「なんとなく」で終わらせない。急性期STが届ける、多職種を理解する。多職種に伝わる臨床の視点。
はじめまして、「かけはしST」です。急性期病院で8年以上、言語聴覚士(ST)として嚥下・摂食機能を中心に臨床に携わっています。介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格もあわせて持っており、病院だけでなく退院後の地域生活まで見据えた視点も大切にしています。
このアカウントを始めたきっかけは、私自身が新人STだった頃の経験です。血液検査のデータを見ても、それをリハビリの判断にどう活かせばいいのか分からず、先輩に聞いてもうまく言語化してもらえないまま「なんとなく」で済ませてしまっていました。それは経験を重ねた今でも、実は完全には解消されていない感覚があります。
さらに現場で強く感じてきたのが、多職種連携の中でのもどかしさです。医師や看護師は血液検査の数値を共通言語として当たり前のように会話していますが、STがその内容を理解できずカンファレンスで置いていかれてしまう場面を何度も見てきました。逆に、STが専門とする嚥下機能の視点は、他職種になかなか理解・共有してもらえないことも多いです。
「他職種の話を理解できるST」と「STの視点を他職種に理解・協力してもらえる関係」。この両方が揃って、はじめて患者さんにとって本当に良いリハビリ・栄養管理ができると考えています。今回作成した血液検査まとめ資料は、その"橋渡し"のための第一歩です。検査項目ごとに基準値だけでなく、「STとして注目すべきポイント」「他の検査との組み合わせ方」「反応が出るまでの時間(反応速度)」まで踏み込んでまとめました。実習生や新人STが臨床判断の視点を持てるように、そして先輩STやDr・Nsとの会話に自信を持てるようにという思いを込めています。
内容は臨床経験と一般的な医学知識に基づく参考資料であり、診断や治療方針の決定を代替するものではありません。基準値は施設によって異なるため、必ず所属先の基準値と照合したうえでご活用ください。
今後は、この資料をベースにしつつ、施設によってはST不在のまま他職種が嚥下評価を行っているケースや、新人STの嚥下評価をサポートする仕組み(アプリ化)にも挑戦していきたいと考えています。
臨床は経験がものを言う部分も大きいですが、その経験を再現性のある形にして届けることで、少しでも現場に出るSTと、STを取り巻く多職種の支えになれたらうれしいです。ご質問やご要望があれば、お気軽にメッセージください。