「勉強する意味」を教えてくれた本。塾長時代の私が生徒たちに『手紙屋』を勧めた時の3つの章

「勉強する意味」を教えてくれた本。塾長時代の私が生徒たちに『手紙屋』を勧めた時の3つの章

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学び
「なんで勉強なんてしなきゃいけないの?」
「良い高校、良い大学に入るためだけの勉強って意味あるの?」
「ぜんぜん成績伸びないんだけど」

個別指導塾の教室長として生徒たちと向き合っていた頃、生徒からこうした疑問をぶつけられることが何度もありました。もちろん「将来の選択肢が広がるから」といった一般的な答えは用意していましたが、生徒の心に、その言葉が本当に響いているのか、いやきっと響いていないだろう、と私自身も深く悩んでいた時期がありました。

そんな時に出会ったのが、喜多川泰さんの著書『手紙屋 蛍雪篇〜私の受験勉強を変えた十通の手紙〜』という一冊の本でした。

この本は、部活を引退して受験勉強に身が入らない女子高生が、「手紙屋」と呼ばれる謎の人物と文通をする中で、「勉強する本当の意味」に気づいていくという物語です。

当時の私は、同じ学習塾の先輩から「面白いから読んでみたら?」と軽い感じで勧めていただきました。私も軽い気持ちで読み始めたのですが、
読み終えた時、生徒に教える立場である私自身の「勉強に対する価値観」が覆されたのと、これはすぐに生徒に伝えたい、と思いました。

特に私の心に強く刺さり、生徒たちにも伝えた「手紙屋」のメッセージを3つ紹介します。

1. 勉強は「将来、誰かの役に立つための道具」を集める作業
私たちはつい「自分の成績を上げるため」「自分が良い学校に入るため」に勉強すると考えがちです。しかし手紙屋は、勉強で得る知識や経験は「将来、自分以外の誰かを助け、喜ばせるための道具」なのだと説きます。 難しい数学の問題を解く力や、長文を読み解く力そのものが将来直接使えなくても、そこに向き合って頭を鍛え、逃げずに努力した経験という「道具」は、必ず将来、大切な人を守るための力になるのです。

2. 勉強は「交換」ではなく「投資」である
「これだけ勉強したのに、成績が上がらない」と悩む生徒は多いです。それは勉強を、お金を出せばすぐに商品がもらえる「交換」だと思っているから。でも本当の勉強は、自分という人間に栄養を与えていく「投資」です。今日やった勉強がいつ芽を出すかはわからないけれど、自分を信じて投資し続けた人には、必ず想像以上のリターンが返ってくるのだと思います。

3. 家に返ってから最初に座る場所で自分の人生が決まる
成功するためには目標は大きく、ではなく必ず達成できる小さい目標をスモールステップで設定するとよい、と聞いたりします。ダイエットのためのランニングなどもそうかもしれませんが、このテーマはまさにまず最も小さな第一歩を踏み出す覚悟を決めること、と同時にどのような環境に身を置くか、ということが大切であるということも伝えてくれていると思っています。

私はこの本にひどく感銘を受け、教室の面談室や自習室で、悩んでいる受験生たちに「一度これ読んでみて」とこの本を紹介するようになりました。



最初は気が進まない様子だった生徒も、読み始めると真剣な顔つきに変わっていきました。それくらい中学生や高校生でも、読みやすい、引き込まれやすい構成担っていると思います。

「先生、私、なんで勉強するのか分かった気がする」
「今やっていることの点と点が繋がって、モチベーションがめちゃくちゃ上がりました」とすぐにいうほど素直ではないのが思春期の子どもたちですが、その後の勉強への向き合い方が変わってくれた生徒も多かったです。

ただ「やりなさい」と管理するのではなく、「なんのためにやるのか」という根源的な意味に本人が腹落ちした瞬間、生徒たちの推進力は驚くほど跳ね上がります。

秋が深まり、受験生にとってはこれから一番苦しい時期がやってきます。もし今、勉強へのモチベーションを見失っている学生さんがいたり、お子様への声かけに悩んでいる親御さんがいらっしゃったら、ぜひ『手紙屋 蛍雪篇』を手に取ってみてください。
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