長い人生において、誰しも逆境に陥るときは必ずある。そんなときにどうするか、という問題だが、私はそんなときは「何もしない」という選択も一つの選択肢としてアリだな、と思っている。
そもそも、逆境に陥るときというのは本人もかなり疲弊していることが多い。そんなときに無理矢理、ああだこうだと考えて、ジタバタ行動したところで一体、何が変わると言うのだろうか。そんなときは兎に角、自然に任せるのが一番である。
私はこれまでの人生において、数限りない逆境を乗り越えて来た。今までに訪れた危機の中には、生命の存続に関わるようなものも数多くあったし、そんな中でも何とか今日まで私が生き延びて来られたのは、その場その場に応じた状況判断、というよりは自分自身の持つ信念に拠るところが大きい。
私は毎日、「いつ死んでもいい」と思って暮らしている。元々、生きることに執着があまりない私にとって、これは極々自然なことである。
私の好きな漫画の中に、麻雀を題材にした「アカギ」というものがある。主人公の赤木しげるは、文字通りの天才雀士な訳だが、彼は常に死と隣り合わせの状況を楽しむ傾向にあって、常軌を逸した命知らずの言動をしばしば取る人物である。
私は彼のような人物がとても好きだ。無敵のメンタルを持つ、鋼のような強さと、いつか折れてしまうような繊細な儚さが彼の中に共存しているところがその漫画の中の様々な場面にも、ところどころ垣間見えて、彼の一挙手一投足にぐっと惹き込まれる。
そんな彼の名言は数多く存在しているのだが、その一つに「死ねば助かるのに」というものがある。こればある意味において真理だと私は思う。
池に落ちて溺れたとき、ジタバタと暴れれば暴れるほど、身体は水に沈んで行く。逆に身体中の力を抜けば、身体は自然と水に浮くだろう。つまり、私たちを苦しめているものの正体は所謂「執着」そのものなのである。
「こうでなければいけない」「これだけは手放せない」等といった思いが、余計な思考を生み、冷静な状況判断を妨げる。執着を手放すことで、自分自身の置かれている状況を客観的に捉えることができるようになって、物事が自然と上手く行くようになる。
こうしたことをしっかりと理解すると、どんな逆境においてもあまり慌てなくなる。「なるようにしかならない」と思うことができれば、自然と状況も変わって行くというものだ。
皆さんも実際に逆境に陥ったとき、よかったら、こうした方法を実践して欲しい。実際の場面においては、どんな判断も、どんな行動を取るかも本人の自由だが、私の実体験に基いたこの方法が、皆さんの人生が好転するための一助となれば幸いである。