが利用できます。・開発志向なら:HTML / CSS / JavaScript / Python などの基礎実装・インフラ志向なら:Linux操作、クラウド環境構築のハンズオン
ポートフォリオ
学習の集大成として成果物を形にします。ここまでできると理想ですが、時間がかかるので必須ではありません。・開発エンジニアの場合:簡単なWebアプリ、ソースコードの公開、使用技術と工夫点をまとめた説明・インフラエンジニアの場合:クラウド構成図、構築手順をまとめた記録
大切なのは「完璧な作品」ではありません。 何を学び、どう作り、どこでつまずき、どう解決したかを自分の言葉で説明できることです。
STEP2:履歴書・職務経歴書を作成する
「なぜIT業界なのか」を明確にすることが重要です。
特に、自分にしか語れない志望理由が必要です。きれいな理由は必要ありません。
多くの方が陥りがちな失敗ですが、「社会のため」「必要不可欠な仕事」「手に職をつけたい」など、主語を誰にしても通用する理由はあまり響きません。 どんなに小さな個人的なエピソードでも構わないので、なぜあなたがIT業界に転向したいと思ったかを整理して伝えましょう。
STEP3:応募戦略を設計する
応募は「数を打つ」ものではなく、設計するものです。
現実的に受かる可能性の高い求人と、少しチャレンジになる求人の両方を持っておくのが基本です。現実的な求人だけだと納得感が低くなり、チャレンジ求人だけだとお見送りが続いてモチベーションが持ちません。
求人を探す手段としては、転職サイトでの自己応募と、転職エージェント(有料職業紹介事業者)経由の応募があります。エージェントからの紹介は現実的な求人が中心になりやすいため、チャレンジ求人は自己応募で取りにいくという組み合わせが機能します。
お見送りが続くとモチベーションが下がるので、受かる可能性の高い求人で内定を確保しつつ、チャレンジ求人でより良い条件を狙う。 この順番を意識してください。
まとめ
・IT業界は人材不足を背景に未経験者を採用している・5つの職種のうち、キャリアの伸びしろを考えるとインフラエンジニア(運用監視)が入りやすい・ただし運用監視で止まらず、設計構築へ移ることを前提に会社を選ぶ・資格・学習・ポートフォリオで「学んでいる証拠」を作る・志望動機は、自分にしか語れない内容にする・応募は現実的な求人とチャレンジ求人を組み合わせる
この記事で一番むずかしいのは、STEP2の「自分にしか語れない志望理由」です。 ここは一人で書くと、どうしても一般論に寄ります。
「未経験からIT業界への応募書類を添削します」 でお受けしています。前職の経験をIT業界の言葉に翻訳する方法、学習歴の書き方(書きすぎない加減も含めて)、志望動機を一段具体にする方法をお伝えします。箇所ごとのコメントと全体講評、修正後の再確認2回まで。
職務経歴書がまだない方も、ご経歴の箇条書きから構成をご提案します。
※求人のご紹介や企業へのご推薦はいたしません(有料職業紹介の許可がないため)。ご相談・助言・キャリア設計・書類の方向性までが対応範囲です。